「公僕(こうぼく)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「公僕(こうぼく)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「公僕」の意味をスッキリ理解!

公僕(こうぼく):公務員

「公僕」の意味を詳しく

「公僕」とは、公務員のことです。「公衆に奉仕する」という意味合いが強いため、「自分は公衆に奉仕しているという存在です」という意味を込めて公務員が自称するときに使います。

日本国憲法が国民主権をうたっていることから、公務員が「公に奉仕する」というイメージを持つようになり、定着した語です。

本来は差別的な意味合いはありませんが、差別表現だと思われることが多いです。「僕」という漢字に「召使い」という意味合いがあり、公務員を批判する人が公務員を見下すときに「公僕」と使ってしまうことが多いことから、差別的表現のように見えるのではないかと考えられています。

「公僕」の使い方

  1. 財務省への就職も決まったことだし、これからは公僕として、この国がよくなるように尽くしていくつもりだ。
  2. 公僕精神をいっそう強く持ち、皆さんのご意見に耳を傾けて参ります。
  3. 彼らのような公僕が、こんなに高い給料をもらっているなんて。

上記の例文のように、「公僕」は「尽くす」などの表現とともに使われることが多いです。

①は「公僕」の最もストレートな使い方です。財務省という国の機関に勤めることが決まった人が、国のために尽くす覚悟を述べている文章です。ここでの公僕は「公務員」という意味ですが、「公に奉仕する」というニュアンスを強めるため、あえて「公僕」という言葉を使っています。

②は「公僕精神」という複合語として公僕を使っています。公僕精神とは「公に奉仕するという気持ち」という意味です。文全体としては、公に奉仕する気持ちを強く持ってもっと皆の意見を聞くよ、と語りかけている文になりますね。

 

③は、差別的なニュアンスを含んで「公僕」という単語を使っている文ですね。「公僕」の本来の意味やニュアンスからは離れますが、こういう形で使う人も多くいるためご紹介します。

意味としては、公に奉仕する存在である彼らが高い給料をもらっているとはどういうことだ、と不満を言っている文章になります。

以上のように、「公僕」は、基本的に公務員が自称する際に使われます。

「公僕」の語源

公僕は、公務員を意味する英語の”public servant”から来ています。publicとservantをそれぞれ日本語に訳したことから生まれた、和製英語です。

和製英語の中でも、日本語に訳された状態で定着した、珍しいタイプの単語になります。

「公僕」の類義語

公僕には以下のような類義語があります。

  • 公務員:国家公務員法の適用される一般職と特別職のこと。役職のことを中立的に指す言葉であり、言葉自体にプラスやマイナスのニュアンスは含まない
  • 役人:公務員の、やや俗っぽい言い方。小役人、役人根性など、あまりいい意味では使われない
  • 官吏・官員・吏員:公務員の、古い言い方。大日本帝国憲法時代まで使われていた
  • 官僚:公務員の中でも、中央省庁に勤めている人、中でもキャリア組のイメージを強く持つ

すべて「公務員」を指す言葉ですが、少しずつ言葉が含むニュアンスが異なります。

大日本帝国憲法下と日本国憲法下での公務員の扱いの違い

大日本帝国憲法下では役人は主に「官吏」や「官員」などと呼ばれていましたが、日本国憲法下では「公僕」という表現に変わりました。その違いは、国民や役人をどう憲法がとらえているかにあります。

大日本帝国憲法下では、主権は天皇にありました。そのため、国民は「臣民」と呼ばれ、天皇に仕えているものだとされており、当然、当時の公務員にあたる官吏・官員も「公」ではなく「天皇」に仕えているという扱いでした。

それに対し、現在は国民が主権を持っており、公務員は国民の、「公」のために仕事をしている存在とされています。ここから「公僕」という表現が定着しました。

「公僕」の英語訳

公僕を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • public servant
    (公務員)

まとめ

以上、この記事では「公僕」について解説しました。

読み方公僕(こうぼく)
意味公務員
語源英語「public servant」を訳した和製英語
類義語公務員、役人、官吏など
英語訳public servant(公務員)

基本的には、公務員が自分を自称する際に使う言葉であることを覚えておきましょう。他人が安易に使うと、差別的な意味だと誤解されてしまうこともあります。