経済に関する記事やニュースを見ていると、「公債(こうさい)」や「公債金」といった言葉を目にすることがあります。
直感的には、「公債金」とは単純に「公債」のお金という印象を受け、この2つの言葉に違いはあまり無いように感じられます。しかし、これらの言葉の間にはきちんとした違いが存在するのです。
この記事では、「公債」と「公債金」の違いについて解説します。
結論:総称か借りたお金か
「公債」には地方債が含まれますが、「公債金」と地方債の間には全く関係がありません。
「国債」「地方債」とは何か
まず、公債と公債金を区別する上で重要な「国債」や「地方債」とは何かを説明しましょう。
国や地方自治体は国民が納める税金を大きな収入源としています。しかし、税収だけではお金が足りず、運営が立ちいかなくなった時に、国や地方自治体は「債券」というものを発行します。そして、この「債券」を投資家などに購入してもらうことでお金を確保します。
お金を補うために国が発行する債券のことを「国債」と言います。一方、地方自治体が発行する債券を「地方債」と言います。国や地方自治体は、債券を発行することで、債券を買ってくれる人に借金をしていることになります。
「借りる」という意味がある「債」が漢字に使われているのは、このためです。
「公債」をもっと詳しく
「公債」とは、この「国債」と「地方債」を総称したものです。「公」的な機関が発行する「債」券を意味します。
ちなみに、債券を発行するのは何も国や地方自治体だけではありません。国内や海外の企業が資金を得るために発行することもあります。
資金を得るために発行するという意味では、株式会社が発行する株式に似ている印象を受けます。しかし、債券はあらかじめ利子の割合や返す期限が決められています。この点で、債券と株式とは違うのです。
債券は一定期間が経過したのちに、投資をしてくれた人物にお金が返されるようになっています。株式はいつ株式を手放すか、購入した本人が選択できます。
このシステムを使い、購入金額よりも売価が高くなったタイミングで株式を売却することで、利益を得ることができます。これが、株投資です。
「公債金」をもっと詳しく
「国債」と「地方債」を合わせた呼び方である「公債」に対して、「公債金」は「国債を買ってもらうことで借りたお金」を指します。
「公債」は「国債」と「地方債」の総称ですが、「公債金」には「地方債」が含まれないことに注意しましょう。「公債金」と関係があるのはあくまで「国債」であって、「地方債」との間には何の関係もないのです。
ちなみに、国債とその利子の返済のためのお金を「国債費」と言います。
まとめ
以上、この記事では、「公債」と「公債金」の違いについて解説しました。
- 公債:国債と地方債の総称
- 公債金:国債の発行によって得たお金のこと
今回のような経済に関する用語は、何だか難しい印象を与え敬遠されがちです。しかし、今回のように一歩ずつ理解していけばそれほど難しいものではないことも多いです。
私たちは社会の中で経済活動をしながら生きていますから、経済に関する知識は生きる上で必要不可欠といって良いでしょう。普段から新聞やニュースを見て、ある程度の知識は持っておくと便利です。