「緑ピーマン」と「赤ピーマン」の違いとは?栄養までわかりやすく解説

違いのギモン

スーパーなどで、ピーマンを見かけることはよくあると思います。

「緑ピーマン」は、身近なものだと思いますが、「赤ピーマン」との違いについては、知っていましたか?

「赤いものはパプリカなのでは」と思う方もいるかもしれません。ですが、ピーマンとパプリカは異なる品種なので、「緑ピーマン」と「赤ピーマン」はピーマンであるという点では同じです。

 

このように「パプリカ」と「ピーマン」の違いはシンプルです。それでは、「緑ピーマン」と「赤ピーマン」の相違点とは何なのでしょうか。

この記事では、「緑ピーマン」と「赤ピーマン」の違いについて解説します。

結論:「緑ピーマン」が熟すと「赤ピーマン」になる

どちらも、ナス科トウガラシ属の品種である「ピーマン」の実のことを指しています。

なかでも、「緑ピーマン」は、まだ熟していない状態の実で、苦味が特徴的です。

対して「赤ピーマン」は、完全に熟した状態の実で、甘みがあり、栄養が豊富に含まれています。

「緑ピーマン」をもっと詳しく


「緑ピーマン」は、ピーマンの花が開いてから、約3週間後に収穫されます。このタイミングで収穫をすると、ピーマンの実はまだ熟しきっていません。

熟しきっていないトマトやバナナが緑色であるのを想像すれば、「熟していないから緑である」ことをイメージしやすいでしょう。

 

それでは、なぜ未熟な状態で収穫をするのでしょうか。

一つ目の理由は、収穫までにかかる時間です。「緑ピーマン」は、「赤ピーマン」に比べて、開花から半分以下の時間で収穫することができます。ですので、「緑ピーマン」の方が低いコストで作ることができるのです。

二つ目に、含まれている栄養素の違いです。「緑ピーマン」には、苦味の原因である「ピラジン」という成分が含まれています。この「ピラジン」には、血液をサラサラにする作用があるため、「緑ピーマン」は心筋梗塞といった病気の予防に役立ちます

ビタミンやカロテンといった栄養素については、完熟している「赤ピーマン」の方が、豊富に含まれています。ですが、この「ピラジン」は、熟していくと同時に失われてしまうのです。

「赤ピーマン」をもっと詳しく


ピーマンの実は、完全に熟するまでに約8週間かかります。このタイミングで収穫すると、「赤ピーマン」として収穫できるのです。

収穫できるまで時間がかかることから、「緑ピーマン」より値が張ります。しかし、優れている点が2点あります。

まず、「赤ピーマン」の味は、ピーマン特有の苦みが少なく、甘みがあります。噛む時のシャキシャキ感は「緑ピーマン」に劣りますが、子供でも食べやすい味です。

次に、「赤ピーマン」の方が、断然に豊富な栄養素が含まれています。以下は、文部科学省の『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』のデータによる、「緑ピーマン」と「赤ピーマン」の栄養量を比較している表です。

ビタミンCビタミンEαカロテンβ
緑ピーマン76mg0.8mg400μg
赤ピーマン170mg4.3mg940μg

 

このように、全体的に「赤ピーマン」の栄養素は高く、ビタミンEαに至っては、「緑ピーマン」の約5倍の量があるのです。

また、「赤ピーマン」には新陳代謝を活性化する「カプサイシン」という栄養素も含まれています。「ピラジン」はほとんどないものの、「赤ピーマン」には豊富な栄養があるのです。

まとめ

以上、この記事では、「緑ピーマン」と「赤ピーマン」の違いについて解説しました。

  • 緑ピーマン:未熟な状態の実で、苦味のもととなる「ピラジン」を含む
  • 赤ピーマン:完熟の状態で、全体的に豊富な栄養素を含む

身近なピーマンですが、熟している程度や栄養価に違いがあることはあまり知られていません。

きちんと違いを理解すれば、同じピーマンでも含まれている栄養素を意識して料理をしたり、豆知識として友人などに披露したりできますね。