「薫陶」の意味とは?使い方から類義語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「薫陶(くんとう)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「薫陶」をざっくり言うと……

読み方薫陶(くんとう)
意味人徳や品格によって、人を良い方向へ磨きあげること
語源香りを染み込ませて陶器を作ることに由来
類義語薫化、薫染、教化など
英語訳influenced(影響された)

「薫陶」の意味をスッキリ理解!

薫陶(くんとう):人徳や品格によって、人を良い方向へ磨きあげること

「薫陶」の意味を詳しく

「薫陶」は、「徳や品格で人を感化する」という意味です。「薫陶を受ける」と言うと、「徳や品格を持つ人から感化される」という意味になります。

「薫」は、「クン」または「かおる」と読みます。この漢字一つで、「徳で人を感化する」という意味を持ちます。そこに、「人格を練り上げる」や「導く」という意味の「陶」を合わせて、「薫陶」となります。

「薫陶」の使い方

  1. 私が成功したのも、先生に薫陶を受けたおかげです。
  2. 両親の薫陶により、幼い頃から様々な経験をすることができました。
  3. 師匠が弟子に薫陶を与える。

①のように、「薫陶を受ける」というのが最も一般的な使い方です。「薫陶を授かる」と言うこともあります。

スピーチなどでは②のように、「〜の薫陶により」や「〜のご薫陶の賜物です」など、感謝を伝える表現として使われます。

また、③のように、「薫陶を与える」や「薫陶を授ける」という表現もあります。この場合、「私は〜に薫陶を与えた」と主語が自分になると、あまり印象のよくない表現になるため気をつけましょう

「薫陶」の語源

「薫陶」の由来は、陶器を作る過程にあります。陶器を作る際に、香を焚いて土に香りを染み込ませる作業があります。そして、その土をこねて、じっくりと焼き上げて陶器を作ります。

この過程において、香りを染み込ませる作業が陶器を味わい深くすることから、「人に徳や教えを授ける」ということが「薫陶」の意味に含まれるようになりました。

そして、染み込ませた土をこねて焼き上げる作業が、「良い人格を作り上げること」や「良い方向へ導くこと」を意味するようになりました。

「薫陶」の類義語

薫陶には以下のような類義語があります。

  • 薫化(くんか):徳によって人に良い影響を与え、導くこと
  • 薫染(くんせん):良い感化を受けること
  • 教化(きょうか):良い方向に教え導くこと
  • 徳化(とっか):徳によって教え導くこと
  • 垂範(すいはん):上に立つ人物が模範を示すこと

「薫陶」の英語訳

薫陶を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • disciplined
    (訓練される)
  • be under someone’s tutelage
    (薫陶を受ける)
  • influenced
    (影響される)

“disciplined” は「訓練される」や「しつけされる」という意味です。「子供のしつけ」という意味で使われることが多いです。また、「鍛錬される」という意味でも使うことができます。

“be under someone’s tutelage” は、堅い表現です。 “He has been under the teacher’s tutelage and was able to succeed.(彼はその先生の薫陶を受け、成功することができた)” のように言います。

“influenced” は、「影響される」や「感化される」という意味に最も適切な英訳です。 “I was greatly influenced by the artist.(私はその画家に多大な影響を受けた)” のように使います。カジュアルな文章でも使うことができます。

まとめ

以上、この記事では「薫陶」について解説しました。

読み方薫陶(くんとう)
意味人徳や品格によって、人を良い方向へ磨きあげること
語源香りを染み込ませて陶器を作ることに由来
類義語薫化、薫染、教化など
英語訳influenced(影響された)

「薫陶」は、日常会話では使われない馴染みのない熟語です。しかし、面接やビジネスシーンなど、教養がある印象を与えたい場面で使うととても効果的です。そのためにも、意味と使い方をしっかり覚え、いざという時に使えるようにしましょう。