「緑茶」と「抹茶」と「玉露」と「煎茶」と「番茶」の違いとは?

違いのギモン

日本茶は、私たちにとって非常になじみのあるお茶ですよね。

しかし、様々な種類があるので、選ぶときに迷ったことはありませんか。この記事では、「緑茶」「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」の違いについて解説します。

☆「抹茶」「煎茶」「玉露」「番茶」「緑茶」の違いをざっくり言うと……

原料解説
緑茶抹茶碾茶(てんちゃ)石臼でひいて粉にする。栽培過程で日光を遮る。
玉露チャの木最高ランクのお茶。栽培過程で日光を遮る。
煎茶チャの木中級のお茶。栽培過程で日光を遮らない。
番茶チャの木下級のお茶。栽培過程で日光を遮らない。

結論:「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」は「緑茶」の1種

まず、「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」は「緑茶」の1種です。そして、「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」は、原料やランクが違います。

「緑茶」「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」の違いを分かりやすくまとめたものが以下の表になります。

原料解説
緑茶抹茶碾茶(てんちゃ)石臼でひいて粉にする。栽培過程で日光を遮る。
玉露チャの木最高ランクのお茶。栽培過程で日光を遮る。
煎茶チャの木中級のお茶。栽培過程で日光を遮らない。
番茶チャの木下級のお茶。栽培過程で日光を遮らない。

それでは、最初に「緑茶」とは何かについて見てみましょう。次に「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」の違いについて、解説していきます。

「緑茶」とは

「緑茶」とは、日本で作られるお茶全般のことを指します。他の言い方では、日本茶とも呼ばれます。

「緑茶」の原料は、チャの木の葉です。チャの木とは、ツバキ科ツバキ属の常緑樹(じょうりょくじゅ)です。常緑樹とは、1年中葉がついている植物のことです。

「緑茶」は不発酵茶といって、発酵していないお茶に分類されます。茶葉は、放っておくと、茶葉が持っている酵素によって発酵します。しかし、「緑茶」は、蒸すことで発酵が進まないようにしています。

「抹茶」をもっと詳しく


「抹茶」は、原料が碾茶のお茶のことです。「抹茶」の用途は、茶の間で作るお茶だけではありません。味が濃いので、和菓子や洋菓子など幅広く使うことができます。

碾茶は、途中で長い期間、覆いをかぶせて、日光を遮ります。日光を遮って育てる過程は、玉露と共通しています。

「抹茶」は、玉露、煎茶、番茶と比べると、製造方法に違いがあります。玉露、煎茶、番茶は、製造過程で茶葉を揉みます。一方で、「抹茶」の場合は、揉む過程はなく、そのまま乾燥させて、石臼で粉にします。

「玉露」をもっと詳しく


「玉露」は、日本茶の中で、一番高級なお茶です。そのため、当然、作るのに手間もかかります。

一般的なチャの葉は、太陽の日差しをたくさん浴びて育ちます。それに対して、玉露の場合は、途中で日光を遮って、必要に応じて有機肥料を与えます。

煎茶や番茶は手摘みの場合もありますが、多くの場合は、機械で摘まれます。しかし、「玉露」の場合は、人の手で丁寧に摘まれます。

 

茶葉は、太陽の日を浴びると、カテキンという苦みの成分が多くなります。「玉露」は、日光を遮ることで、苦みが少なくなります。その代わりに、テアニンと呼ばれるうま味成分が多くなります。

「玉露」と似たような種類のお茶として、かぶせ茶があります。かぶせ茶とは、玉露と同じ製法で作られるお茶です。「玉露」と何が違うのか疑問に思いますよね。

玉露とかぶせ茶の違いは、日光を遮る期間です。「玉露」は20日間とかぶせ茶よりも期間が長いです。かぶせ茶は摘む前の約1週間ほど、太陽の光を遮ります。

「煎茶」をもっと詳しく


「煎茶」は、中級の最も一般的なお茶です。「煎茶」の意味は、お湯で抽出するお茶です。

一般的なお茶の製造方法は、まず機械か手で茶葉を摘みます。機械の場合は、1芯につき4~5枚を摘みます。手摘みでは、それよりも少なく、1芯につき2~3枚です。

次に、摘んだ茶葉が新鮮なうちに蒸す作業をします。蒸すことで、茶葉が酸化しません。その後、茶葉を揉み、繊維をほぐします。揉む作業によって、お茶の味が決まるので、とても大切な作業です。

強く揉むと、茶葉の細胞に小さな傷がつきます。傷がつくことで、早く味が出るようになります。その代わりに、1回で味が全て出てしまう場合が多いです。

軽く揉むと、ゆっくりと味が出るので、数回同じ茶葉で楽しむことができます。最後に乾燥をして、茎や粉を取ってから、茶葉の形と大きさを整えて完成です。

「番茶」をもっと詳しく


「番茶」は、最もランクが低いお茶です。「番茶」は、晩茶とも書かれることがあり、文字通り遅い時期に摘んだお茶です。

「番茶」には、現在は硬い茶葉や、古い茶葉が使われています。しかし、一番ランクが低いと言っても、味はほかの日本茶と比べると、さっぱりしていて、苦みが少なくなります。そのため、子供や体調の悪い人でも無理なく飲めるお茶です。

「番茶」の色は、薄くて透明度が高く、ペットボトルのお茶として使われることが多いです。

まとめ

以上、この記事では、「緑茶」「抹茶」「玉露」「煎茶」「番茶」の違いについて解説しました。

最後にもう一度、下記の表を確認しましょう。

原料解説
緑茶抹茶碾茶(てんちゃ)石臼でひいて粉にする。栽培過程で日光を遮る。
玉露チャの木最高ランクのお茶。栽培過程で日光を遮る。
煎茶チャの木中級のお茶。栽培過程で日光を遮らない。
番茶チャの木下級のお茶。栽培過程で日光を遮らない。

身近なものほど、気づきにくいですが、お茶といっても色々な種類がありましたね。それぞれのお茶の個性を楽しんでみてはいかがでしょうか。