モジュールとは「➀寸法や大きさを表す単位➁機能の一部分・部品」という意味です。
モジュールは、専門的な場面で使われることが多い言葉なので、その意味を知る機会はなかなかないですよね。
この記事では、モジュールの詳しい意味や関連語を解説します。
☆「モジュール」をざっくり言うと……
英語表記 | モジュール(module) |
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意味 | ➀寸法や大きさを表す単位 ➁機能の一部分・部品 |
語源 | 「小さな単位」という意味のラテン語 “modulus” |
類義語 | 部品 構成単位など |
対義語 | 全体 全部など |
「モジュール」の意味
- 寸法や大きさを表す単位
例:モジュールの値を教えてください。 - 機能の一部分・部品
例:車には多くのモジュールが使われている。
モジュールには、大きな機構・組織を構成するための基本となる独立した構成要素というニュアンスがあります。
2つの意味を、それぞれ詳しく見ていきましょう。
意味➀:寸法や大きさを表す単位
「寸法や大きさを表す単位」という意味のモジュールは、以下のような分野で使われます。
- 歯車
- 建築
それぞれの分野ごとの意味を、詳しく見ていきましょう。
分野➀:歯車
歯車に関する用語として使われるモジュールは、歯車の大きさを表す単位を意味します。
歯車は周りにギザギザした部分がついており、そのギザギザの幅によって歯車の動きが変わります。
歯車の直径を、ギザギザした部分の数で割った数値をモジュールという単位で表すことができるのです。
たとえば、歯車の直径が50mmでギザギザが10個あった場合には、50/10=5で「モジュール5mm」となります。
分野➁:建築
建築におけるモジュールは、建築物の設計に用いる寸法を表します。
日本では以下の2つのモジュールが使われています。
- 尺モジュール
日本ならではの伝統出来な寸法で、910㎜=3尺と定義されている - メーターモジュール
最近の建築設計に採用される、メートル法を基準にした寸法方式
最近は、そもそも尺という単位を使う機会がほとんどないため、尺モジュールでは直感的に大きさをイメージしにくいです。
そのため、メーターモジュールのようにメートルで置き換えた単位が好んで使われます。
意味➁:機能の一部分・部品
「機能の一部分・部品」という意味のモジュールは、以下のような分野で使われています。
- ソフトウェア
- ものづくり
- 宇宙船
それぞれの分野ごとの意味を、詳しく見ていきましょう。
分野➀:ソフトウェア
ソフトウェアにおけるモジュールは、ソフトウェアを構成する部品を表します。
実際にパソコンを構成しているネジなどのような形のある部品ではなく、ソフトウェアを構成する部分を表すのです。
ソフトウェアをモジュールに分けて開発することで以下のようなメリットがあります。
- 部分ごとに分けて開発できる
- それぞれの機能の入れ替えや改善を行いやすくなる
- 構造がわかりやすくなり、開発時の混乱が減る
分野➁:ものづくり
ものづくりにおいて使われるモジュールとは、製品を構成するパーツのことを表します。
特に車やパソコンなどの製造に関して使われ、単に「部品」を表します。
特に、細かい部品を組み立てる必要のある製品では、モジュールという言葉がよく使われます。
分野➂:宇宙船
宇宙船の母船や宇宙ステーションの一部で、独立した機能を持つ部分をモジュールと呼びます。
モジュールは、母船から離れても独立して活動できるよう設計されています。
「モジュール」の使い方
モジュールは、複数の意味を使い分ける必要があります。
- モジュールが足りないので、組み立て作業を行うことはできません。
- モジュールの大きさがかみ合わないと、歯車は回らないよ。
- 今では、尺モジュールはあまり使われない。
➀のモジュールは「製品を構成する部品」という意味で使われています。
➁のモジュールは「歯車の大きさを表す単位」という意味で使われています。
➂のモジュールは「建築物の設計に用いる寸法」という意味で使われています。
「モジュール」の語源
モジュールの語源は、「小さな単位」という意味のラテン語 “modulus” です。
ここから英単語 “module” に派生しました。
英単語 “module” には、以下のような意味があります。
- (建築材料・家具製作などの)基準寸法
- 基本単位
- 組み立てユニット
カタカナ語のモジュールとほとんど同じ意味を持っています。
「モジュール」の類義語
モジュールには以下のような類義語があります。
- 構成単位
ものごとを構成する基本となる少数個の単位 - 要素
物事を成立させるために必要な部分
- 部品
機構、器具の一部分を成している品 - 部分
全体をいくつかに分けたものの一つ - バーツ
機械・器具などの部品 - プログラム
コンピューターに情報処理を行うための動作手順を指定するもの - ライブラリ(プログラミング)
プログラムの部品を集めてひとまとめにしたファイルのこと
「モジュール」と「プログラム」と「プログラミング」の違い
モジュールとプログラム、プログラミングはそれぞれ以下のような意味を持つ言葉です。
- モジュール
プログラムの要素であり、一番小さな単位 - プログラム
モジュールを集めて機能させたもの - プログラミング
プログラムの組み合わせ
つまり、モジュールが組み合わされてプログラムとなり、さらにそのプログラムが組み合わさったものがプログラミングなのです。
モジュールは、そのもの単体では機能せず、プログラムとしてまとめられることでその機能が実行されます。
「モジュール」の対義語
モジュールには以下のような対義語があります。
- 全体
あるひとまとまりの物事のすべての部分 - 全部
ある物事のすべて - トータル
全体を足したもの・すべて
モジュールには、機能や部品の一部分という意味があるので、「全体」などの言葉が対義語であると言えます。
「モジュール」の関連語
モジュールに関連した言葉としては、以下のようなものが挙げられます。
- モジュール生産
ある程度の部品を組み立てた状態で納入し、最後に組み立てやすくする生産方法 - モジュール強度
プログラミングにおいて、モジュールの中に含まれる機能の関連性の強さを表す概念 - モジュール結合度
プログラミングにおいて、モジュールの中に含まれる機能の関連性の強さを表す概念 - モジュール制
10~15分ほどの短い授業を組み合わせて時間割を作るという学校の授業制度 - モジュール学習
通常45分の授業を15分ごとの3つに分ける短時間学習 - モジュール設定
システム開発においてモジュール一つ一つを設定すること
「モジュール強度」「モジュール結合度」の意味
モジュール強度やモジュール結合度はプログラミングの分野で使われます。
これらは、それぞれの機能を担うモジュール同士の関連性の強さのことを表します。
モジュール結合度が低いほど、ほかのモジュールに影響されずに開発を進められるため、よいプログラムとされます。
「モジュール」のまとめ
以上、この記事ではモジュールについて解説しました。
英語表記 | モジュール(module) |
---|---|
意味 | ➀寸法や大きさを表す単位 ➁機能の一部分・部品 |
語源 | 「小さな単位」という意味のラテン語 “modulus” |
類義語 | 部品 構成単位など |
対義語 | 全体 全部など |
モジュールは、さまざまな分野で使われる言葉だということがわかりましたね。