「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の意味とは?

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む(くんしはこれをおのれにもとめしょうじんはこれをひとにもとむ)」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」をざっくり言うと……

読み方君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む(くんしはこれをおのれにもとめしょうじんはこれをひとにもとむ)
意味人格者は何事も自分の責任とするが、度量の小さい者は他人に責任を押し付けること
由来『論語』での孔子の発言
類義語諸を己に求むべし
英語訳Don’t blame others when thing go wrong.など

「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の意味をスッキリ理解!

君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む(くんしはこれをおのれにもとめしょうじんはこれをひとにもとむ):人格者は何事も自分の責任とするが、度量の小さい者は他人に責任を押し付けること

「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の意味を詳しく

「君子はこれを己に求め主人はこれを人に求む」とは、人格者は何が起ころうとその責任を自分で取ろうとする一方で、度量の小さい者は起こったことの責任を他人に押し付けて反省をしないということを言っています。

「君子」は徳の高い者のこと、「小人」は器量の小さい者のことを指します。また、「これ」は漢字で「諸」と書き、すべての事柄という意味を持ちます。

この言葉は、起こったことに対する責任を他者ではなく自分のものとすることが自分の徳性を養うことに繋がると示唆しています。

「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の使い方

  1. 彼はいつも失敗を人のせいにしない。君子これを己に求め小人はこれを人に求むだ。
  2. 負けたのを周りのせいしてはいけない。君子はこれを己に求め小人はこれを人に求むだ。

「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の由来

「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の出典は『論語』です。『論語』は儒教の始祖である孔子とその弟子たちとの問答が記されている書物です。儒教とは、仁徳の高い人間になるためにとるべき振る舞いなどについて説いている思想です。

弟子との問答の中で、人格者について孔子が次のように説く場面がありました。

子曰く、君子は諸(これ)を己に求め、小人は諸(これ)を人に求むと。
(孔子はおっしゃいました。君子は何事も自分の責任として反省するが、小人は他者にその責任を押し付けるのだと)

この発言が由来そのものであり、自分を律する言葉として今もなお使われ続けているのです。

「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の類義語

君子はこれを己に求め小人はこれを人に求むには以下のような類義語があります。

  • 諸(これ)を己に求むべし:結果の責任を自分でとりなさい

「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」の英語訳

君子はこれを己に求め小人はこれを人に求むを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Don’t blame others when things go wrong.
    (上手くいかない時に他人を責めてはいけない)
  • A gentleman demands righteousness of himself. A worthless man demands righteousness of others.
    (人格者は正しさを自分に求め、度量の小さい者は正しさを他人に求める)

まとめ

以上、この記事では「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」について解説しました。

読み方君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む(くんしはこれをおのれにもとめしょうじんはこれをひとにもとむ)
意味人格者は何事も自分の責任とするが、度量の小さい者は他人に責任を押し付けること
由来『論語』での孔子の発言
類義語諸を己に求むべし
英語訳Don’t blame others when thing go wrong.など

物事がうまくいかなくて苛立つことは誰にでもあるでしょう。そんな時には「君子はこれを己に求め小人はこれを人に求む」を自分に言い聞かせ、人間的に更なる高みを目指せるといいですね。