「ヒョウ」と「ジャガー」の違いとは?柄や力の強さまで解説

違いのギモン

大型のネコ科の動物と言われれば、ライオンやチーターが思い浮かぶでしょう。次いで「ヒョウ」や「ジャガー」が出てきますよね。

「ヒョウ」と「ジャガー」はどちらも有名な動物ですが、その違いの説明は一筋縄ではいきません。

今回は「ヒョウ」と「ジャガー」の生態や、柄の違いについて解説します。

結論:どちらもヒョウ属だが、種が違う

種が違うため、生態や生息地、柄などに違いがみられる。

「ヒョウ」をもっと詳しく


「ヒョウ」は、ネコ科の中で最も広域に生息している動物です。アフリカ大陸、アラビア半島、インド、東南アジア、中国、ロシア東部に生息しています。

英語では”leopard”、”panther”と表記します。

体長は130~190cm、体重は30~80kgと、ほ乳類の中でも大型の部類に入ります。ライオンや「ジャガー」と比べると細身です。

全身を柔らかい体毛に覆われており、頭部と頸部、腹面に黒い花柄の斑紋(はんもん)を持ちます。

 

ジャングル、熱帯雨林、サバンナ、乾燥地帯、高山地帯、寒冷地帯など、多様な環境も苦としない、高い適応力を持っています。

この適応力の源となっているのが、狩りにおける「ヒョウ」の万能さです。60km/hで走るスピードと、自分の10倍の体重を持つエランドというウシの仲間を倒すパワーを持ちます。さらに跳躍力も高く、飛行中の小鳥を捉えることもできます。

「ヒョウ」は肉食で、その地にいる動物はほとんど食べることができます。最も狩りやすい動物を優先して狙う狡猾さも持ち合わせています。

 

食物連鎖の頂点に立つ「ヒョウ」ですが、同じく頂点に位置するライオンやハイエナとはライバル関係にあります。ライオンやハイエナに獲物を横取りされることがあります。それを避けるため、「ヒョウ」は木の上に獲物を運んで食事する場合があります。

また、ライオンやハイエナは、獲物を狙う競争相手を減らす目的で、「ヒョウ」を襲うことがあります。群れで襲うため、単独で行動する「ヒョウ」はかないません。

「ジャガー」をもっと詳しく


「ジャガー」はあごの力が非常に強いことで知られる、ネコ科ヒョウ属の動物です。

英語では”jaguar”と表記します。

体長は120~180cm、体重は50~100kgと、「ヒョウ」より大柄です。

「ヒョウ」と同じく、全身を柔らかい体毛に覆われており、頭部と頸部、腹面に黒い花柄の斑紋(はんもん)を持ちます。

北アメリカ南部と南アメリカに生息しています。つまりアマゾンに生息していると言い換えることができます。

 

「ジャガー」の大きな特徴のひとつは、力の強さです。

ライオンや「ヒョウ」は獲物の首にかみついて絞殺(こうさつ)しますが、「ジャガー」は頭蓋骨をかみ砕きます。「ジャガー」のあごの力はすさまじく、亀の甲羅やアルマジロの外皮もかみ砕くことができます。

また、ネコ科の動物としては珍しく、水を苦手としません。泳ぎが得意なため、ワニも捕らえることができます。

「ヒョウ」と「ジャガー」の柄の違い

「ヒョウ」と「ジャガー」は柄の違いによって見分けることができます。

左側は「ヒョウ」、右側は「ジャガー」の斑紋です。

「ヒョウ」の斑紋は、黒い花柄の中に模様はありません。一方、「ジャガー」の斑紋は、黒い花柄の中に斑点がひとつか二つ入っています。

この違いを覚えておけば、「ヒョウ」と「ジャガー」を区別することができます。

まとめ

以上、この記事では、「ヒョウ」と「ジャガー」の違いについて解説しました。

  • ヒョウ:細身で、広範囲に生息する適応力の高いヒョウ属の動物
  • ジャガー:大柄であごの力が強く、アマゾンに生息するヒョウ属の動物
動物園などで「ヒョウ」と「ジャガー」を見る機会があれば、今回説明した違いを思い出して観察してみてください。

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シェスカ
公的文章に詳しい大学院生。 学術論文や特許の執筆を得意としています。 スッキリではその知識を活かし、専門用語の解説を担当しています。