「蔵」と「倉」と「庫」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

物をためる場所といえば、「倉庫」がありますよね。「倉」も「庫」も、同じ意味の漢字です。そして、「蔵」は「倉」と同じ読みの漢字ですし、意味も同じですね。

「蔵」と「倉」と「庫」という3つの漢字には、違いがあるのでしょうか。

結論:貯めるものが違った

「倉」は穀物、「庫」は武器を貯める場所というのが元々の意味です。

そして、「蔵」には、「しまい込んでおく」という意味があります。

こうした意味の違いが、ニュアンスの違いを生んでいます。

「蔵」をもっと詳しく

「蔵」は、「しまい込んでおく」という意味があります

そして、「しまい込んでおく」という意味から、頑丈な建物を指すようになりました。昔の町並みを楽しめる場所に、「蔵の街」は多いですよね。「倉の街」とは言わないのは、蔵が頑丈に作られているからです。

「蔵」の使い方の例

  1. お寺が秘蔵する絵巻物を、特別に見せてもらった。
  2. せっかく撮った映像が、お蔵入りしてしまった。
  3. 北海道は、かつて「ニシンで蔵が建つ」と言われるほど繁栄した。

「倉」をもっと詳しく

「倉」には、もともと「穀物をためる場所」という意味がありました。「倉」は、三角屋根の建物の形を表した漢字だとされています。

「倉」は「蔵」と違って、貴重なものをためるというニュアンスはありません。そのため、「倉庫」などのように、簡単なつくりの建物には「倉」が使われることが多いです。

「倉」の使い方の例

  1. ウクライナは、ヨーロッパの穀倉(こくそう)地帯だ。
  2. 使わないものを片づけるため、プレハブ倉庫を買った。

「庫」をもっと詳しく

「庫」は、もともと「武器をためる場所」という意味でした

「兵庫県」は、「武器庫」が名前の由来です。

「庫」も「くら」と読みます。しかし、「くら」という読みは「蔵」と「倉」の方がよく当てられます。そして、「庫」には「蔵」のようにしまい込んでおくというニュアンスはありません。そこで、「倉」と「庫」を組み合わせて「倉庫」という言葉が生まれたのです。

「庫」の使い方の例

  1. 20世紀初頭のバルカン半島は、「ヨーロッパの弾薬庫」と呼ばれるほど緊張状態にあった。
  2. 飛行機が格納庫から出てきた。
  3. 車庫に車を入れる。

まとめ

以上、この記事では、「蔵」「倉」「庫」の違いについて解説しました。

  • :もとは「しまい込む」という意味。頑丈なつくり
  • :もとは「穀物用」。シンプルなつくり
  • :もとは「武器用」
普段なんとなく使っている漢字にも、違いがあるのですね。