「まじる」という言葉は日頃よく用いることが多いでしょう。ただ、この言葉には「混じる」「交じる」「雑じる」という 3つの表記の仕方があります。皆さまは、それぞれの意味の違いをご存知でしょうか。
今回は「混じる」「交じる」「雑じる」の違いについて解説します。
結論:区別できない「混じる」、区別できる「交じる」、不純な「雑じる」
「交じる」とは、別々のものが溶け合わずに入り組むことを指します。
「雑じる」とは、別々のものが雑然と入り組み、純粋でなくなることを指します。
「混じる」をもっと詳しく
「混じる」とは、性質の異なるもの同士が溶け合うことを指します。ポイントは、溶け合った結果、それぞれを区別できなくなるという点です。
例えば、「赤の絵の具に青の絵の具が『まじる』」と言う場合は「混じる」を用います。結果として違う色の絵の具が出来た時、赤と青の区別ができなくなるためです。
ただ、それぞれを区別することが出来るにもかかわらず「混じる」という言葉を用いるケースがあります。「男女混合」はその 1例です。これは、男子と女子を区別することは出来るものの、1つの物にまとまっているというニュアンスを出すために「混じる」を用いています。
「混じる」の使い方の例
- においが混じる。
- 雑音が雑じってよく聞こえない。
- 塩に砂糖が混じる。
「交じる」をもっと詳しく
「交じる」とは、性質の異なるもの同士が溶け合わずに入り組むことを指します。「混じる」との違いは、それぞれを区別することが出来るということです。
例えば、「大人の集団の中に子どもが『まじる』」と言う場合は「交じる」を用います。結果として新たな集団が出来上がったとしても、大人と子どもを区別することは出来るからです。
「交じる」の使い方の例
- とうとう髪の毛に白いものが混じってきた。
- 漢字と仮名が交じった文。
- この羊の群の中にはやぎが数頭交じっている。
「雑じる」をもっと詳しく
「雑じる」とは、性質の異なるものが溶け合ったり入り組んだりする結果、純粋でなくなることを指します。「異物が雑じる」などのように、そうならなければ失われなかった元々の純粋さが意識される場合に用いられます。
ただ、「まじる」という言葉に字を当てることを考えた時、「雑」は常用外漢字です。そのため、この意味において「まじる」を使う場合は通常「混じる」を用います。
「雑じる」の使い方の例
- 柴犬の血が雑じっている。
- かなりと言ってよいほど素人の私がプロの人に雑じって職場体験をさせていただいた。
- 邪念が雑じる。
まとめ
以上、この記事では、「混じる」「交じる」「雑じる」の違いについて解説しました。
- 混じる:別々のものが溶け合って区別が出来なくなること
- 交じる:別々のものが溶け合わずに入り組むこと
- 雑じる:別々のものが雑然と入り組み、純粋でなくなること。
意味が似ている「混じる」「交じる」「雑じる」ですが、それぞれにニュアンスは異なります。「まじる」ことでどうなるのかを意識しながら、上手に使い分けてください。