「馬子にも衣装」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「馬子にも衣装(まごにもいしょう)」です。

言葉の意味・使い方・例文・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「馬子にも衣装」をざっくり言うと……

読み方馬子にも衣装(まごにもいしょう)
意味誰であっても、外見を飾り立てれば立派に見えるということ
由来身分の低い「馬子」でも、服装次第で立派に見えることから
類義語杭にも笠、鬼瓦にも化粧、木株にも物着せよなど
対義語衣ばかりで和尚はできぬ、公家にも襤褸、君飾らざれば臣敬わずなど
英語訳Fine clothes make the man.(美しい服は、人間をつくる。)

「馬子にも衣装」の意味をスッキリ理解!

馬子にも衣装(まごにもいしょう):誰であっても、外見を飾り立てれば立派に見えるということ

「馬子にも衣装」の意味を詳しく

「馬子にも衣装」は、たとえ大したことのない人間であっても、外見を飾り立てれば立派にみえるということを意味することわざです。

つまり、服装や装飾品さえきちんとしていれば、見た目はごまかせる、ということです。

「馬子にも衣装 髪形かみかたち」と言う場合もあります。

また、一般的には「衣装」と書きますが、「衣裳」と書くのも間違いではありません。

「馬子にも衣装」の使い方

通常、自分や自分の身内について謙遜する時に用いられます。他人のことを「馬子でも衣装」と言うと、他人を「つまらない人間」と馬鹿にすることになるので、注意が必要です。

また、「馬子」を「孫」と書くのは誤りです。そのため、「孫にはどんな服を着せても可愛い」という意味で使用しないようにしましょう。

実際に使うと、相手を褒めるつもりが、けなしていることになってしまいます。

「馬子にも衣装」の例文

  • 馬子にも衣装って言ったら失礼かしら。でも、友人の私から見ても、いつものあなたとは別人にようだわ。
  • 息子のことを褒めて頂いてありがとうございます。馬子にも衣装ですわ。
  • 田舎に住む弟に、新しい服を送ってやった。後日、送られてきた写真を見ると、弟は東京にいそうなオシャレな若者に変身していた。まさに馬子にも衣装だ。

例文のように、親しい友人や身内について「馬子でも衣装」と言う場合が多いです。

「馬子にも衣装」の由来

「馬子」は、人や荷物を馬で運ぶ仕事をしていた人のことです。この仕事は、主に身分の低い人や下働きをする人が行っていました。

つまり、身分の低い「馬子」でも、良い衣装さえ着れば、立派に見えるという意味のことわざです。

「馬子にも衣装」の類義語

「馬子にも衣装」には以下のような類義語があります。

  • いぐいにも笠
  • 切り株にも衣装
  • 麦藁むぎわら人形も装束から
  • 鬼瓦にも化粧
  • 姿は作り物
  • 木株にも物着せよ
  • 木偶でくも髪かたち
  • 人形にも衣装

どの類義語も「馬子にも衣装」とほぼ同じ意味を持ちます。しかし、たとえている物や、細かい意味は異なります。

「鬼瓦にも化粧」の「鬼瓦」は、醜い女性の顔のたとえです。つまり、どんな顔の女性でも、化粧次第で美しくなれる、と言う意味のことわざです。

また、「姿は作り物」も化粧・服装次第で人の見た目はどうにでもなることを表すことわざです。この2つは特に意味が近いといえます。

 

一方、「木株にも物着せよ」の「木株」とは、切り株のことです。切り株でも、飾り次第で見栄えするものになるということに由来しています。

同じ「木」ですが、ことわざのイメージが大きく異なるのが「木偶でも髪かたち」です。「木偶」とは、木で作った人形のことを指します。

「馬子にも衣装」の対義語

「馬子にも衣装」には以下のような対義語があります。

  • 衣ばかりで和尚おしょうはできぬ:見かけだけちゃんとしていても、意味がないということ
  • 公家にも襤褸つづれ:身分が高い人でも、粗末な服を着ると、貧相に見えるということ
  • 君飾らざれば臣敬わず:偉い人でも、外見が良くないと、人がついてこないということ
  • 馬子に温袍おんぽう:身分にふさわしいもののたとえ

「襤褸」は、使い古されて破れた衣服のことです。「ぼろ」「らんる」と読む場合もあります。

「馬子にも衣装」の英語訳

「馬子にも衣装」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Fine clothes make the man.
    (美しい服は、人間をつくる。)
  • Apparel makes the man.
    (服は人間をつくる。)
  • Fair feathers make fair fowls.
    (美しい羽は、美しい鳥をつくる。)

“fowl” は、「人が飼育する鳥」という意味です。

まとめ

以上、この記事では「馬子にも衣装」について解説しました。

読み方馬子にも衣装(まごにもいしょう)
意味誰であっても、外見を飾り立てれば立派に見えるということ
由来身分の低い「馬子」でも、服装次第で立派に見えることから
類義語杭にも笠、鬼瓦にも化粧、木株にも物着せよなど
対義語衣ばかりで和尚はできぬ、公家にも襤褸、君飾らざれば臣敬わずなど
英語訳Fine clothes make the man.(美しい服は、人間をつくる。)

「馬子でも衣装」と言うように、どんな人でも服装次第で大きくイメージを変えることができる可能性があります。

しかし、逆に考えると、今までイメージが良くても、服装次第でイメージが悪くなることもあるということです。

日々をより良く生きるために、服装には気を付けていきましょう。