知ってスッキリ!「愛」と「恋」の違い

違いのギモン

多くの人はいままで生きていて、「恋」をしたり、「愛」を感じたりしたことがあるのではないでしょうか。「愛」や「恋」は映画、本、詩など、芸術作品ならば必ずと言っていいほど登場する、普遍的なテーマですよね。

ところで、「愛」と「恋」の違いは何なのでしょうか。これらの概念は主観的なものなので、きっちりした定義があるわけではありません。しかし、一般的に考えられている違いはあります。そこで、今回は「愛」と「恋」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:人によって違う

「愛」や「恋」は主観的なものであるため、何が「愛」で何が「恋」なのかは人によって異なります。

ただ、一般的には「恋」より「愛」のほうが意味が広くて、深いものであるという認識があるようです。

「愛」をもっと詳しく

何を「愛」というのかは人によって違います。しかし、一般的には恋と比較して深いものです。そして、相手のことを中心に考えていて、相手のために何ができるのかについて考えられるのが愛と言えるでしょう。

また、相手のすべてを受け入れることができるのが愛で、愛を感じる時間は一瞬から一生まで、人や場合によって違うようです。

そして、恋が衝動的であるのに比べて、愛は自分の理性で選択した行動の結果なので、落ち着いたものであるという特徴があります。

また、愛は対象が広く深いです。愛の対象は異性が代表的ですが、その他にも親、兄弟から人類全体に対するものまでさまざまですよね。

ちなみに、愛は人間だけに芽生える感情で、動物には愛という概念は存在しないと言われています。

さて、そんな愛は辞書ではどのような意味になっているのでしょうか。次はそれについて見ていきたいと思います。

辞書から見る愛の意味

辞書で愛という単語を調べてみると、以下のようなたくさんの種類の愛の形があるということがわかりました。

【1】兄弟・親子愛

まず、これは親、子、兄弟姉妹などを対象とした愛のことです。やはり、家族はただの他人とは違い、相手のために何かをしてあげたいと思うことが多いと思います。

その中でも、親の子に対する愛は大きく、時にそれが原因ですれ違いが起こってしまうことすらありますよね。

【2】恋人やパートナーへの愛

これは恋人など、特別な関係にある2人の間に芽生える感情です。恋人ならば、自分のことを犠牲にしてでも何かをしてあげたいと考えることも多いですよね。

例えば、恋人が風邪をひいてしまったら看病をしてあげたいと思う人は多いと思いますし、実際に看病する人もいると思います。

【3】物事への愛

これは人に対する愛ではないのでイメージしづらいかもしれませんが、私たちの周りにもたくさんの例を見つけることができます。例えば、とても数学が好きな人は、数学のことを愛していると考えることもあるかもしれません。

「君は数学のことを愛しているんだな」と友達に言われることもあるでしょう。

ただ、この場合の愛はその物事に対して何かをしてあげたいというよりは、単に大好きであるという意味で使われることが多いでしょう。

また、物事に対する愛の対象はペットの場合もあるでしょう。その場合はペットを家族の一員と考える人も多いため、兄弟などに対する愛と同じような意味だと考えることができるでしょう。

【4】全体に対する愛

愛はもっと大きなものに対して感じることもあります。これは、個人的な感情を超え、幸せを願う深く温かいこころのことです。この愛には人類全体に対する愛などが含まれるでしょう。

人によっては、世界が平和になって争いごとがなくなればいいのに、と考えることがあるでしょう。そして、世界を平和にするために活動をしている人もいると思います。その場合は人類全体を愛してると言えるでしょう。

【5】キリスト教の愛

キリスト教では神が人類をいつくしみ、幸福を与えることを愛と考えています。

【6】仏教の愛

キリスト教では愛はいい意味として使われていますが、仏教では少し良くない意味の言葉としてとらえられています。仏教で言う愛とは「貪愛(とんあい)」のことなのですが、貪愛とはある対象を追い求めて、それに執着することです。

そして、それは自分の欲望に根差したものであると仏教では考えます。

これは、解脱(げだつ)を妨げるよくないものの1つなのです。ちなみに解脱とは生きることの束縛や苦しみなどから抜け出し、悟りを得ることです。そして、仏教は解脱が幸せになる唯一の手段だと考えています。

愛という言葉の歴史

上記のようなさまざまな意味を持つ愛ですが、もともとは中国から仏教用語として入ってきた言葉です。つまり、愛のもともとの意味は【6】の意味だったのです。

ただ、日本では強い欲望というもともとの意味だけでなく、日本語の「思い」に当たる言葉としても使われていました。

しかし、そんな状況は西洋の文化やモノ、言葉などが日本にたくさん流入してきた明治時代に変わります。この時代には英語の “love” やフランス語の “amour” などが知られるようになり、日本語にこれらを訳すいい言葉はないかと考えられました。

そこで白羽の矢が立ったのが「愛」です。 “love” や “amour” などは上で解説したような意味で用いられていたため、日本でも愛は何かをいつくしむ心という意味を持つようになったのです。

「恋」をもっと詳しく

恋も人によって違う感情だと思いますが、一般的には愛より比較的浅い感情だと考えられています。そして、どちらかというと相手に自分を受け入れてもらいたい、などという自分の欲望を押し通したいと考えることが多いようです。

そして、究極的には恋をしている対象と性的な関係を持ちたいと思うことが多いです。

また、衝動的なものであり、自分ではコントロールできないという特徴もあります。確かに、恋に落ちると自分の感情をコントロールしにくくなってしまいますよね。

 

しかし、恋がこのようにコントロールしにくい感情であることにはきちんと意味があります。

人間にとって、性的な関係を持つことと、それにより妊娠をし、子どもができることは長い間イコールの関係でした。現代ではピルやコンドームなどの避妊具があるため、子どもを作るタイミングを調整できるようになりました。

しかし、それまでのとても長い間、性的な関係を持つことは子どもができるということと直結していたのです。

そして、人間にとって、妊娠や出産を行うことはリスクです。まず、女性は妊娠・出産の間、おなかの中にいる子どもを守りつつ、自分自身のことも誰かに守ってもらわなければいけません。

また、男性も肉体関係を持った女性とそのおなかの中にいる子どもを守るため、自分の財産や時間を犠牲にしなければなりません。

普通、このようなリスクを背負ってまで子どもを持ちたいと考える人はそこまで多くないでしょう。

しかし、多くの子孫を残し、種の個体数を増やしていくことは生物にとって生存するために重要です。逆に、種の個体数を増やすことに失敗すると、その種は絶滅してしまいます。

 

そこで、人類という種が個体数を増やしていって繁栄するために選択したのが「恋」という手段です。

人間は恋をすることで、特定の人と性的な関係を持ち、子どもを持ちたいと考えるようにプログラムされているのです。

そんな恋という言葉は辞書ではどのような意味になっているのでしょうか。次はそれについて解説していきたいと思います。

辞書から見る恋の意味

辞書から見た恋の意味は愛と違ってシンプルで、特定の異性に強く惹かれることです。

ちなみに、分かりやすくするために「異性」という言葉を選択しましたが、恋愛対象として強く惹かれる対象は同性である人もいますし、中には同性と異性のどちらにも惹かれるという人もいます。

恋という言葉の歴史

輸入された概念である愛とは違い、恋という言葉は和語で、日本にもともとあった言葉です。そして、愛という言葉が中国からやってくる前は、日本語の「思い」と同じ意味の言葉でした。

ちなみに、この時代の「思い」は植物や季節などに寄せる思いのことも指していましたが、現代のように特定の異性などに強く惹かれることを指す場合が多かったです。

そして、現在では昔より意味が狭まり、植物や季節に寄せる思いのことは表さなくなりました。

まとめ

以上、この記事では、「愛」と「恋」の違いについて解説しました。

  • :相手本位の深い感情
  • :自分本位の浅い感情

愛と恋の一般的な意味はこのようになっています。しかし、ひとりひとり愛や恋の形は違うので、自分の感情だけではなく、相手の感情にも配慮してあげられると素敵ですよね。