「マナー」と「モラル」と「エチケット」の違いとは?英語まで解説

違いのギモン

社会で生活していくためには法律を守るだけではなくて、「マナー」なども守らなくてはなりませんよね。

「マナー」を守らなくてもつかまったりはしませんが、みんなに白い目で見られてしまいます。

ところで、「マナー」と同じような言葉として「モラル」や「エチケット」がありますよね。

これら3つの言葉の違いは何なのでしょうか。はっきりと答えられる人はなかなかいないと思います。

そこで、今回は「マナー」と「モラル」と「エチケット」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:意味が少し違う

まず、「モラル」は倫理・道徳のことで、ほかの2つの言葉とは少し意味が違います。

次に、「マナー」と「エチケット」はどちらも礼儀作法のことですが、「マナー」が社会集団に対する礼儀作法であるのに対して、「エチケット」は相手に対する礼儀作法のことです。

「マナー」をもっと詳しく

マナーとは、社会集団に対する礼儀作法のことです。

これは自然にできあがったわけではなく、人間が意識して作り上げました。そして、守らなくても特に罰則はありませんが、周りの人から白い目で見られてしまい、社会的信用を失ってしまうかもしれせん。常識を疑われてしまうこともあるでしょう。

また、マナーは気遣いのある行動全般を指すので、エチケットより範囲が広いという特徴があります。

そして、生活する場所が変わればマナーも変わるので、海外などで生活する時には注意が必要でしょう。

例えば、日本では食べ物を手で食べると不潔でマナー違反だと思われることが多いですが、インドではカレーなどでも手を使って食べるのが当たり前です。

 

そんなマナーの語源をさかのぼるとラテン語で手のことを表す “munus” という単語にたどり着きます。この言葉は中世のイギリスで “manor” に変化し、これは荘園の封建領主の所領経営の範囲を表していました。

そして、当時の領主の館はマナハウスと呼ばれていましたが、地域の地主がここで示した博愛精神が現代のマナーの意味に通じています。

ちなみに、英語ではマナーは “manners” とつづり、礼儀作法という意味になっています。

「マナー」の使われかた

マナーにはいくつか種類があります。

まず、テーブルマナーです。これはナイフの使いかたなどが含まれます。

次に、食事のマナーです。これには口を閉じて食べることなどが含まれます。

その次は、乗り降りのマナーです。これには電車などで、乗る人よりも降りる人のほうが優先されることなどが含まれます。

そして、最後はペットの散歩のマナーです。これはペットがしたフンは持ち帰ることなどです。

「モラル」をもっと詳しく

モラルとは、倫理や道徳のことです。つまり、個人個人の善悪の判断基準のことです。

そして、モラルをどう考えるかは個人の判断にゆだねられていて、人によってモラルの内容は異なります。

ちなみに、モラルは3つの単語の中でもっとも重みがあります。

もしモラルがない行動をしてしまうと「つめたい人」、「人を思いやれない人」などとささやかれ、最悪の場合にはなんらかの社会的制裁を受けてしまいます。

特に芸能人やアイドル、タレントなど有名な人は社会的な制裁を受けてしまう可能性が高いでしょう。例えば、ニュースなどではよく芸能人の不倫騒動が報じられていますよね。

不倫は犯罪ではありませんが、モラルがない行為の代表格です。

 

そんなモラルの語源はラテン語の “mos” であり、これは道という意味です。

そして、英語では “moral” とつづり、意味は日本語と同じです。

「エチケット」をもっと詳しく

エチケットとは相手が不快にならないようにするための礼儀作法のことです。

エチケットはマナーと意味が似ていますが、ある一人の人物に対するものという点が違います。

そして、この言葉は衛生面で用いられることが多いでしょう。例えば、エチケット袋などです。

また、守らなかった場合にはだらしがない人だと思われてしまいます。

 

そんなエチケットの語源は古代フランス語で “estiquier” という単語です。これは正札・荷札という意味を表しています。

これらは宮廷に招かれたものの行動を指示した通用札のことで、宮中における礼法のことを表しています。

そして、この言葉は現在のフランス語では “etiquette” とつづり、礼儀作法のことを表しています。

ちなみに、これがマナーとは違って個人に対する礼儀であるのは、フランス人の個人主義が強いからだと言われています。

エチケットの使われかた

エチケットにもいくつか種類があります。

まず、服装のエチケットです。例えば、大事な場面ではネクタイをしめることなどがあげられます。

次に、身だしなみのエチケットです。これには外出する時には寝癖を直すことなどがあげられます。

その次は、言葉遣いのエチケットです。これには上司にきちんと敬語を使うことなどがあげられます。

そして、最近ではネットの普及によって、ネチケットという言葉も生まれています。

ネチケットとは、SNSに投稿した自分の書き込みを見て、他人が不快にならないように配慮することです。

まとめ

以上、この記事では、「マナー」と「モラル」と「エチケット」の違いについて解説しました。

  • マナー:社会集団に対する礼儀作法のこと
  • モラル:倫理や道徳のこと
  • エチケット:相手が不快にならないようにするための礼儀作法のこと

これらはどれも守らないと社会で生活しにくくなってしまいます。きちんと守って生活していきたいですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。