「彗星」と「隕石」の違いとは?定義までわかりやすく解説

違いのギモン

星空って綺麗ですよね。

星空はたくさんの星でできていますが、それにはたくさんの種類があります。そして、中には変わった星もありますよね。例えば、尾をひいている星や、地表に落ちてくる星などです。

尾をひいている星を「彗星(すいせい)」と言い、地表に落ちてくる星のことを「隕石(いんせき)」と言います。

みなさんもこのくらいはご存知だと思います。しかし、これ以上のことを知っている人はあまりいないのではないでしょうか。

そこで、今回は「彗星」と「隕石」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:落ちてくるかどうかが違う

「彗星」とは太陽の周りを楕円などの軌道を描いて回っている小さな天体のことです。

一方、「隕石」とは宇宙空間から惑星の地上に飛来した直径が1mmを超える物体のことです。

「彗星」をもっと詳しく

彗星とは太陽の周りを楕円などの軌道を描いて回っている小さな天体のことです。

多くは氷や岩石やドライアイスや気体などで構成されており、太陽に溶かされた部分が特徴的な尾を形成します。これがほうきに見えるため、彗星はほうき星と呼ばれることもあります。

ちなみに、この尾は水蒸気や揮発性の物質が太陽風に流され、太陽光に反射して光って見えています。

そのため、彗星の尾は進行方向に関係なく、太陽の逆方向に見えます。そして、太陽風とは太陽から吹き出てくる極めて高温なプラズマのことです。

 

ところで、彗星の大きさは直径数十メートルのものから直径50キロメートルほどのものまでさまざまです。

また、軌道もさまざまですが、大きくわけると楕円軌道を取る「周期彗星」と双曲線の軌道を取るものと放射線の軌道を取るものの3種類になります。

ちなみに、このうち双曲線の軌道を取るものと、放射線の軌道を取るものは二度と太陽の近くを通ることはありません。

 

そして、周期彗星は大きく短周期のものと長周期のものの2つにわけられています。ちなみに、公転周期が200年以下のものが短周期で、200年を超えるものが長周期です。

このうち、短周期のものとしては76年周期で一周するハレー彗星や3.5年周期で一周するエンケ彗星などがあげられます。

また、長周期のものとしては1996年に地球の近くを通過した百武(ひゃくたけ)彗星があげられます。ちなみに、百武彗星の公転周期は数万年です。

そして、長周期彗星は太陽の熱により内容物が蒸発させられることが少ないので、十分に揮発成分を持っていることが多く、明るく輝く彗星になることが多いでしょう。

 

ちなみに、短周期の彗星はカイパーベルトという場所からやってくると言われています。カイパーベルトはエッジワース・カイパーベルトと呼ばれることもありますが、海王星の外側にある小さな天体がたくさんある場所のことです。

また、長周期の彗星はオールトの雲からやってくると言われています。オールトの雲とは太陽系の外側にある、小さな天体がたくさんある場所のことです。

 

ところで、日本では年に何回か流星群を見ることができますが、これには彗星が関係している場合があります。

彗星は常にチリをばらまきながら宇宙を移動しているため、彗星が通った道にはチリがたくさん浮遊していて、これが地球と出会った時、チリが地球の重力にひかれて落下します。そして、チリは空気との摩擦熱によって発火し、これが流れ星になっているのです。

 

ちなみに、昔は彗星の出現は悪い兆候であるとして恐れられていました。

「隕石」をもっと詳しく

隕石とは宇宙空間から惑星の地上に飛来した直径が1mmを超える物体のことです。

ちなみに、宇宙空間から飛来した大きさが1mmに満たない物体のことは宇宙塵(うちゅうじん)と呼びます。

そして、隕石にはさまざまな種類のものがあり、直径は1mmほどのものから2.7メートルのものまであり、2.7mのものはホバ隕石と呼ばれています。

ちなみに、ホバ隕石は現在は風化や破壊活動や調査のための採掘などにより60トンほどの重さですが、昔は66トンほどあったと言われています。

 

また、隕石は宇宙からやってくるため、地表に到達するまでにかなりの部分が空気との摩擦熱で消えてしまいますが、燃え残って地表に到達するものは主に石でできているか、鉄でできています。

そして、隕石のうち95.6%は石でできた石質隕石であり、0.5%は鉄でできた鉄隕石です。また、石と鉄が半分ずつ含まれているような石鉄隕石もあります。

このうち、鉄が含まれているものは人類が鉄を使い始めた理由の有力な説のうちの1つになっています。

 

ちなみに、隕石と流れ星は宇宙から惑星に落ちてくるという意味で似ているものですが、流れ星は途中で燃え尽きてしまい、地表にまではたどり着かないという特徴があります。

そもそも、宇宙から落ちてくるもののうち、途中で燃え尽きてしまうのが流れ星であり、地表にまで到達するのが隕石なのです。

 

また、隕石の多くは小惑星同士が衝突するなどしてできています。ちなみに、隕石のふるさとは小惑星がたくさんある、火星と木星の間にある小惑星帯だと言われています。

小惑星の衝突でできた石のかけらが木星の重力などによって小惑星帯を飛び出し、惑星に向かって落ちていくのが隕石なのです。

そして、大きな隕石が地球に落ちてくる時には巨大な火球が出現し、夜でも昼みたいな明るさになり、衝撃波があったり、地表に激突する爆発音が聞こえてきたりします。

 

その中でも特に大きいものは落ちた後にクレーターができることがあります。

例えば、恐竜が絶滅する原因になったと言われている隕石のクレーターはチュクシュクルーブ・クレーターと呼ばれていています。

また、有名なクレーターとしてはバリンジャー・クレーターもあげられます。これは世界一有名なクレーターと言われています。

↑バリンジャークレーター

また、隕石は地表に到達するまでに割れて、破片になることがあり、その場合には隕石雨などと呼ばれます。

 

ちなみに、隕石の「隕」は常用漢字なので公文書や新聞や教科書などでは用いることができません。

なので、新聞などに使われる場合はひらがなにし、「いん石」と表記されます。

まとめ

以上、この記事では、「彗星」と「隕石」の違いについて解説しました。

  • 彗星:太陽の周りを楕円などの軌道を描いて回っている小さな天体のこと
  • 隕石:宇宙空間から惑星の地上に飛来した直径が1mmを超える物体のこと

「彗星」や「隕石」にはこんな興味深い特徴が隠されていたんですね。更に調べていくと、もっと興味深い情報があるかもしれません。興味がある人はもっと深く調べてみてはいかがでしょうか。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。