今回ご紹介する言葉は、故事成語の「君子は豹変す」です。
この言葉は本来はいい意味なのですが、誤用が多い言葉です。
そして、誤用された場合には悪い意味になってしまいます。
誤解しないようにちゃんとこの言葉について知っておきたいですよね。
そこで、「君子は豹変す」の意味、由来、例文、類義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「君子は豹変す」をざっくり言うと……
読み方 | 君子は豹変(ひょうへん)す |
---|---|
意味 | 徳が高い立派な人物は過ちに気づくとすぐにそれを改めるということ |
由来 | 『易経』の「君子豹変す、小人は面を革む」という言葉から |
類義語 | 空谷足音 |
英語訳 | A wise man changes his mind,a fool never |
このページの目次
「君子は豹変す」の意味をスッキリ理解!
「君子は豹変す」の意味を詳しく
「君子は豹変す」とは、徳が高い立派な人物は過ちに気づくとすぐにそれを改めるということです。
ちなみに、君子とは学識も人格も優れた立派な人物のことを指します。
また、豹の毛が季節によって抜けかわり、模様がはっきり目立つようになることから、態度ががらりと変わることを「豹変する」と言います。
そして、「君子は豹変す」は本来、「過ちをただちに改める」という意味です。
そのため、ポジティブな意味の言葉です。
しかし、現在では「自分の都合により態度を一変させる」というネガティブな意味で使われることも多くなっています。
「君子は豹変す」の由来
「君子は豹変す」の出典は『易経(えききょう)』の「革卦(かくか)」という章です。
この章には「君子豹変す、小人は面(つら)を革(あらた)む」という表現が出てきます。
これは、「君子が過ちを改めることは豹の模様のようにはっきりしている。一方、器が小さい人はただ外面を改めるだけである」という意味になります。
易経は五経と呼ばれる古代中国で有名な書物の1つです。
この本では占いの理論と方法について解説されています。
「君子は豹変す」の例文
- 「君子は豹変す」というが、うちの社長は決して考えを変えないので、君子ではないようだ。
- 彼は人からの指摘を素直に受け入れるため、「君子は豹変す」の言葉の通りだと思った。
- これからは「君子は豹変す」という言葉を見習って過ちは正していきたいと思う。
「君子は豹変す」の類義語
「君子は豹変す」には以下のような類義語があります。
- 空谷足音(くうこくそくおん)
「君子は豹変す」の英語訳
「君子は豹変す」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A wise man changes his mind,a fool never.
(賢者は考えを変えるが、愚かな人は決して変えない)
まとめ
以上、この記事では「君子は豹変す」について解説しました。
読み方 | 君子は豹変(ひょうへん)す |
---|---|
意味 | 徳が高い立派な人物は過ちに気づくとすぐにそれを改めるということ |
由来 | 『易経』の「君子豹変す、小人は面を革む」という言葉から |
類義語 | 空谷足音 |
英語訳 | A wise man changes his mind,a fool never |
「君子は豹変す」の誤用は今では広まりすぎて辞書などにものっています。
言葉の変化とは恐ろしいものですね。