「驚天動地」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「驚天動地(きょうてんどうち)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「驚天動地」をざっくり言うと……

読み方驚天動地(きょうてんどうち)
意味天を驚かし、地を動かすこと。転じて、世の中をひどく驚かすできごと。
由来白居易の詩「李白の墓」
類義語回天動地、震天駭地
英語訳an earthshaking event(驚天動地の大事件)

「驚天動地」の意味をスッキリ理解!

驚天動地(きょうてんどうち):天を驚かし、地を動かすこと。転じて、世の中をひどく驚かすできごと。

「驚天動地」の意味を詳しく

「驚天」は、天を驚かすことを意味します。「天」とは、もともとは、「この世のあらゆるものを支配する存在」のことを表す言葉です。人間の意志や力に関わりのない、大自然や時の流れといった「大いなる存在」のことです。

「動地」は、大地を動かすことから転じて、世間を驚かすことを意味します。「地」という字は、「人間を含めた全てのものを育てる地上」のことを表します。つまり、「天」に覆われた、人間が暮らす世界のことです。

ですから、驚天動地は、「世界をひどく揺さぶるような、驚くべき様子」を言い表す言葉なのです。

「驚天動地」の使い方

  1. 彼の知らせは、まさに驚天動地のものであった。
  2. 彼女は驚天動地の功績(こうせき)を残した、伝説的な人物です。
  3. 成功すれば、まさに驚天動地の大事業となるだろう。

「驚天動地」の由来

驚天動地は、白居易(はくきょい)という詩人がつくった「李白(りはく)の墓」という詩に由来します。

白居易は、8世紀後半から9世紀前半に中国の唐(とう)の王朝で活躍した詩人です。「白楽天(はくらくてん)」という呼び名でも有名です。平安時代の日本の文学にも、大きな影響を与えた詩人です。

 

李白は、8世紀前半に活躍した中国の詩人です。従来の詩の作風をまとめあげ、新しい詩を生み出したことから、現代では中国で最高の詩人として知られています。しかし白居易の時代には、世の中から忘れ去られ、墓も荒れていました。

白居易は、李白の墓を訪れて、「かつて、驚天動地の詩文をつくったというのに、荒れ果てた墓を憐(あわ)れんでしまう。詩人の多くが短命であるなか、あなたほど落ちぶれた人もいないだろう」という内容の詩を書きました。この詩が「李白の墓」です。

 

驚天動地は、李白の偉業を表した言葉だったのです。

「驚天動地」の類義語

驚天動地には以下のような類義語があります。

  • 回天動地(かいてんどうち):時代のなりゆきを大きく変え、世の中を驚かすこと。
  • 震天駭地(しんてんがいち):勢いや音のひびきがとても激しいこと。また、大事件などによって世間が驚くこと。

回天動地の「回天」は、時代の流れや世の中のありさまを、大きく変化させることを意味します。

もともと「回天」は「廻天」と書かれましたが、現代では常用漢字の「回」の字が多く用いられます。なお、「回転」と書くのは誤りです。

回天動地と驚天動地は、「世の中がひどく驚く」という様子を言い表す点で共通しています。しかし、回天動地は「時代の流れや世の中のありさまが大きく変わる」ことだけでなく、「その変化によって世間が驚く」というニュアンスも表します。

 

震天駭地に含まれる「震天」は、天を震わせることを表します。「震」という字は、「ふるえる」という基本的な意味のほかに、「鳴りひびく」という意味合いもあります。「駭地」の「駭(がい)」の字には、「驚く」「乱れる」「動かす」という意味があります。

つまり、震天駭地は、「とても大きな音が響きわたり、天が震え、地上が驚き乱れる」というイメージをもつ言葉です。

「驚天動地」の英語訳

驚天動地を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • an earthshaking event
    (驚天動地の大事件)

“earthshaking” は「全世界をゆるがす」「大地をゆるがす」という意味の形容詞です。「非常に重要な」という意味もあります。

また、 “earthshaking” は、 “earth shattering” と書き換えることもできます。 “shattering” は、「~を粉々にするほどの」という意味の単語です。「粉々に砕く」という意味をもつ “shatter” が、形容詞に変化したかたちです。

“event” は「できごと」「事件」を表す名詞です。ですから、 “an earthshaking event” は「大地を粉々にするほどの大事件」という意味になります。

まとめ

以上、この記事では「驚天動地」について解説しました。

読み方驚天動地(きょうてんどうち)
意味天を驚かし、地を動かすこと。転じて、世の中をひどく驚かすできごと。
由来白居易の詩「李白の墓」
類義語回天動地、震天駭地
英語訳an earthshaking event(驚天動地の大事件)

歴史上の偉人たちが行なったことは、その当時の人々をとても驚かせました。時には受け入れられたり拒まれたりと、様々なかたちで扱われました。

今の時代では歴史に名を残している人物でも、生きている間は不遇であった人は決して少なくありません。現代の「当たり前」はそうした人物たちが残した偉業の上に成り立っているのです。