今回ご紹介する言葉は、ことわざの「故きを温ねて新しきを知る(ふるきをたずねてあたらしきをしる)」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「故きを温ねて新しきを知る」をざっくり言うと……
読み方 | 故きを温ねて新しきを知る(ふるきをたずねてあたらしきをしる) |
---|---|
意味 | 昔のことを研究し、そこから新しい道理や知識を得ること |
由来 | 孔子の論語第2章「為政第二」の一節である「子曰、温故而知新、可以為師矣。」が由来 |
類義語 | 覧古考新、来を知らんと欲する者は往を察す、彰往察来、承前啓後など |
対義語 | 轍を踏む、二の舞を演じるなど |
英語訳 | Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.(過去から学び、今日を生き、明日に希望する。) |
このページの目次
「故きを温ねて新しきを知る」の意味をスッキリ理解!
「故きを温ねて新しきを知る」の意味を詳しく
「故きを温ねて新しきを知る」は、昔のことを研究し、そこから新しい道理や知識を得るという意味のことわざです。「温ねて」は、通常「たずねて」と読みますが、一般的な読み方通りに「あたためて」と読む場合もあります。
「故きを温ねて新しきを知る」を四字熟語にしたものが「温故知新」です。
「故」は、「昔、以前」という意味です。一方、「温」には、「習う、尋ねる、復習する、よみがえらせる」という意味があります。
「故きを温ねて新しきを知る」の使い方
- 故きを温ねて新しきを知る精神は忘れてはならない。
- 故きを温ねて新しきを知るを心がけ、更なる成功を目指す。
ちなみに、東京スカイツリーは法隆寺の五重塔の作りを参考にした建造物です。参考にしたのは、1300年間も崩れることなくたち続けている法隆寺の五重塔の耐震性が優れているためです。
まさに、「故きを温ねて新しきを知る」例といえます。
「故きを温ねて新しきを知る」の由来
孔子(こうし)の論語第2章「為政第二」の一節である「子曰、温故而知新、可以為師矣。」が由来です。
原文は漢語です。書き下し文にすると、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知れば、以て師となるべし。」となります。
論語
「論語」は、孔子の教えを弟子たちが書きとめた本です。後の儒教(じゅきょう)という思想の基礎になります。ここには、様々なことに対する考え方がまとめられており、今もたくさんの人に支持されています。
孔子は、紀元前551年~479年を生きた春秋時代の中国の思想家です。
実は、日本に「論語」が伝わったのは、仏教が伝わった6世紀より前の、3世紀頃だったと言われています。これは、日本書紀や古事記に記録されています。
その後、聖徳太子の十七条の憲法には、「論語」の考えが反映されています。また、江戸時代では徳川家康が孔子の教えを広めるためにたくさんの寺子屋を開いています。
現在もビジネス書や雑誌に多くの言葉が引用されていることから、時代を超えて通用する教えであることがわかります。
「故きを温ねて新しきを知る」の類義語
「故きを温ねて新しきを知る」には以下のような類義語があります。
- 覧古考新(らんここうしん):古いことを顧みて、新しいことを考察すること
- 来(らい)を知らんと欲する者は往を察す:未来のことを知りたければ、過去のことを正確に調べてそれを基礎に予測せよという意味
- 彰往察来(しょうおうさつらい):昔のことを明らかにして、将来のことを予測すること
- 承前啓後:古いものを受け継いで、新しいことを切り開くこと
「故きを温ねて新しきを知る」の対義語
「故きを温ねて新しきを知る」には以下のような対義語があります。
- 轍を踏む(てつをふむ):昔の人がした失敗を繰り返すこと
- 二の舞を演じる:先人と同じような失敗をすること
「故きを温ねて新しきを知る」の英語訳
「故きを温ねて新しきを知る」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.
(過去から学び、今日を生き、明日に希望する。) - He that would know what shall be must consider what has been.
(将来の事態を知りたいのなら、過去の経緯を考察せねばならない) - developing new ideas based on learning from the past
(過去から学ぶことで新しい考えを育む)
まとめ
以上、この記事では「故きを温ねて新しきを知る」について解説しました。
読み方 | 故きを温ねて新しきを知る(ふるきをたずねてあたらしきをしる) |
---|---|
意味 | 昔のことを研究し、そこから新しい道理や知識を得ること |
由来 | 孔子の論語第2章「為政第二」の一節である「子曰、温故而知新、可以為師矣。」が由来 |
類義語 | 覧古考新、来を知らんと欲する者は往を察す、彰往察来、承前啓後など |
対義語 | 轍を踏む、二の舞を演じるなど |
英語訳 | Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.(過去から学び、今日を生き、明日に希望する。) |
先人の教えは身の回りに溢れています。ぜひ大切にしていきたいですね。