今回ご紹介する言葉は、ことわざの「水を打ったよう」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「水を打ったよう」をざっくり言うと……
読み方 | 水を打ったよう |
---|---|
意味 | その場にいる大勢の人が、静まり返るさま |
由来 | 水をまくと、地表のほこりが飛ばなくなることから |
類義語 | 猫の子一匹いない、鳴りを静めるなど |
対義語 | 蛙鳴蝉噪、喧々囂々など |
英語訳 | A hush fell over.(静けさが広がった。) |
このページの目次
「水を打ったよう」の意味をスッキリ理解!
水を打ったよう:その場にいる大勢の人が、静まり返るさま
「水を打ったよう」の意味を詳しく
「水を打ったよう」は、その場にいる大勢の人達が一斉に静まり返る様子を表すことわざです。
「打つ」は、一般的には「叩く、ぶつ」という意味です。しかし、このことわざにおいては、「まいて散らす」という意味です。
ほこりっぽい地面に水をかけ、ほこりが舞うのが収まった様子を表しています。
「水を打ったよう」の使い方
- 休み時間のクラスは、それぞれが思い思いにおしゃべりをしていた。しかし、A君が突如奇声をあげると、クラスは水をうったように静かになった。
- 終了間際、キャプテンがゴールにロングシュートを決めた。観客席は、一瞬水をうったように静まり返り、その後歓声に沸いた。
- 鬼教師の異名を持つ数学の先生が入って来た。すると、クラスは一瞬にして水を打ったようになった。
「水を打ったよう」の由来
「水を打つ」は、水を地面にまくことを表します。
水を地面にまくと、土は湿ります。そのため、たとえ元がほこりっぽい地面であったとしても、表面のほこりが空気中に舞うことがなくなります。
「水を打ったよう」は、「静まり返った大勢の人」を湿った地面に重ねたことわざです。
「水を打ったよう」の類義語
「水を打ったよう」には以下のような類義語があります。
- 猫の子一匹いない:人がまったくいないこと
- 鳴りを静める:物音をたてず、静かにしていること
「水を打ったよう」の対義語
「水を打ったよう」には以下のような対義語があります。
- 蛙鳴蝉噪(あめいせんそう):騒がしいこと
- 喧々囂々(けんけんごうごう):大勢の人が騒ぎ立てる様子
「蛙鳴蝉噪」は、蛙や蝉(せみ)がやかましく鳴いている様子からできた四字熟語です。
「水を打ったよう」の英語訳
「水を打ったよう」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A hush fell over.
(静けさが広がった。) - complete silence
(完全な静寂) - stunned silence
(水を打ったような静寂)
“stunned” は「ぼうぜんとして」「あぜんとして」という意味の形容詞です。そのため、 “stunned silence” は、大勢の人々が突然の出来事に驚き、言葉がでない状態を表します。
まとめ
以上、この記事では「水を打ったよう」について解説しました。
読み方 | 水を打ったよう |
---|---|
意味 | その場にいる大勢の人が、静まり返るさま |
由来 | 水をまくと、地表のほこりが飛ばなくなることから |
類義語 | 猫の子一匹いない、鳴りを静めるなど |
対義語 | 蛙鳴蝉噪、喧々囂々など |
英語訳 | A hush fell over.(静けさが広がった。) |
「水を打ったよう」は、言葉から意味が想像しにくいことわざです。しかし、由来まで知ることで、ことわざのイメージがつくようになります。
意味・由来を合わせて覚えておきましょう。