「協商」の意味とは?同盟との違いは?英語や類語までわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「協商(きょうしょう)」です。

言葉の意味・使い方・語源・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「協商」をざっくり言うと……

読み方協商(きょうしょう)
意味協議して取り決めること。また、国家間のゆるい協調関係のこと。
語源フランス語の entente
英語訳entente(協商)

「協商」の意味をスッキリ理解!

協商(きょうしょう):協議して取り決めること。また、国家間のゆるい協調関係のこと。

「協商」の意味を詳しく

「協商」という熟語は、「協議して取り決めること」という意味です。

以前はこの意味で「協商」が用いられていましたが、現在ではあまり使われません。

国際政治用語としての「協商」

国際政治において「協商」は、「複数の国家間で結ばれるゆるい協調関係」のことを指します。「ゆるい」と表される理由は、条約などではっきりとした義務が定めらないためです。

「協商」と「同盟」の違いが分からないと思う人もいるのではないでしょうか。「同盟」とは、「国家間の軍事的な取り決め」のことです。同盟を結んだ国は、軍事的に必ず行動しなければならない状態を条約などで定めます。

つまり「協商」は、明確な義務のある「同盟」と、何の取り決めもない「友好関係」との中間にあたる国家間関係であるといえるのです。

「協商」の使い方

「協商」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。

  1. 第一次世界大戦は、イギリスなどの三国協商とドイツ率いる三国同盟の間で戦われた。
  2. 日本は第一次世界大戦に、協商国側で参戦した。

このように、「協商」は第一次世界大戦時の「三国協商」を指すように使われるのが一般的です。

第一次世界大戦前、イギリス・フランス・ロシアはドイツという共通の敵を抑えるため、互いに「協商」を結んでいました。これを「三国協商」といいます。この時、日本はイギリスとの日英同盟を理由に「協商」国側につきました。

これ以降、「協商」という国家関係はほとんど見られません

「協商」の語源

「協商」という熟語は、フランス語で「協商、協約」を意味する entente (アンタント)を語源とします。

「協商」は、「同盟」などと比べると歴史的にあまり見られない国家関係の形です。そのため、主にイギリスとフランスの特殊な協力関係を指すためにある言葉なのです。

特に、1904年にイギリスとフランスの間で結ばれた英仏協商は、Entente Cordiale と言います。これは、フランス語で「親しい協和」という意味です。

「協商」の英語訳

協商を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • entente
    (協商)

entente はもともとフランス語ですが、英語でもそのまま用いられています。

例えば、「~と協商を結ぶ」は “conclude an entente with ~” と表現することができます。

まとめ

以上、この記事では「協商」について解説しました。

読み方協商(きょうしょう)
意味協議して取り決めること。また、国家間のゆるい協調関係のこと。
語源フランス語の entente
英語訳entente(協商)

「協商」という熟語は、一般的にも政治的にも現在はあまり使われていない言葉です。しかし、世界史の流れを学ぶ上では必須の用語であるといえます。「同盟」との違いも理解できたでしょうか。

いざ「協商」という言葉を目にする場面が来た時のために、意味や使い方をきちんと理解しておきましょう。