「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」の違いとは?覚え方は?

違いのギモン

日本語は表現のバリエーションが豊富な言語です。同じような意味を表す言葉はいくつもありますし、「ことわざ」や「慣用句」や「故事成語」などが使われる場合もあります。

そして、「ことわざ」や「慣用句」や「故事成語」には生きていくための知恵が詰まっています。

ところで、「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」では何が違うのでしょうか。そう言われると答えられない人も多いと思います。

そこで、今回は「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:違う表現

「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」は異なる表現です。

まず、「ことわざ」は昔から伝えられてきた人々の生活の知恵や生きていくうえでの大切な教えなどを含んだ短文です。

次に、「慣用句」とは、習慣として使われてきた一かたまりの言葉や文句のことです。

そして、「故事成語」とは大昔から語り継がれる由緒あることがらをもとにしてできた教訓のことです。

「ことわざ」をもっと詳しく

ことわざは昔から伝えられてきた人々の生活の知恵や生きていくうえでの大切な教えなどを含んだ短文です。

そして、ことわざは皮肉や風刺を表している場合もあります。

また、教訓や格言として用いられることも多いでしょう。

 

ちなみに、ことわざはいつ誰が作ったというものではなく、たくさんの人々の日々の生活の中から自然に生まれた言葉です。

そして、ことわざ1つだけで文章として成立するという特徴があります。

また、ことわざを使うことで相手に意志をはっきりと伝えることができるでしょう。

そして、慣用句との間の区別はあいまいです。

 

そんなことわざにはいくつか表現の形式があります。次はそれについて解説していきたいと思います。

ことわざの表現の形式

対句形式

ことわざでは対句が使われている場合があります。

対句とは、意味が対照的な2つ以上の句を並べて表現する技術です。

例えば、「頭でっかち尻つぼみ」ということわざでは「頭」と「尻」、「でっかち」と「つぼみ」がそれぞれ対句になっています。

ちなみに、「頭でっかち尻つぼみ」は最初はやる気があるが、だんだんやる気を失っていってだらしがなくなるという意味です。

言葉の調子

長い間残っていく言葉というのはリズムが良いものが多いですが、ことわざも例外ではなく、リズム感のあることわざはたくさんあります。

音の反復

ことわざでは同じような音を反復させる場合があります。

列挙形式

ことわざの中には言葉を列挙していくものもあります。

例えば、「一富士二鷹三茄子」などです。ちなみに、このことわざは正月の初夢で見ると縁起が良いものを列挙しています。

数の提示

ことわざでは数字が使われることが多くあります。

例えば、「一か八か」などです。ちなみに、このことわざは運を天に任せて思い切りやってみるという意味を表しています。

「慣用句」をもっと詳しく

慣用句とは、習慣として使われてきた一かたまりの言葉や文句のことです。

そして、慣用句では2つ以上の単語が結びついて、それぞれの単語のもともとの意味とは異なった1つの意味を表すようになっています。

ちなみに、慣用句は日常の行動や状態を表現しているため、体の一部が使われることが多いでしょう。これは、体はいつも使い慣れているからです。

例えば、「目を皿にする」という慣用句がありますが、これは目を見開いて一生懸命探している様子を表しています。

 

また、慣用句は日常の出来事を比ゆ的に表現しています。

ちなみに、慣用句は文中で使われ、慣用句だけで文が成立するわけではありません。

例えば、「目を皿にする」はこれだけでは日本語の文としてはおかしいですが、「彼は目を皿にしている」などとすれば使うことができます。

 

そして、慣用句を使うことでその状況をわかりやすく表現することができ、相手に状況を理解してもらいやすくなるでしょう。

「故事成語」をもっと詳しく

故事成語とは大昔から語り継がれる由緒あることがらをもとにしてできた教訓のことです。

ちなみに、大昔から語りつかれる由緒あることがらのことを故事と言います。そして、故事成語のもとになっている故事は中国のものであることが多いでしょう。

 

例えば、四面楚歌(しめんそか)という故事成語は自分の周囲が全員敵であるという意味ですが、これはかつて項羽(こうう)という人物が宿敵の劉邦(りゅうほう)の軍に包囲されてしまったことが由来になっています。

ちなみに、この時、劉邦が味方に項羽の国である楚の歌を歌わせたことで、項羽には4つの全方位から楚の歌が聞こえてくることになり、自分の軍が降伏してしまったのだと勘違いして絶望したことから、四面楚歌という言葉になっています。

そして、故事成語も昔から習慣として用いられてきた一かたまりの言葉なので、慣用句の一種です。

まとめ

以上、この記事では、「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」の違いについて解説しました。

  • ことわざ:人々の生活の知恵や生きていくうえでの大切な教えなどを含んだ短文
  • 慣用句:習慣として使われてきた一かたまりの言葉や文句のこと
  • 故事成語:大昔から語り継がれる由緒あることがらをもとにしてできた教訓のこと

「ことわざ」と「慣用句」と「故事成語」には昔からの知恵が詰まっています。改めて学んでみると役に立つかもしれませんね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。