「リードタイム」とは?製造業での使い方や納期との違いを解説

言葉

リードタイムとは「ある作業や工程について、その着手から完了までにかかる時間」という意味です。

ビジネスで使われることが多い言葉であるため、聞き慣れない人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、リードタイムの意味を解説します。

☆「リードタイム」をざっくり言うと……

英語表記リードタイム(lead time)
意味ある作業や工程について、その着手から完了までにかかる時間
語源‘lead’ と ‘time’ を組み合わせた和製英語
類義語所有期間
製造期間
調達期間  など
流れ
  1. 開発リードタイム
  2. 調達リードタイム
  3. 生産リードタイム
  4. 配送リードタイム
混同しやすい言葉タクトタイム、サイクルタイム

「リードタイム」の意味

リードタイム
ある作業や工程について、その着手から完了までにかかる時間

例:生産キャパが大きくなり、リードタイムの短縮が実現した。

リードタイムとは製造業で使われる言葉で、「ある作業や工程について、その着手から完了までにかかる時間」です。

リードタイムの定義は、何をスタートにして何をゴールにするかで決まります。

  • 顧客が発注してから納品が完了するまでの時間
    (客側)顧客リードタイム、(製造側)納品リードタイムと呼ぶ
  • 開発着手から完了までの時間
    (段階に応じて)開発リードタイム、調達リードタイム、生産リードタイム、配送リードタイムと呼ぶ

たとえば、顧客が発注してから納品が完了するまでの時間を「顧客リードタイム」や「納品リードタイム」と呼びます。

また、開発着手から完了までを「開発リードタイム」、部品や材料の発注から納品までを「調達リードタイム」、製造開始から出荷可能になるまでを「生産リードタイム」、工場や倉庫から店舗や顧客に届くまでを「配送リードタイム」と言います。

2つの方式

製造業において、リードタイムの表現方法には「フォワード法」と「バックフォワード法」の2つがあります。

フォワード法は、作業の着手日を基準とします。

バックフォワード法は、作業の完了日を基準とします。

バックフォワード法の場合は、着手日が完了日の何日前になるかを示します。

「リードタイム」の使い方

リードタイムは生産や配送する場面で使われます。

  1. 関西エリアの配送リードタイムは3日だ。
  2. 納品リードタイムの短縮は、顧客満足度につながる。
  3. 市場の好況により、リードタイムが延びてしまっている。

「リードタイム」の語源

リードタイムはトヨタ自動車で生まれた和製英語です。

「リードタイム」という言葉は本来英語にはない表現で、‘lead’ と ‘time’ を組み合わせた和製英語です。

「リードタイム」を短縮する方法

リードタイムを短縮する方法は以下の通りです。

  • 情報共有を密にする
  • 各工程から改善案を出してもらう
  • 設備や人員を見直す
  • システムによる標準化

①情報共有を密にする

情報共有不足によって、リードタイムが長くなっているケースがあります。

伝達が上手くいっていないせいで、二重チェックを行っていたりする可能性があります。

リードタイム短縮に投資する前に、まず情報が共有できているかを確認しましょう。

②各工程から改善案を出してもらう

各工程の責任者を集め、ミーティングを実施して現場の声を聞くことも重要です。

その際に、リードタイムの変化を報告させるなど工夫をすると良いでしょう。

③設備や人員を見直す

新しい設備を導入したり、人員を増やしたりしてリードタイムを短くする方法もあります。

人員については、増やすだけでなく配置を見直すことも重要です。

④システムによる標準化

システム導入による作業の標準化で、大幅なリードタイムの短縮に成功するケースがあります。

これまで人を使っていたところにシステムを導入することで、人為的なミスが無くなることに加え、人件費を削減することも可能です。

「リードタイム」を短縮するメリット

リードタイムを短縮することには、以下のようなメリットがあります。

  • 収益向上
  • 在庫削減
  • 他社との差別化

①収益向上

リードタイム短縮は収益の向上に直結します。

リードタイムが短ければ、より多くの注文を処理できます。

つまり、同じ時間でもリードタイムが短い方が生産性が高いと言えます。

そのためリードタイムを短縮することは収益アップにつながるのです。

②在庫削減

リードタイムが短くなると、在庫を抱えるリスクが減ります。

在庫している段階では売上にはならないため、メーカーとしては在庫を早くはけさせなければなりません。

また、在庫をするのには人件費やスペースなどコストが余分にかかってしまいます。

リードタイム短縮は、在庫の削減に役立つのです。

③他社との差別化

リードタイムを短縮すると、他社との差別化を図ることが可能です。

リードタイムを短くすることは納期の短縮につながり、納期が速ければ早いほどユーザーの満足度が向上するためです。

しかし、早さを重視するあまり質を低下させてしまっては元も子もありません。

あくまでも品質を十分に担保した上で、リードタイムも短くすることが大切です。

「リードタイム」を短縮するデメリット

リードタイムを短縮することには、以下のようなデメリットがあります。

  • 品質保証が難しい
  • 小ロット生産がリスクに

①品質保証が難しい

早さを求め過ぎた結果、品質が低下してしまう可能性があることがデメリットです。

リードタイムの短縮を計画する際は、品質を落とさずに短縮できる期間はどのくらいかを十分に検討する必要があります。

品質を落とさずにリードタイムを短縮する方法には、物流を外注することなどが挙げられます。

②小ロット生産がリスクに

リードタイム短縮には、生産量を減らして入出庫をスムーズにし、回転率を上げる方法があります。

しかし、これには欠品しやすいというデメリットがあります。

在庫リスクを抑える取り組みを継続しつつ、リードタイムもできる限り短くできる適切なバランスを維持することが大切です。

「リードタイム」の類義語

リードタイムには以下のような類義語があります。

  • 所有期間
    納入要求に対応できるまでに必要な期間
  • 製造期間
    製造にかかる期間
  • 調達期間
    調達にかかる期間
  • 納期
    製品を納入する期限

納期とリードタイムの違い

納期は商品やサービスの納品期限のことを表しており、「〇月〇日まで納品」などと納品期限を表します。

一方で、リードタイムは「〇日間」などと期間を表します。

「リードタイム」の流れ

「リードタイム」は、大きく分けて4段階に区別することができます。

  1. 開発リードタイム
  2. 調達リードタイム
  3. 生産リードタイム
  4. 配送リードタイム

①開発リードタイム

開発リードタイムは、開発着手から完了までにかかる時間を指します。

製品の企画や製造工程の計画が主な内容です。

②調達リードタイム

調達リードタイムは、部品や材料の発注から納品までの時間を指します。

原材料だけでなく、人員を確保する必要もあります。

③生産リードタイム

生産リードタイムは、製造開始から出荷可能になるまでの時間を指します。

開発段階で立てた計画をもとに、材料を集めて商品を実際に生産します。

④配送リードタイム

配送リードタイムは、工場や倉庫から店舗や顧客に届くまでの時間を指します。

①から③をまとめて「生産リードタイム」と呼ぶ場合もあります。

「リードタイム」と混同しやすい言葉

リードタイムとよく似ている言葉をご紹介します。

タクトタイム

タクトタイムは「1つの製品の製造にかかる時間」です。

例えば、1カ月に必要な生産量を30万個で、ひと月の操業日数を20日、操業時間を8時間とした場合、タクトタイムは「3,600秒/時間×8時間/日×20日÷30万個=1.92秒/個」となります。

つまり、製品を1個作るのに必要なタクトタイムは1.92秒です。

サイクルタイム

サイクルタイムは「1つの製品の工程開始から完了までの1サイクルにかかる時間」です。

タクトタイムとサイクルタイムが一致している状態が理想で、一致していれば必要な期間に必要数を効率良く生産できている状態といえます。

「リードタイム」のまとめ

以上、この記事ではリードタイムについて解説しました。

英語表記リードタイム(lead time)
意味ある作業や工程について、その着手から完了までにかかる時間
語源‘lead’ と ‘time’ を組み合わせた和製英語
類義語所有期間
製造期間
調達期間  など
流れ
  1. 開発リードタイム
  2. 調達リードタイム
  3. 生産リードタイム
  4. 配送リードタイム
混同しやすい言葉タクトタイム、サイクルタイム

リードタイムは、スタートからゴールまでの期間を表す言葉であることが分かりましたね。

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mikan
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