「虚言」と「妄言」の違いとは?意味から使い方までわかりやすく解説

違いのギモン

「虚言」という言葉を聞いたことはありますか?「虚言癖」という単語の中で使われることが多い言葉ですね。

日常生活で頻繁に使うものではありませんが、本やニュースで聞くこともあるでしょう。

「虚言」に似た言葉に「妄言」というものがあります。みなさんはこのよく似た2つの言葉の違いをわかりますか?

この記事では「虚言」と「妄言」の違いを説明します。

結論:相手をだます意思があるのかないのかで判断する!

「虚言」は、他人を偽る言葉、嘘のことです。

「妄言」は、出まかせで根拠のない言葉のことです。

つまり、「虚言」と「妄言」ではわざとかどうかが違うのです

「虚言」についてもっと詳しく!

「虚言」は相手をだますための言葉を指します。ここで重要なのは「相手をだますための」という部分です。

ただ「真実ではないこと」を言うだけでは「虚言」にはならないのです。

また、似た言葉に「虚偽」という言葉がありますが、意味は違うので気を付けましょう。

「虚偽」というのは、「真実ではないことを、誤って、または意図的に真実とすること」の意味です。つまり、相手をだまそうとしているかどうかは関係ありません。また、言葉である必要もありません。

「虚偽」は文章でも言葉でも当てはまりますが、「虚言」は言葉で嘘をつくときにしか使えません。「言」の字が入っていることからも、わかると思います。

「虚言」のその他の使い方

  • 虚言癖
  • 虚言を並べる

「妄言」についてもっと詳しく!

「妄言」は、「もうげん」と読みます。「ほうげん」と読むこともあるのですが、「もうげん」と読むほうが一般的です。

「妄」という漢字は「妄想」「妄信」などの単語に使われていますね。「道理から外れている」「でたらめ、いつわり」という意味がある漢字です。

つまり、「妄言」とは、出まかせで、根拠のない発言のことです。こちらも「発言」に限定されているので気を付けましょう。

事実に基づかないことを適当に話したときに使います。

「虚言」は明らかに相手をだまそうとしています。しかし、「妄言」は結果的に間違っていた、出まかせだったという意味なので、相手をだまそうとするニュアンスはありません。

「妄言」の使い方の例

  • 妄言を吐く
  • 彼の妄言に憤慨する

「虚言」と「妄言」の使い分け

ここまで「虚言」と「妄言」の違いを説明してきました。では、実際にどのように使い分ければいいのかを見ていきましょう。

あなたが、警察に先々週の金曜日のアリバイを聞かれたとします。

あなたは(そんな前のこともう覚えていないよ)と思い、「ああ、金曜日は友達といたよ」と適当に言います。

実はあなたは、金曜日は1人で家にいたのですが、この場合は警察をだまそうとしたわけではないので「妄言」です。

もし、(1人でいたと言えば、アリバイがなくなって疑われてしまう)と思ってわざと嘘をついたのであれば「虚言」です。

警察にアリバイを聞かれたとき、などの大ごとでなく、時間を聞かれたときや何かの確認をされた時なども同じです。わざと嘘をつけば「虚言」、わざとでなければ「妄言」になります。

まとめ

以上、この記事では「虚言」と「妄言」の違いについて説明しました。

  • 虚言:相手をだまそうとして嘘をつくこと
  • 妄言:根拠のない出まかせを言うこと

似ている言葉ですが、きちんと使い分けられるといいですね。