今回ご紹介する言葉は、熟語の「高尚(こうしょう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「高尚」をざっくり言うと……
読み方 | 高尚(こうしょう) |
---|---|
意味 | 程度が高く、上品で立派なこと |
語源 | 「程度が高いこと」「さらに、一層」という意味の漢字から |
類義語 | 高潔、高貴、崇高など |
対義語 | 低俗、卑劣、通俗など |
英語訳 | noble, refined |
「高尚」の意味をスッキリ理解!
「高尚」の意味を詳しく
「高尚」は、程度が高く、上品で立派なことという意味です。
品格が高いこと、知性が高いことなど、尊敬に値するという敬意を込めた意味のほか、俗っぽくないことという意味でも用いられます。
主に学問や技芸などの能力、またはその人の話した内容や行いなどの人間性に対して使われます。「高尚」は基本的に相手を褒める言葉として使います。自分に対して「高尚」を使うことはないので注意しましょう。
「高尚」の使い方
- お参りに行くと、神主様から高尚なお話が聞ける。
- どんな職業につこうとも、高尚な仕事をすることはできます。
- 彼の高尚な生き方を見習いたい。
「高尚」はその人自身の知性や品格が高いことにも使われるほか、その人の学問、趣味や行動などが気高いことにも用いられます。
「高尚」とともに使われる代表的な言い回しを以下で紹介します。
- 高尚な趣味
- 高尚な考え
- 高尚な仕事
- 高尚な話
- 高尚な生き方
- 高尚さをもつ
「高尚」は「高尚な」の形で、文中で形容動詞として用いられることが多いです。
「高尚な趣味」「高尚な考え」などは、趣味や思考の知性、品性が高いことを意味します。「高尚な仕事」は仕事への誠実さを意味します。「高尚な話」は会話のレベルが高いことを意味します。
他にも「高尚」の使い方として、「心事高尚」という四字熟語があります。「心の中で考える内容が上品で立派であること」という意味で用いられます。
「高尚」は基本的に相手に敬意を示したり、褒める言葉です。しかし、使い方によっては皮肉と捉えられてしまうことがあるため、注意が必要です。
その代表的な例として、明らかにそうではない人に対して「高尚ですね」などと揶揄をする場合が挙げられます。この場合は、「高尚」と表現することによってむしろ「俗っぽい」という意味合いが込められています。
「高尚」の語源
「高尚」を構成する漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 高:程度が高いこと、優れていること
- 尚:その上に、一層、さらに
上記の漢字の意味から、「高尚」は程度が一層に高いことを表現します。
また、「高尚」は福沢諭吉の名言に登場するとされています。『理想が高尚でなければ、活動もまた高尚にはならない』という言葉です。福沢諭吉は品格のある「高尚」な人を目指すべきであると説いたと考えられます。
「高尚」の類義語
「高尚」には以下のような類義語があります。
- 高潔(こうけつ):けがれのなく、立派なこと
- 高貴(こうき):身分などが高くて貴いこと
- 崇高(すうこう):気高く、偉大なこと
- 高等:程度や位が高いこと
- 気高い:上品で品格があること
「高尚」の対義語
「高尚」には以下のような対義語があります。
- 低俗:程度が低く、俗っぽいこと
- 卑劣:品性や言動が堂々としていないこと
- 通俗:誰にでもわかりやすいこと
- 下劣:品性や態度を欠いていること
- 野卑:言動などが下品で忌まわしいこと
「高尚」の英語訳
「高尚」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- noble
- refined
- He has a noble idea.(彼は高尚な考えを持っている。)
“noble family” は「貴族の家柄」を意味することから、英語では “noble” は「高尚」という意味合いで用いられる他にも、皇室や王室の方々を指します。
まとめ
以上、この記事では「高尚」について解説しました。
読み方 | 高尚(こうしょう) |
---|---|
意味 | 程度が高く、上品で立派なこと |
語源 | 「程度が高いこと」「さらに、一層」という意味の漢字から |
類義語 | 高潔、高貴、崇高など |
対義語 | 低俗、卑劣、通俗など |
英語訳 | noble, refined |
「高尚」は使い方によって、最上級の褒め言葉にも皮肉にも聞こえる難しい熟語です。誤った使い方をしてしまうことがないよう、今一度確認しましょう。