「硬式野球」と「軟式野球」の違いとは?投げ方や飛距離も異なる?

違いのギモン

現在、野球という競技には硬式野球と軟式野球の2種類が存在します。(※準硬式野球を含むと3種類)

「ボールの硬さ違うだけでしょ?」と思っている人が多いですが、ボールの硬さが違うというだけで様々な違いや特色が現れます。

同じ「野球」という競技ですが、一体なにが違うのでしょうか?

ボールの違い


硬式ボールは、牛革製で中にコルクが入っています。また、赤い糸の縫い目があります。重さは約145gです。主に、アマチュアの硬式野球や独立リーグ、プロ野球の公式球として使用されています。

軟式ボールは、ゴム製で空洞です。また、縫い目の部分がなく凹凸になっています。重さは約130gで硬式と比べて約15g軽いです。

簡単にまとめると、硬式ボールは硬く重く、軟式ボールは軟らかく軽いです。

硬式野球と軟式野球の特色

打球の質

硬式ボールは、バットに強く反発します。そのため、バットの芯で捉えれば、打球が速くよく飛びます。しかし、ボールをバットの芯で捉えないとボールに力負けして、打球も飛びません。

そして、打球も跳ねづらいです。そのため、野手は腰を低くして打球を処理する必要があります。

軟式ボールは、軟らかく空洞なのでボールが潰れます。そのため、ボールがバットに反発力が吸収されるため打球が飛びづらいです。また、ボールがよく跳ねるので、野手はバウンドを合わせるのが難しいです。

そして、攻撃側はランナー3塁の場面で「叩き」という戦術が有効となります。叩きとは、打者が内野に高いバウンドの打球を放ち、ランナーを生還させる戦術です。

投球の感覚

ボールが違うと、投球にも微妙な感覚の違いが出てきます。

硬式ボールは、指でボールを潰す感覚で投げます。(※変化球を除く)それは、ボールが抜けるのを防止するためです。また、回転数を上げてノビのある球を投げるためにも必要な感覚です。

軟式ボールは、潰す感覚で投げるとボールが潰れてしまい、力が伝わりません。そのため、ボールを押し出す感覚で投げます。

また、硬式野球を経験した直後に急に軟式ボールを強く投げると、肩や肘をケガを引き起こすことが多いです。それは、感覚のズレからくる肩肘への負担であると考えられます。

用具の違い

硬式野球のグラブは、厚くて重くて耐久性があります。また、金属バットも硬式ボールに力負けしないように厚く、頑丈にできています。硬式用のバットの重さは、基本的に900g以上です。

軟式野球のグラブは、軽くて薄いです。そのため、操作性に優れています。また、バットは金属よりビヨンドと呼ばれるゴム製のバットやカーボン製のバットが主流です。また、重さはバットの種類によって様々です。そのため、自分の身体やプレースタイルにあったバットを使えます。

まとめ

硬式ボールは硬く重いため、身体の強さと耐久性のある用具が必要です。一方で、軟式野球は柔らかく軽いため、身体の適応力や柔軟性が必要です。

このように、ボールが違うだけでプレースタイルや用具にも特色が現れますし、身体の使い方も変わってきます。また、それを理解しないままプレーするとケガにもつながります。

ルールは同じですが、野球にも種類の違いがあるのです。