サッカー用語「マリーシア」の意味とは?ポルトガル語の語源も解説

言葉

マリーシアとは「サッカーにおける駆け引きやずる賢いプレー」という意味です。

マリーシアは重要な言葉ですが、その定義はあいまいでもあるので、厳密な意味を知らないという人も多いですよね。

この記事では、具体的なプレーにも触れながら、意味を詳しく説明します。

「マリーシア」の意味

マリーシア

サッカーにおける駆け引きやずる賢いプレー
例:マリーシアは、日本で好意的に思われてはいない。

マリーシアは、サッカーにおける駆け引きやずる賢いプレーのことを表す言葉です。

意味に「ずるい」という言葉が入ってはいますが、マリーシアはスポーツマンシップに反するような姑息で危険な行為を表すものではありません。

試合の状況によってプレーの仕方を変えたり、反則に当たらない範囲で、相手が嫌がるであろうプレーを行ったりすることを表します。

マリーシアは、臨機応変さやルールの穴をつくような器用なプレーとして、もともとはポジティブな意味で使われる言葉なのです。

マリーシアの具体例


実際に、どんな行為がマリーシアに当たるのか、具体例を見ていきましょう。

先ほど、マリーシアは、臨機応変なプレーを指すポジティブな言葉だと述べました。

しかし、どのようなプレーまでがマリーシアに当たるのかという厳密な定義は存在しません。

そのため、反則ではないけれど、スポーツマンシップに反するような行為もマリーシアに含まれる場合もあります。

 

まずは、サッカーの戦略として認められているような、ポジティブなマリーシアの例を挙げます。

ポジティブなマリーシア
  • パス回しを長時間続けて相手の体力を奪う
  • 試合の状況ごとで、臨機応変にポジションを変更する
  • ファールされたときに倒れこみ、試合の流れを一時的に止める
  • 積極的に攻めず、ボールをキープして時間稼ぎをする
  • 相手の陣形が整わないうちにフリーキックを行う

次に、反則行為であったり、スポーツマンシップに反するようなマリーシアを見ていきましょう。

ネガティブなマリーシア
  • ファールを受けた際に、オーバーに転んでアピールする
  • 交代の選手が走らずに、時間稼ぎをする
  • ボールをすぐに相手に渡さないことで試合の再開を遅らせる
  • 相手をいらだたせるような発言をする

マリーシアではない例

相手と接触していないにもかかわらず、自らわざと転倒して誤審を招くような行為はマリーシアではありません。

その一方で、実際に足を踏まれたり、タックルをされたりと、ファールに当たる行為を受けた時に、きちんと転倒して審判にアピールすることは反則ではないマリーシアに当たります。

サッカーは、コートの広さに対して審判が少ないので、きちんとファールを受けたことをアピールしないと気づいてもらえないことがあるのです。

ただし、意図的な時間稼ぎや痛がるパフォーマンスは、日本では嫌われる行為でもあります。

「マリーシア」のイメージ


マリーシアは、ブラジルをはじめとする海外サッカーでは、非常に大切な技術であると考えらることが多いです。

それに対して、日本におけるマリーシアは、「姑息である」「ずるいプレー」というマイナスなイメージを持たれていることが多いです。

日本は、スポーツにおいても「正々堂々」「相手を思いやる」といった姿勢を強く求める文化があります。

時には、試合の勝ち負けよりも、その試合での振る舞いや姿勢を重要視することさえあるのです。

 

このような文化の中では、海外選手が積極的に行うマリーシアが、批判の対象になることがあります。

実際に、ブラジル人選手はマリーシアを積極的に行う場合が多いです。

そのため、彼らが、日本のチームに来た時には、マリーシアが話題に上がります。

 

以上のように、マリーシアは国や地域ごとに、イメージの良し悪しが大きく異なります。

例えば、アルゼンチンでは、マリーシアは日本と同じように、悪いニュアンスで使われることが多いです。

その一方で、南米やヨーロッパなどの地域では、マリーシアは立派な技術のひとつであり、良いプレーだと捉えられていることが多いです。

「マリーシア」の語源


マリーシアの語源は、ポルトガル語の “malicia” です。

“malicia” には、以下のような意味があります。

  • ずる賢さ
  • 駆け引き
  • 機転が気く
  • 臨機応変さ
  • 知性
  • 処世術

語源を見てもわかるように、マリーシアにはスポーツマンシップに反するような、反道徳的な行為という意味はありません。

ブラジルの公用語はポルトガル語

マリーシアは、ブラジルで生まれた言葉です。

ブラジルは、ポルトガルの植民地であったという歴史があるため、公用語はポルトガル語です。

そのため、マリーシアの語源はポルトガル語なのです。

「マリーシア」の使い方


マリーシアは、もともとはポジティブな意味を持つ言葉です。

しかし、日本ではマイナスなニュアンスで使われることが多いです。

実際に、マリーシアを使った例文を見ていきましょう。

  1. マリーシアは、日本で批判の対象になることが多い。
  2. ブラジルから来た選手は、マリーシアが上手い。
  3. 彼のマリーシアを見て、不愉快になる人もいる。

「マリーシア」の類義語


マリーシアには以下のような類義語があります。

  • シミュレーション
    ファールを受けていないにもかかわらず、ファールを受けたふりをする行為
  • ダイブ
    ファールを受けていないにもかかわらず、ファールを受けたふりをする行為
  • マランダラージ
    相手を意図的に傷つける汚いプレー
  • カチンバ
    試合を混乱させたり、相手を怒らせるたりするために行う行為
  • セラ
    遅延行為

上記の類義語は、どれもサッカーで行われる行為を表す言葉です。

「マリーシア」のまとめ

以上、この記事ではマリーシアについて解説しました。

英語表記マリーシア(malicia)
意味サッカーにおける駆け引きやずる賢いプレー
語源「ずる賢さ」という意味のポルトガル語 “malicia”
類義語シミュレーション
ダイブなど

マリーシアは、定義があいまいな言葉です。

この機会に、意味をしっかりと理解しましょう。