「ロジスティクス」の意味は?物流との違いや語源について解説

言葉

ロジスティクスとは「戦略的物流」という意味です。

聞いたことはあるけれどイマイチ意味が分からないという人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ロジスティクスの意味や物流との違い、語源について解説します。

「ロジスティクス」の意味

ロジスティクス

戦略的物流

例:我が社の課題はロジスティクスの確立だ。

ロジスティクスとは「戦略的物流」という意味です。

合理的な物流システムを構築することを目指し、需要予測・調達・包装・在庫管理・受注処理・返品処理などさまざまな機能を最適化して管理することを指します。

ロジスティクスの目的

ロジスティクスの目的は以下の通りです。

  • 物流の効率化
  • 在庫・コスト削減
  • 品切れ防止

ロジスティクスは、無駄をなくした効率の良い物流の実現に役立ちます。

「ロジスティクス」の使い方

ロジスティクスは、主にビジネスの場で使われます。

例文を見てみましょう。

  1. 4月からロジスティクスの部署を設置する。
  2. ロジスティクスに力を入れていて、販売戦略に工数をかけられていないのが課題だ。
  3. 卒業論文でロジスティクスをテーマにした。
  4. ロジスティクスの管理が命運を分ける。
  5. 軍の戦略で重要なのはロジスティクスだ。

「ロジスティクス」の語源

ロジスティクスの語源は英語の “logistics” です。

“logistics” には「兵站(へいたん)」という意味があります。

兵站とは軍隊における後方支援のことで、「前線で必要となる物資の調達やそれらの輸送活動」を指します。

これが1960年ごろからビジネス用語として使われるようになり、軍事的な意味だけではなく物流を合理化するシステムという意味を持つようになりました。

「ロジスティクス」の類義語

ロジスティクスには以下のような類義語があります。

  • 物流
    商品の輸送・保管等の過程
  • 後方支援
    前線に立たずに作戦を支援すること

軍事的な意味で使うときは、後方支援が類義語となります。

直接戦闘する部隊と区別した呼び方です。

「ロジスティクス」と「物流」の違い

物流は単にものの流れを指しますが、ロジスティクスには「物流を効率化すること」が意味に含まれます。

物流には運送・保管・包装・荷役などの流れがあり、それらの一連の活動を包括した言葉です。

対してロジスティクスは、経営管理や物流全体の最適化という意味があります。

 「後方支援」の意味

後方支援とは、第一線で戦う部隊を支援することです。

軍事用語ではなく医療用語として用いるときは、また違った意味を持ちます。

 医療における「前方支援」と「後方支援」

医療に用語に「前方支援」「後方支援」というものがあります。

医療における前方支援は、以下のような受け入れ対応を指します。

  • 紹介を受けた患者の初診の予約
  • 検査・診療の予約窓口
  • 転院の調整
  • 診療情報の管理

一方で後方支援は、以下のような退院後のアフターフォローや事務的な活動を指します。

  • 退院後の暮らしの相談
  • 病院内での研修会の調整
  • 病院の広報業務
  • 住民向けセミナーの開催

「ロジスティクス」の関連語

ロジスティクスと関連する言葉としては以下のようなものが挙げられます。

  • グリーン・ロジスティクス
    物流に伴う環境破壊の防止を目的としたロジスティクス
  • ロジスティクスネットワーク
    市場に適合するように体系化されたロジスティクス
  • ロジスティクスシステム
    物の流れを一括管理するための体系や組織
  • ロジスティクス回帰
    統計学の回帰分析をロジスティクスに用い、物流を数字で管理すること
  • ジャストインタイム
    物やサービスを必要なときに必要なだけ供給し、コストを削減すること
  • トレーサビリティ
    製品の生産から消費までの過程を追跡すること
  • サプライチェーンマネジメント
    製品やサービスの生産フロー全体を管理すること

グリーン・ロジスティクスとは、ロジスティクスを導入することで物流の流れ全体で発生する環境破壊要因をできるだけ小さくしようとする試みです。

例えば、トラック走行に伴う大気汚染や騒音を圧縮するための鉄道コンテナ等の利用が、グリーン・ロジスティクスに含まれます。

「ロジスティクス」のメリット

ロジスティクスを導入することによるメリットは、以下の通りです。

  • 物流の最適化
  • コスト、ミスの削減
  • 営業サポート

ロジスティクスを導入し、物流における無駄をなくして一番効率的なやり方で運用することで、コストやミスを減らすことが可能です。

また、最適化することでそれまで物流に割いていた人員を他のところに回せるため、営業が本来の仕事に専念できることがメリットとして挙げられます。

「ロジスティクス」の今後

近年、消費者のニーズが多様化していたり、ネット通販での消費が増えていることを鑑みると、ロジスティクスは企業にとってキーとなる要素です。

そんなロジスティクスに今後必要となると考えられるのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)とIoTです。

IoT機器を導入することでモノのインターネット化や「見える化」が進み、在庫管理や品質管理を効率良く行うことができます。

「ロジスティクス」のまとめ

以上、この記事ではロジスティクスについて解説しました。

英語表記ロジスティクス(logistics)
意味戦略的物流
語源軍隊における後方支援を指す「兵站(へいたん)」
類義語物流
後方支援
関連語グリーン・ロジスティクス
メリット物流の最適化
コスト、ミスの削減
営業サポート
今後デジタル化が進んでいく

物流との違いを理解して、正しく使いましょう。

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mikan
愛読書は広辞苑。 日本語の持つゆかしさや含み、趣深さが大好きです。大学では音声学・日本語学を専攻しました。 慣用句や四字熟語が得意分野です。