味?におい?ラムとマトンの違いとは?ジンギスカンについても解説

違いのギモン

ラムとマトンは「羊の年齢が異なる」という違いがあります。

日本では、羊肉を日常的に食べることは少ないと思います。

そのため、同じ羊肉のラムとマトンの違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ラムとマトンの違いや、ジンギスカンに適した肉について分かりやすく解説しています。

「ラム」と「マトン」の違い

ラムとマトンにはそれぞれ以下のような違いがあります。

  • ラム
    生後1年未満の仔羊の肉
  • マトン
    生後2年以上から7年程度まで成長した羊の肉

ラムは、生後1年未満の仔羊の肉です。

ラムの肉質はやわらかく、くさみが少ないことから、羊肉特有のクセのある風味などがそれほど感じられません。

一方で、マトンは生後2年以上から7年程度まで成長した羊の肉です。

マトンの肉質は引き締まっており、羊肉特有の牧草の香りが特徴です。

「ラム」とは


ラムは、生後1年未満の仔羊の肉を指し、クセが少なくやわらかい肉質が特徴です。

羊の年齢が正確に分からない場合は、永久歯の生えていない羊をラムとするということがあります。

ラムは、コレステロールが低くビタミンが豊富なことや、脂肪の燃焼を助けるLカルニチンを多く含むことから、ダイエット食としても人気のある食材です。

また、ラムは以下のようにさらに細かく分類されています。

  • ミルクフェッド・ラム
    生後4~6週、5.5~8キロの子羊のこと。グリルやローストして食べられる
  • ヤングラム
    生後6~8週間
  • スプリングラム
    生後3~5ヶ月の冬から春にかけて生まれたラム
生まれたばかりの仔羊の肉は甘いミルクのにおいがするため、羊肉のなかで最も高級な食材として扱われています。

年齢や生まれた時期によって、風味が微妙に異なるため、調理の際には注意が必要です。

「ラム」の調理法

ラムを使った料理としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ジンギスカン
    羊肉を用いた北海道の郷土料理
  • ラムチョップ
    ラムのロース肉をあばら骨ごとに焼いた料理
  • シシカバブ
    ぶつ切りにしたラムを串焼きにしたトルコ料理
ラムはステーキやハンバーガーなどにも使用されています。

「ラム」のくさみを取る方法

また、ラムのくさみを取るには以下のような方法があります。

  1. あらかじめ脂身を取り除く
  2. コンロで焼き余分な脂を落とす
  3. 香草と一緒に焼く
羊肉特有のにおいは、肉についた脂身のにおいです。

そのため、①②のように脂身を取り除くように調理することで、くさみを取ることができます。

また、③のように香草などと一緒に調理することも、くさみを取り除くのに有効です。

この際、ローズマリーやオレガノ、タイム、ニンニクなどが使用されます。

「マトン」とは


マトンは、生後2年以上~7年ほどの羊肉を指し、引き締まった肉質や羊肉特有ののクセがあることが特徴です。

マトンには、脂肪燃焼を助ける「Lカルニチン」という成分が含まれており、ダイエット食としても人気です。

「Lカルニチン」とは
「Lカルニチン」とは、脂質代謝に深く関与し、脂肪酸をミトコンドリアに取り込みエネルギーとするために必要な物質です。

「Lカルニチン」を豊富に含む食材として、羊肉、牛肉、マグロ、カツオなどがあります。

また、マトンの肉には、酸化しやすい脂肪や硫黄が含まれており、粘性が強いという特徴もあります。

そのため、噛んだときに口に残りやすいとされています。

「マトン」の調理法

マトンは以下の料理によく使用されます。

  • マトンカレー
    マトンを特製スパイスで煮込んだカレー。
  • ジンギスカン
    羊肉を用いた北海道の郷土料理

マトンはくさみが強いため、にんにくやしょうが、しょうゆなどの調味料に漬け込んだり、すりおろしりんごに漬け込んだりするなどして調理されるのが一般的です。

また、肉質が引き締まっているため、カレーなどのようにしっかりと煮込む調理法も普及しています。

「ホゲット」とは

「ホゲット」とは、ラムとマトンの中間にあたる生後1年以上2年未満の羊肉のことです。

「ホゲット」は、肉の硬さやくさみも、ラムとマトンの中間程度であるとされています。

「ジンギスカン」について


ジンギスカンは、羊肉を使用した北海道の郷土料理であり、北海道文化遺産にも登録されています。

ジンギスカンは、中央が凸型になった、ジンギスカン鍋に薄く切った羊肉をならべ、キャベツやもやしなどとともに焼いた料理です。

 

ジンギスカンには、ラムとマトンのどちらも使用されます。

しかし、一般的にはクセが少なくやわらかいラムの方が向いているとされています。

ジンギスカンには主に以下の2つの種類があります。

  • 味付き
    肉を焼く前にタレに漬け込んでおくもの

  • 肉に味付けなどをせず、焼いてからタレにつけて食べるもの

好みに合わせて調理法を調整できることも、ジンギスカンの魅力のひとつです。

「ジンギスカン」の歴史

ジンギスカンは、昭和頃に誕生した料理だとされています。

日本では、大正時代頃から羊肉が食べられるようになったと言われています。

日本が満州に進出した際に、現地の人達が羊の肉を焼いたり煮たりして食べている様子から、日本でも羊肉を食べるようになったと考えれています。

その後、昭和に入ると軍服用に羊毛が使われたり、羊肉を食べる習慣が徐々に定着していき、ジンギスカンのような料理に発展しました。

「ラム」と「マトン」の違いのまとめ

以上、この記事では、ラムとマトンの違いについて解説しました。

  • ラム
    生後1年未満の仔羊の肉
  • マトン
    生後2年以上から7年程度まで成長した羊の肉
ラムとマトンの違いは分かりづらいため、料理や調理法の違いをしっかり確認しておきましょう。