マージンとは「➀利ざやや手数料➁委託証拠金➂ページの欄外や余白」という意味です。
ビジネスで重要になる言葉ですが、複数の意味があるので少し理解が難しくもあります。
この記事では、複数ある意味をそれぞれ詳しく解説します。
☆「マージン」をざっくり言うと……
英語表記 | マージン(margin) |
---|---|
意味 | ➀利ざやや手数料➁委託証拠金➂ページの欄外や余白 |
語源 | 「縁」という意味のラテン語 “margo” |
類義語 | ルール 規則など |
「マージン」の意味
➀利ざやや手数料
例:マージンをどれだけとれるかが利益につながる。
➁委託証拠金
例:取引数に応じてマージンが必要です。
➂ページの欄外や余白
例:マージンは、広めにとってください。
それぞれの意味を詳しく解説します。
意味➀:利ざや・手数料
マージンには、「利ざや」「手数料」という意味があります。
「利ざや」とは、原価と売値の差額によって生じる利益のことです。
原価が50円の物を200円で売ったとします。
その場合、原価と売値の差は200-50=150で、150円になります。
また、手数料は一般に他人の求めに応じて行った特定の行為に対する報償として受け取る金銭のことです。
そして、基本的に販売手数料・仲介手数料などの手数料は利ざやに含まれるものです。
「手数料は利ざやの一部」という考えから、マージンは利ざやだけでなく、手数料という意味を持つようになりました。
具体的には、以下のような業界ではマージンが「手数料」という意味で使われます。
- 人材派遣業界
派遣会社から受け取る報酬から派遣社員に支払う給与を差し引いた「仲介手数料」 - 商社
商品の仕入れと販売を行う際に受け取る「手数料」
意味➁:委託証拠金
マージンは株の取引において用いられるときには、「委託証拠金」という意味になります。
委託証拠金とは、取引などを投資家が行う際に、証券会社などに担保として差し入れなければならない現金のことです。
個人の投資家の場合、自ら直接株式を売買する場合もありますが、証券会社や銀行などの企業を介する場合がほとんどです。
そのような株式の売買の際に、投資家は証券会社などの企業に対して担保としてお金を預ける必要があります。
この担保になるお金のことを、株式用語で「委託証拠金」と呼ぶのです。
意味➂: 余白
マージンには、余白という意味があります。
印刷業界やWebデザインにおけるマージンは、本やページなどの印刷物における欄外の部分や余白部分を指します。
印刷物は断裁時に数ミリ刃がずれることがあるので、印刷物の周囲に余白を設けることで、ずれても印刷物に影響が及ばないようにするのです。
また、Webページを作成する際に、ページの周囲の余白や文字や画像同士の空白のことをマージンと表現します。
Webページでは、文字や画像などの境界の内側に設けられる空白をパディングと言い、外側に設けられる他の要素との隙間をマージンと呼んでいます。
印刷業界などのビジネスの場面で余白を表したいときに「マージン」が使われることが多いです。
日常生活で「余白」と言いたいときにマージンを使うと違和感を持たれてしまいます。
「マージン」の使い方
マージンには複数の意味があるので、それぞれの文章に適した意味で使う必要があります。
文章を読む際にも、マージンがどの意味で使われているのか文脈から読み取らなければなりません。
また、「手数料」という意味のマージンは➀のように「マージンを取る」という形で使われることが非常に多いです。
- 弊社は、マージンを取ることによって利益を得るビジネスモデルです。
- その株を売買するには、かなり多くのマージンが必要になります。
- 左側のマージンを減らす方向で行きましょう。
➀のマージンは、「手数料」という意味で使われています。
➁のマージンは、「委託証拠金」という意味で使われています。
➂のマージンは、「余白」という意味で使われています。
「マージン」の語源
マージンの語源は、「縁」という意味のラテン語 “margo” です。
これが英単語の “margin” という形へと変化し、印刷物の縁である「欄外」「余白」を意味するようになりました。
また、余白は「余裕がある部分」という意味であるので、そこから利益を表す「利ざや」という意味に派生しました。
結果、英単語の “margin” は以下のような意味を持つ単語になりました。
- (時間・経費・活動などの)余裕
- 余白
- 欄外
- (誤りなどの)余地
- (時間の)差
- (得票などの)票差
- 縁
- へり
- 端
ここから、より意味が専門的な内容に絞られたのがカタカナ語のマージンです。
「マージン」の類義語
マージンには以下のような類義語があります。
- 粗利(あらり)
売り上げから原価やコストを差し引き残った利益のこと - 売上総利益
売り上げから原価やコストを差し引き残った利益のこと - 粗利益
売り上げから原価やコストを差し引き残った利益のこと - スペース
空いている場所、空間 - ブランク
空白 - 委託保証金
委託証拠金の別名
粗利、売上総利益、粗利益は「利ざや」という意味のマージンの類義語です。
スペース、ブランクは「余白」という意味のマージンの類義語です。
委託保証金は、「委託証拠金」という意味のマージンの類義語です。
粗利、売上総利益、粗利益の3つは同じ意味を持つ言葉です。
「マージン」の関連語
マージンには以下のような関連語があります。
- マージンミックス
利益率が高いものと低いものを組み合わせた販売 - マージンコール
証券の信用取引や先物取引において委託証拠金の総額が不足した場合に支払う追加証拠金 - マージン率
マージンの割合
「マージン率」の意味
マージン率とは主に派遣業界で使われる言葉で、「派遣先が派遣会社に支払う派遣料金と、派遣会社が派遣スタッフへ支払う賃金の差額の割合」のことです。
そして、マージン率は以下のように計算されます。
〔派遣料金の平均(派遣先が派遣会社へ支払う)-賃金の平均(派遣会社が労働者に支払う)〕÷派遣料金の平均×100
「マージン」のまとめ
以上、この記事ではマージンについて解説しました。
英語表記 | マージン(margin) |
---|---|
意味 | ➀利ざやや手数料➁委託証拠金➂ページの欄外や余白 |
語源 | 「縁」という意味のラテン語 “margo” |
類義語 | ルール 規則など |
マージンには色々な意味があることがわかりましたね。
この機会に使いこなせるようにしておきましょう。