「目から鱗が落ちる」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「目からうろこ(めからうろこ)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「目からうろこ」をざっくり言うと……

読み方目からうろこ(めからうろこ)
意味何かしらのことをきっかけに、急に物事の実態を理解できるようになること
由来新約聖書「使徒行伝」9章より
類義語開眼する、合点がいく、腑に落ちるなど
英語訳1he scales fall from one’s eyes (目からうろこ)、to see the light(目からうろこが落ちる)、to be awakened to the truth(真実に気づく)

「目からうろこ」の意味をスッキリ理解!

目からうろこ(めからうろこ):何かしらのことをきっかけに、急に物事の実態を理解可能になること

「目からうろこ」の意味を詳しく

「目からうろこ」は、「あることがきっかけで、急に物事の実態や本質、真相が分かるようになったり、迷いから覚めたりすること」です。それまで分からなかったことが急に理解できるようになったり、全く新しい発想を得ることを表します。

「目からうろこ」は、「目からうろこが落ちる」を略して使われるようになった言葉です。「目からうろこが取れる」は誤用なので注意しましょう。また、「うろこ」を漢字で「鱗」と書いて「目から鱗」と書く場合もあります。

「目からうろこ」の使い方

  1. この本は生きる指針を示してくれ、悩みが解消されて目からうろこが落ちる思いだった。
  2. その先生の私に対する指導は、まさに目からうろこだった。
  3. 旧友の話を聞いて価値観が変わり、目からうろこが落ちるようだった。

「発見」「疑問や悩みの解消」「気づき」などをしたシーンで使われます。

「目からうろこ」の由来

「目からうろこ」は、新約聖書「使徒行伝」の9章の一文が由来となっています。サウロは、キリスト教の発展を語る上で重要な人物です。そのサウロが、イエスの教えに目覚める「サウロの回心」の一文を以下に引用します。

すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。

キリスト教徒を迫害していたサウロは、町へ向かう途中に急に目が見えなくなってしまいました。

そして、イエスが「町へ行けば、あなたのすべきことが告げられるだろう」と語りかけ、サウロは町へ向かいます。サウロが町で祈っていると、キリスト教徒のアナニアという人物が目を治しに来る幻を見ました。

すると実際にアナニアが現れて、サウロの目からうろこのようなものが落ちます。そして、サウロの目は元どおり見えるようになったのでした。このことをきっかけに、サウロはイエスの教えに帰依(きえ)したのでした。

 

「サウロの回心」では、「目からうろこ」は宗教的な目覚めのことを指しています。しかし、現在では迷いや不安に陥っていたり、疑問を抱いていたりする状態から脱して、真実が見えるようになるという意味で使われます。

「目からうろこ」の類義語

「目からうろこ」には以下のような類義語があります。

  • 開眼する:真理を悟ること
  • 合点がいく:納得がいくこと
  • 腑に落ちる:理解できる
  • 目を開く:知識を得たりして新しい境地を知ること

「目を開く」には、①単純に目を開く ②新しい境地を悟るという2つの意味があり、2つ目の意味は「目からうろこ」の類義語と言えます。②の意味では、「目を開かれる」「目が開かれる」というように言ったりもします。

「目からうろこ」の英語訳

「目からうろこ」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • the scales fall from one’s eyes 
    (目からうろこ)
  • to see the light
    (目からうろこが落ちる)
  • to be awakened to the truth
    (真実に気づく)

“the scales fall from one’s eyes” は、『新約聖書』に記載のある一文で、「目からうろこ」はこの文の日本語訳です。

まとめ

以上、この記事では「目からうろこ」について解説しました。

読み方目からうろこ(めからうろこ)
意味何かしらのことをきっかけに、急に物事の実態を理解できるようになること
由来新約聖書「使徒行伝」9章より
類義語開眼する、合点がいく、腑に落ちるなど
英語訳1he scales fall from one’s eyes (目からうろこ)、to see the light(目からうろこが落ちる)、to be awakened to the truth(真実に気づく)

「目からうろこ」は、日常的に用いられる言葉です。正しい意味を改めて確認しましょう。

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mikan
愛読書は広辞苑。 日本語の持つゆかしさや含み、趣深さが大好きです。大学では音声学・日本語学を専攻しました。 慣用句や四字熟語が得意分野です。