吹奏楽でも有名な「金管楽器」と「木管楽器」ですが、これらの違いを知っていますか。多くの人が、金属製と木製の違いだと認識していると思います。
しかし、実はそこには意外な事実が隠されていました。
この記事ではその違いについて、徹底解説していきます。
結論:音の出し方が違う
音の出し方で分類しています。
「金管楽器」は唇を振動させて音を出す楽器です。
一方、「木管楽器」はリードを振動させて音を出す楽器です。
「管楽器」の基礎知識
「管楽器」とは、空気を吹き込んで音を出す楽器です。吹奏楽やジャズのイメージが強いと思いますが、最近ではポップスなど幅広い音楽ジャンルで使われています。
音の高さは、共鳴体の長さを変えて調節します。方法は2種類です。1つ目は重なった菅をスライドさせて、物理的に長さを調節する方法です。具体的には、トロンボーンがなどがあります。
2つ目は、楽器に開いた孔(トーンホール)を指などで塞いで、音響学的な長さを変える方法です。
具体的には、リコーダーやクラリネットなどがあります。トーンホールを全て塞いだ状態が共鳴体は最も長く、最も低い音が出ます。そして、吹き口から遠い方より順番に孔を開けていくと、音も高くなっていく仕組みです。
ちなみに、邦楽や民族音楽・西洋の古楽で使用する楽器のトーンホールのことは、「指穴」と呼びます。
「金管楽器」をもっと詳しく
「金管楽器」とは金属製のマウスピースに、振動させた唇を押し当てて音を出す楽器です。唇の形や息のスピードで、音の高さを変えることができます。もともと合金などで作られていたことから、「金管楽器」と呼ばれるようになりました。
主な楽器は以下の通りです。
- トランペット
- ホルン
- トロンボーン
- ユーフォニアム
- チューバ
木管楽器と違って人間の唇が音の源なため、唇の厚さや顔面骨格・歯並びなどが演奏に大きく影響してしまうことも特徴です。
「木管楽器」をもっと詳しく
「木管楽器」は、リードを振動させて音を出す管楽器です。元々は木製で菅状の楽器が多かったことから、木管楽器と呼ばれていました。
主な木管楽器は以下の通りです。
- フルート
- サックス
- クラリネット
- ファゴット
- オーボエ
- リコーダー
- オカリナ
クラリネットやファゴットは木製ですが、フルートやサックスは金属製なので、素材は関係していないことがわかると思います。
またリードには、暖竹(だんちく)などで作った草製のもののほか、金属製のものがあります。以下はオーボエの写真です。
吹き口に、木の破片のようなものが挿さっていますよね。これをリードと言い、多くの木管楽器のリードはこのような形をしています。口に咥えて息を当てることで振動し、音が出る仕組みです。リードは厚さや形、削り方によっても音色が変化するため、様々な種類が売られています。
つまり、リードの有無で楽器の種類を判断すれば良いということなのですが、実は簡単なことではありません。
例えば、以下はフルートの写真です。オーボエにあるような木製のリードは付いていませんよね。
その理由は、唇を変形させてリードの役割を担う「エアリード」を使用するからです。
また、リコーダーやオカリナなどの、吹き口とリードが一体になっている木管楽器もあります。
このように、見た目で判断することは難しいということです。
まとめ
以上、この記事では、「金管楽器」と「木管楽器」の違いについて解説しました。
- 金管楽器:唇を振動させて音を出す楽器
- 木管楽器:リードを振動させて音を出す楽器
ロックなどの意外なジャンルで管楽器を使用していることもあるので、注目して聴いてみると面白いですね。