「甲乙丙丁」の意味とは?読み方は?使い方から英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「甲乙丙丁(こうおつへいてい)」です。

言葉の意味・使い方・由来・についてわかりやすく解説します。

☆「甲乙丙丁」をざっくり言うと……

読み方甲乙丙丁(こうおつへいてい)
意味十干に基づく、序列や順序を表す記号
由来古代中国の「十干」の最初の4項目から
英語訳A, B, C and D、first, second, third and fourth

「甲乙丙丁」の意味をスッキリ理解!

甲乙丙丁(こうおつへいてい):十干に基づく、序列や順序を指す記号

「甲乙丙丁」の意味を詳しく

「甲乙丙丁」は「十干(じっかん)」という集合体の一部にあたり、物事の順番や序列を指し示すために用いられる言葉です。十干は、時間や空間を表すために古代中国で用いられた数詞です。

そのため、「甲乙丙丁」は、言葉そのものに意味があるというわけではなく、1つの記号のようなもの、と捉えると良いかもしれません。

また、以下で詳しく解説しますが、使用する際にも「甲乙丙丁」の形のままで使うことはかなり少なく、「甲」「乙」、のようにそれぞれ分解して使われることが多いです。

以上の点から少々特殊な言葉ではありますが、契約書や協定など、約束事や決め事をするための重要な文書の中で頻繁に見かける言葉です。しっかりと使い方を押さえておくことが大切です。

「甲乙丙丁」の使い方

先ほども少し申し上げましたが、この「甲乙丙丁」という言葉は、そのままの形で使うことはほとんどありません。その意味にもあるように、順序や序列を指し示すための言葉であるため、「甲」「乙」というように単独で使用することが多いです。

イメージとしては、以下の認識で良いでしょう。

  • 甲:1番目、1人目
  • 乙:2番目、2人目
  • 丙:3番目、3人目
  • 丁:4番目、4人目

その上で、主な用法としては、以下のようなものがあります。

  1. 株式会社〇〇〇(ここでは個人名のこと)(以下「甲」という)と、△△△(ここでは個人名のこと)(以下「乙」という)の間で、以下の条件に基づき、雇用契約(以下、本契約という)を締結する。
  2. AさんとBさんの技術は両者とも高く、どちらも甲乙つけがたい。

①は主に契約書の一番最初に書いてある一文で、ここでは個人と企業の雇用契約を想定しています。企業の方を甲、個人の方を乙とし、企業の取り決めるルール、内容のもとで、個人が働く、という関係性を表しています。

②は序列をあらわす意味の派生的な内容です。AさんとBさんの両者の技術がとても高く、選ぶことなどできない、という内容を、両者に順序づけなどできない、という意味で「甲乙つけがたい」と表しています。

「甲乙丙丁」の由来

「甲乙丙丁」は、古代中国から伝わる「十干(じっかん)」という集まりからきています。

「十干」は10種の要素から構成されていて、その最初の4つが甲、乙、丙、丁です。そこから転じて、物事の順序や序列を表す言葉として用いられるようになっていきました。

【補足】十干とは

上でも簡単に説明しましたが、「十干」は陰陽五行説とつながる、古代中国の思想から生まれた10項目の集まりです。具体的には以下の10項目が存在します。

  1. 甲(コウ/きのえ)
  2. 乙(オツ/きのと)
  3. 丙(ヘイ/ひのえ)
  4. 丁(テイ/ひのと)
  5. 戊(ボ/つちのえ)
  6. 己(キ/つちのと)
  7. 庚(コウ/かのえ)
  8. 辛(シン/かのと)
  9. 壬(ジン/みずのえ)
  10. 癸(キ/みずのと)

この十干と深い結びつきにあるのが「干支」です。干支といえば年などにも用いられ、日本人の生活にも馴染み深いですが、一般的に私たちが想像するものは「十二支」といわれるものです。

この十二支と十干が結びついたものが本当の「干支」と言われるもので、時間や方角、暦などを表す際に用いられてきました。

この機会に一つの教養として、この3つを正しく押さえておくと良いかもしれません。

「甲乙丙丁」の英語訳

甲乙丙丁を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • A, B, C and D
    (A、B、C、そしてD)
  • first, second, third and fourth
    (1番目、2番目、3番目、そして4番目)

まとめ

以上、この記事では「甲乙丙丁」について解説しました。

読み方甲乙丙丁(こうおつへいてい)
意味十干に基づく、序列や順序を表す記号
由来古代中国の「十干」の最初の4項目から
英語訳A, B, C and D、first, second, third and fourth

他の四字熟語に比べ少し特殊な言葉ではありますが、途中でも申し上げた通り、契約書などの大事な書面で使われることが多いです。重要な内容の文章で認識の違いが起こらないよう、正しくその使い方を把握しておきましょう。