今回ご紹介する言葉は、ことわざの「腐っても鯛(くさってもたい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「腐っても鯛」をざっくり言うと……
読み方 | 腐っても鯛(くさってもたい) |
---|---|
意味 | 優れたものは、多少衰えてもその価値を失わないこと |
類義語 | 古川の水絶えず、破れても小袖など |
対義語 | 麒麟も老いては駑馬に劣る、昔千里も今一里など |
英語訳 | An old eagle is better than a young crow.(若い烏より老いた鷲) |
このページの目次
「腐っても鯛」の意味をスッキリ理解!
腐っても鯛(くさってもたい):優れたものは、多少衰えてもその価値を失わないこと
「腐っても鯛」の意味を詳しく
「腐っても鯛」は、「優れた価値や素質を持つものは、多少衰えても価値を失わない」という意味です。
鯛が高価な魚であり、縁起も良いとされることからこのことわざができました。
「腐っても鯛」の使い方
- 元野球選手の彼は、引退後も少し衰えたぐらいだ。まさに腐っても鯛だ。
- この革製のカバンは、何十年も変わらず頑丈だ。高価だったが、腐っても鯛とはこのことだ。
「腐っても鯛ですね」のように、直接人に言うのは失礼ともとられます。「腐る」という言葉が使われているためです。そのため、使う場面には注意しましょう。
「腐っても鯛」の類義語
腐っても鯛には以下のような類義語があります。
- 古川に水絶えず:基礎のしっかりしているものは、衰えても滅びないこと
- 沈丁花(じんちょうげ)は枯れても芳(かんば)し:良いものは、盛りが過ぎても値打ちがあるということ
- 痩せても枯れても武士は武士:いかに衰えても、優れている人は変わらず優れているということ
- 破れても小袖:価値のあるものは、状態が悪くなっても価値を失わないこと
- 腐っても鯛の骨:上等なものは、衰えても価値を失わないこと
「腐っても鯛」の対義語
腐っても鯛には以下のような対義語があります。
- 騏驎(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る:優れた才能を持つものでも、衰えると凡人にも及ばなくなること
- 昔千里も今一里:優れた能力をもつものでも、老いたら並み以下になること
- 昔の剣今の菜刀(ながたな):有能な人でも、衰えると役に立たないこと
「菜刀」とは、刃が薄く、先のとがっていない包丁のことです。
「腐っても鯛」の英語訳
腐っても鯛を英語に訳すと、次のような表現になります。
- An old eagle is better than a young crow.
(若い烏より老いた鷲) - A diamond on a dunghill is still a diamond.
(ダイアモンドは肥しの中でもダイアモンドだ) - A good horse becomes never a jade.
(良い馬は決して駄馬にならない)
dunghillとは、「肥しの山」のことです。
jadeは、「やせた馬」や「疲れ切った馬」という意味を持ちます。
まとめ
以上、この記事では「腐っても鯛」について解説しました。
読み方 | 腐っても鯛(くさってもたい) |
---|---|
意味 | 優れたものは、多少衰えてもその価値を失わないこと |
類義語 | 古川の水絶えず、破れても小袖など |
対義語 | 麒麟も老いては駑馬に劣る、昔千里も今一里など |
英語訳 | An old eagle is better than a young crow.(若い烏より老いた鷲) |
「腐っても鯛」は、良い生き方の例を示すようなことわざです。しかし、使い方を間違えてしまうと、誤解を生んでしまうため、気を付けましょう。