新種の病気!「MERS」と「SARS」の違い

違いのギモン

みなさんは「MERS」という病気をご存知でしょうか。この病気は、2015年に韓国で大流行し、ニュースで話題になったので、なんとなく覚えている方も多いと思います。

また、「MERS」と同じような病気として「SARS」があげられます。この病気は2003年に中国で流行し、ニュースでも報道されました。こちらは少し前なので、あまり覚えていない人も多いと思います。

この2つの病気は名前が似ていて、同じ病気など思っている人もいるのではないでしょうか。

そこで、今回は「MERS」と「SARS」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:違う病気

「MERS」と「SARS」はどちらもコロナウイルスが変化したウイルスが原因になって起こる病気ですが、違う病気です。

まず、「MERS」は日本語では中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome)と呼ばれ、MERSコロナウイルスが原因となって起こる病気です。

一方、「SARS」は日本語では重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome)とよばれ、SARSコロナウイルスが原因となって起こる病気です。

「MERS」をもっと詳しく

MERSは日本語では中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome)と呼ばれ、MERSコロナウイルスが原因となって起こる病気です。

この病気は2015年に韓国で流行したことで有名になりました。そして、その原因としては大人数でするお見舞いの文化や、院内での感染対策が不十分であったことなどが考えられています。

ちなみに、この病気は2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です。そして、有効な治療法はなく、感染経路も2015年の時点でははっきりと特定されていませんでした。

ここからはMERSの原因、症状、治療、予防について詳しく解説していきたいと思います。

MERSの原因

MERSの原因はMERSコロナウイルスというウイルスです。コロナウイルスは通常は鼻かぜを起こすウイルスですが、これが変異して発生しました。

そして、もともとは中東のヒトコブラクダからヒトに感染したと言われています。なぜなら、ヒトコブラクダから、ヒトに感染したMERSコロナウイルスと同じものが分離されたからです。

 

そして、主な発生地域はアラブ首長国連邦、イラク、イラン、サウジアラビアなど中東諸国です。これが渡航を通じてヨーロッパ諸国や韓国などに広まりました。

また、ヒトからヒトへ感染する時には濃厚接触や飛沫感染などが原因になっていることが多いと言われています。ちなみに濃厚接触には、感染者と行動をともにしたり、2m以内に座っていたことなども含まれます。

ただ、MERSはあまり感染力の高い病気ではありません。そのため、韓国の場合には同じ病院内での感染にとどまりました。

そして、致死率は35%程度と高いですが、これは中東を中心に感染者がいるからで、充実した医療がある先進国の場合、死亡率はもう少し低くなるでしょう。

MERSの症状

MERSの主な症状は発熱やせき、息切れなどのほか、下痢など消化器にかかわる症状です。潜伏期間は2日~14日ほどです。

そして、初期症状はインフルエンザと似ています。

また、どのくらいの症状が出るのかについては個人差があります。

そのため、軽症で症状が出ない人もいる一方で、もちろん死に至る場合もあります。そして、高齢者のほか、糖尿病などがある人は重症化する傾向があります。

MERSの治療

MERSに根本的な治療法はありませんし、効果がある薬もあまり報告されていません。

そのため、MERSの治療は基本的に対症療法になります。

例えば、肺炎が起こった場合には抗炎症薬を投与し、下痢が起こった場合には脱水状態になるのを予防するために経口補水液の補給を行います。

また、二次感染を防止するために抗生物質も投与します。

つまり、MERSには感染しないことが最も重要だと言うことができるでしょう。

MERSの予防

MERSの予防は基本的にほかの病気に感染しないようにする方法と同じです。

つまり、徹底した手洗い、マスクの装着、ドアノブや車のハンドル、つり革など、人が触れるところの消毒が基本になっています。

 

また、中東に行く際は殺菌処理がされていない牛乳や生肉など、加熱が不十分な食品を摂取するのは控えるべきでしょう。また、不衛生な環境で調理されたものを摂取するのは避け、果物や野菜などを食べる時にはよく洗うべきです。

そのほかにも、せきの症状がある人との接触を避けたり、動物との接触を避けたりすると予防につながるでしょう。

 

そして、2015年には、MERSに特化した予防法も確立されました。

この年の6月に京都府立大学大学院の教授である塚本康浩らのグループがこのウイルスと強く結びつく抗体を、ダチョウの卵を使うことで大量精製することに成功したのです。

そして、共同で研究を進めていたアメリカ陸軍感染症医学研究所がこの抗体の効果を検証し、スプレー剤として大量生産を開始しました。

ちなみに、この抗体に覆われたウイルスは人の細胞に侵入することができなくなり、大きな予防効果があると言われています。

「SARS」をもっと詳しく

SARSは日本語では重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome)とよばれ、SARSコロナウイルスが原因となって起こる病気です。

この病気は2003年に原因不明の急性肺炎として、中国を中心に流行しました。

そして、現在ではWHOからSARSの封じ込めに成功したことが発表されています。そのため、現在感染している人はほとんど存在しません。

SARSについても原因、症状、治療、予防について解説していきたいと思います。

SARSの原因

SARSの原因はSARSコロナウイルスです。このウイルスもコロナウイルスが変異してできたものです。中国で発生しました。

そして、このウイルスはコウモリからヒトに感染したとみられています。

 

また、ヒトからヒトに感染する時には飛沫感染をすることが多いです。

そして、感染力が強く、短期で感染が拡大してしまいます。

ちなみに、致死率は10%ほどであったと言われています。

また、潜伏期間は2日~10日ほどです。

SARSの症状

SARSの主な症状は高熱、たんを含まないせき、息切れ、呼吸困難などです。

そして、最初に38℃の熱を出すため、初期症状はインフルエンザと似ています。

SARSの治療

SARSの根本的な治療法はありません。そして、治療する際には主に対症療法がとられます。

具体的な対症療法の手段はMERSと同じなので、ここでは省略します。

SARSの予防

SARSの予防は通常の感染症の予防と変わりません。そして、その手段はMERSの予防の項で解説したため、ここでは省略します。

まとめ

以上、この記事では、「MERS」と「SARS」の違いについて解説しました。

  • MERS:日本語では中東呼吸器症候群と呼ばれ、MERSコロナウイルスが原因となって起こる病気
  • SARS:重症急性呼吸器症候群とよばれ、SARSコロナウイルスが原因となって起こる病気

これらの病気は2018年5月現在では日本には存在しません。でも、中東や中国に旅行する時には、注意したいですね。