今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「レバレッジ」です。
「レバレッジ」の意味や使い方、語源などについて分かりやすく解説します。
☆「レバレッジ」をざっくり言うと……
英語表記 | レバレッジ(leverage) |
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意味 | 少ない資本をもとにして多額の資本を動かすこと |
語源 | 英語で「てこ」を表す”lever”より |
例 | 信用取引におけるレバレッジ、財務レバレッジ |
「レバレッジ」とは?
「レバレッジ」をの意味を詳しく
「レバレッジ」とは経済用語で、少ない資本を元手として、大きな額の資本を扱うことです。
主に、信用取引における「レバレッジ」と企業の財務面での「レバレッジ」があります。
信用取引における「レバレッジ」
信用取引とは、手持ちの額以上の金額を使う形態の取引のことです。
株取引やFXなどで信用取引を行うことを、「レバレッジをかける」と言います。
たとえば、100万円持っていたとして、100万円分の株を買ったとします。その株が10%値上がりしたら、10万円の利益になります。
ここで2倍の「レバレッジ」をかけた場合を考えます。100万円持っていたとすると、200万円の株を買うことができます。その株が10%値上がりすると、20万円の利益になります。
こう見ると、「レバレッジ」をかければ単純に得なように見えますよね。しかし、レバレッジをかけたときに、株価が上がった場合利益が大きかったのと同様、株価が下がった場合に損する金額も通常より大きくなります。
つまり、株取引において「レバレッジ」をかけることはハイリスクハイリターンなのです。
財務面での「レバレッジ」
企業は、自分の持っている資本だけでなく、銀行や投資家から多額の資本を借りて、事業を行っています。外部から借金をすることで、大規模な事業を行うことができるなどさまざまな利点があります。
しかし、業績が悪化したときに借金が返せなくなったり、銀行などに払う利子が多いため株主への配当が少なくなったり、などの欠点もあります。
そのため、投資を行う際には単純な利益の大きさだけでなく、本来の資本よりどれだけ多くの資本を企業が運用しているのかという指標が必要になります。それが「財務レバレッジ」です。
「財務レバレッジ」は、以下の式で表されます。
総資本とは、会社の持つ資本全体のことで、銀行など他人から借りている他者資本と、自社で持つ自己資本の和で表されます。
「財務レバレッジ」が低いほど、資本全体における自己資本の比率が高いということです。「財務レバレッジ」が低い会社は、財務状況が安定しており、株主も高い配当を得ることができます。
一方「財務レバレッジ」が高い会社は、資本の多くを他人の資本で補っています。そうすることで事業拡大に繋がり、より効率的な経営ができます。市場が成長している場合など、費用をかけることで大きな成長が見込める場合は、「レバレッジ」を利用する意義が高いと言えます。
「財務レバレッジ」が高い場合と低い場合、それぞれに利点があります。経済の状態や、企業の成長度合いなどに応じて、適切な「財務レバレッジ」の度合いは異なります。投資の際の指標として見る際は、自分の目的に合う企業かどうかで判断しましょう。
「レバレッジ」の使い方
「レバレッジ」は文中では以下のように使われます。
- レバレッジを利用して、株で大儲けを狙う。
- 財務レバレッジの値を見て企業の財務状況を判断する。
株取引や、FX取引関連の記事で聞くことが多い言葉だと思います。
「レバレッジ」の語源
「レバレッジ」は、英語で「てこ」を表す”lever”から来ています。
「てこの原理」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「てこの原理」を応用して道具を使うことで、重いものでも簡単に持ち上げることができます。
これと同様に、「レバレッジ」を使うことで、自分の持っている資金が少なくても、大きな額の資本を扱えるようになります。
まとめ
以上、この記事では「レバレッジ」について解説しました。
英語表記 | レバレッジ(leverage) |
---|---|
意味 | 少ない資本をもとにして多額の資本を動かすこと |
語源 | 英語で「てこ」を表す”lever”より |
例 | 信用取引におけるレバレッジ、財務レバレッジ |
経済の専門用語なので、聞いたことがない方も多い言葉だと思います。しかし意味が分かれば、新聞などの記事をより深く理解できるようになります。ぜひ覚えていってください。