今回ご紹介する言葉は、ことわざの「目から鱗(うろこ)が落ちる」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「目から鱗が落ちる」をざっくり言うと……
読み方 | 目から鱗(うろこ)が落ちる |
---|---|
意味 | 何かの拍子に、物事が理解できるようになること |
由来 | キリスト教徒が目の見えない人を助けた話が由来 |
類義語 | 目から鱗、腑に落ちる、開眼する |
英語訳 | The scales fall from one’s eyes.(目から鱗が落ちる。) |
このページの目次
「目から鱗が落ちる」の意味をスッキリ理解!
「目から鱗が落ちる」の意味を詳しく
「目から鱗が落ちる」は何かの拍子に、物事が急に理解できるようになるという意味です。
「目から鱗が落ちる」は「目に魚の鱗が張り付いているように、物事が分からない状態」が前提となっています。このことわざは、何らかのキッカケで、目に張り付いていた鱗が落ちるように、物事が一瞬にして理解できることを表します。
「目から鱗が取れる」は間違った表現なので、注意してください。
「目から鱗が落ちる」の使い方
- 健康なのによく眠れない原因について、疑問に思っていた。調べると、カフェイン飲料を夕方に飲むと、睡眠の質が落ちることを知り、目から鱗が落ちた。
- 語学の学習方法について疑問に思うことがあった。偶然見つけた雑誌に、自分が今まで考え付かないような学習方法が書かれていたので、目から鱗が落ちた。
①・②の例文は、いずれも何かキッカケがあり、ものごとを理解できるようになったという意味で「目から鱗が落ちる」を使っています。
「目から鱗が落ちる」の由来
「目から鱗が落ちる」は『新約聖書』の使徒行伝(しとぎょうでん)の話が由来になっています。
サウロという男はキリスト教を迫害していました。ある日、彼は天の光によって目が見えなくなります。サウロの目が見えなくなったことを知ったキリストは、弟子たちにそれを話しました。そして、キリストの弟子の1人のアナニヤという人物に、サウロを助けるように言ったのです。
アナニヤがサウロに手をかざすと、サウロの視力が回復しました。そのときに、サウロがThe scales fall from one’s eyes. と表現しました。この英文を日本語に訳すと、「目から鱗が落ちる」になります。
ちなみに、その後サウロはパウロに改名して、キリストに生涯尽くしました。
元の「目から鱗が落ちる」は、「間違いを認め迷いから覚める」という意味でした。そこから転じて、現在の「何かのキッカケで、物事が急に分かるようになる」という意味に変化しました。
「目から鱗が落ちる」の類義語
「目から鱗が落ちる」には以下のような類義語があります。
- 目から鱗:「目から鱗が落ちる」と同じ意味
- 腑に落ちる:納得すること
- 開眼(かいげん)する:物事の本質が分かること
「開眼する」は「かいがん」と読んだ場合には、単に目がよく見えなかった状態から、見える状態になるという意味になります。一方で、「かいげん」と読むと、悟りを開くことや物事を極めることを表します。
「目から鱗が落ちる」の英語訳
「目から鱗が落ちる」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- The scales fall from one’s eyes.
(目から鱗が落ちる。) - Eye-opener
(目を開かせるもの)
まとめ
以上、この記事では「目から鱗が落ちる」について解説しました。
読み方 | 目から鱗(うろこ)が落ちる |
---|---|
意味 | 何かの拍子に、物事が理解できるようになること |
由来 | キリスト教徒が目の見えない人を助けた話が由来 |
類義語 | 目から鱗、腑に落ちる、開眼する |
英語訳 | The scales fall from one’s eyes.(目から鱗が落ちる。) |
たくさん新たな発見をすることで、様々な視点からものごとを見られるようになります。その結果、人生もより豊かなものになっていくでしょう。