コンテンツとは「文字・音声・映像などを介して提供される創作物」という意味です。
ITが発達した現代において、「コンテンツを製作する」「コンテンツ〇〇」など、コンテンツという言葉を耳にする機会は多いですよね。
しかし、いざ意味を説明しようとすると、意外にも難しいのではないでしょうか。
そこで、この記事では、コンテンツの意味や関連語、由来などについて詳しく解説します。
- コンテンツの意味は「文字・音声・映像などを介して提供される創作物」など
- コンテンツの種類は「デジタルコンテンツ」「モバイルコンテンツ」など
- コンテンツの関連語は「コンテンツ産業」「コンテンツマーケティング」など
- コンテンツの由来は英語の「contents」
- コンテンツを作る時の心がけは「ユーザーのニーズや悩みを把握する」など
☆「コンテンツ」をざっくり言うと……
読み方 | コンテンツ |
---|---|
意味 | 文字・音声・映像などを介して提供される創作物 |
由来 | 英語の “contents” |
このページの目次
「コンテンツ」の意味
- 物の中身
- 書籍の目次
- 文字・音声・映像などを介して提供される創作物
上記のように、コンテンツには3つの意味がありますが、3つ目の意味で使われることがほとんどです。
具体的には、以下のようなものをコンテンツといいます。
- 映画
- テレビ番組
- 投稿された動画
- イメージビデオ
- 楽曲
- ラジオ番組
- 小説
- Webサイト
- エッセイ
- ゲーム
コンテンツの特徴
コンテンツは、以下のような特徴をもつものを指すことが多いです。
- 娯楽的なものや、役に立つ情報を発信するもの
- オンライン上で提供されるもの
しかし、上記のような条件を満たしていなくても、コンテンツと呼ばれる場合があります。
たとえば、時事ニュースなど、娯楽性を含んでいないものをコンテンツということもあります。
また、目の前で上演されるコンサートや紙の書籍など、アナログなものを「コンテンツ」と呼ぶ場合もあります。
コンテンツ促進法での定義
日本では、2004年から「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」という法律があります。
略して、コンテンツ促進法と呼ばれています。
この法律の第二条で、コンテンツは以下のように定義されています。
この法律において「コンテンツ」とは、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲームその他の文字、図形、色彩、音声、動作若しくは映像若しくはこれらを組み合わせたもの又はこれらに係る情報を電子計算機を介して提供するためのプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう。)であって、人間の創造的活動により生み出されるもののうち、教養又は娯楽の範囲に属するものをいう。
[出典:法令検索]
この定義のポイントは以下の通りです。
- デジタルの情報であること
- 教養・娯楽的な情報であること
「コンテンツ」の種類
コンテンツには、様々な種類があります。
- デジタルコンテンツ
作品をデータ化したコンテンツ
※特にキャラクターの個性が出てくるようなものを指す
例:映画、楽曲、アニメ、テレビ番組など - モバイルコンテンツ
携帯やスマートフォンから見ることができるコンテンツ
例:写真加工アプリ、スマホゲーム、地図アプリなど - Webコンテンツ(オンラインコンテンツ)
インターネット上で公開されるコンテンツ
例:まとめサイト、ブログ、SNS、通販サイトなど - ビジュアルコンテンツ
画像や動画などを使って情報を伝えるコンテンツ
例:プレゼン資料、写真など - テキストコンテンツ
文章で表したコンテンツ
例:小説、ニュース記事、新聞など - 動画コンテンツ
動画で表したコンテンツ
例:YouTubeに投稿された動画など
「コンテンツ」の関連語
「コンテンツ」に関連した用語には、以下のようなものがあります。
- コンテンツ産業
コンテンツを提供する有料または無料のサービス - コンテンツマーケティング
コンテンツを発信することで顧客を増やす手法 - コンテンツビジネス
コンテンツを提供する産業 - エクストラコンテンツ
通常のコンテンツにサービスをさらに加えたもの - コンテンツ化
普通の情報の娯楽性などの価値を加えて、コンテンツのかたちにすること - キラーコンテンツ
影響力のある魅力的なコンテンツ
上記の関連語からわかるとおり、コンテンツは、ビジネスのなかで重要なポイントとなっています。
ちなみに、日本のコンテンツ産業の規模は2008年に世界第2位となっていました。
『デジタルコンテンツ白書2020』の結果によると、2019年現在も市場規模は8年連続で成長しています。
コンテンツ産業がさかんになったのは、1990年代以降です。
しかし、さらに古い時代から、コンテンツが今後重要なものになることを予言していた人物がいます。
その人物とは、英文学者で、メディア研究の創始者であるマーシャル・マクルーハンです。
マクルーハンは、1964年の著書『メディア論・人間の拡張の諸相』において、「コンテンツ自体がメッセージを伝えるものになる」と唱えていました。
「コンテンツ」の使い方
「コンテンツ」という言葉は、さまざまな表現で使います。
よく使われる言い回しの例として、以下のようなものが挙げられます。
- コンテンツが乏しい(とぼしい)
コンテンツの数や質が充分でない - コンテンツを配信する
インターネット上でコンテンツを公開する - コンテンツ〇〇
コンテンツに関連した用語
「コンテンツ産業」「コンテンツマーケティング」など - 〇〇コンテンツ
ある種類のコンテンツ
「モバイルコンテンツ」「WEBコンテンツ」など - 〇〇向けコンテンツ
特定のユーザーを対象にしたコンテンツ
「女性向けコンテンツ「学生向けコンテンツ」など
上記をふまえて、具体的な例文を見てみましょう。
- このサイトはコンテンツが乏しいので、投稿記事を増やすことにした。
- 昨日、ファンクラブ限定のWEBコンテンツが配信された。
- 彼女は、コンテンツマーケティングのプロだと言われている
- 電車内では、スマホのモバイルコンテンツを利用している人が多い。
- 私は、就活サイトで、学生向けコンテンツを製作している。
- 新しいコンテンツを企画することになったので、部署のみなさんからアイディアを募集したいと思います。
- このサイトは、1つ1つのコンテンツの質が良い。
- コンテンツづくりにおいて、見やすいデザインにすることは重要だと思う。
- このコンテンツを見て、アニメに興味が芽生えた。
- 彼のアイディアがついにコンテンツ化されたそうだ。
「コンテンツ」の由来
コンテンツは、英語の “contents” に由来します。
“contents” には、以下のような意味があります。
- 物の中身
- 書籍などの目次
- 情報などの内容
- 何かに含まれているものの量
このように、もともと英語の “contents” には、カタカナ語の「コンテンツ」がもつ「文字・音声・映像などを介して伝えられる娯楽的な創作物」という意味はないことがわかります。
英語での“contents” は、目次を表すことがほとんどですから、気をつけましょう。
“contents” は “content” の複数形
“contents” は、“content” を複数形にしたかたちです。
“contents” と “content”には同じ意味があります。
しかし、複数形の “contents” のほうが、単数形の意味よりもさらに具体的なイメージになります。
content | contents |
---|---|
①中身 ②目次 ③内容 ④含まれているものの量 | ①物の中身 ②書籍などの目次 ③情報などの内容 ④何かに含まれているものの量 |
ちなみに、“content” から派生した英単語に “container” があります。
“container” とは、入れ物や箱、容器のことです。
カタカナで表すと「コンテナ」になります。
英語の“content” の語源をさかのぼると、ラテン語の “continere” となります。
“continere” は「中に含まれたもの」という意味です。
カタカナ語の「コンテンツ」の普及
「文字・音声・映像などを介して伝えられる娯楽的な創作物」という意味は、カタカナ語の「コンテンツ」がもつ独特な意味合いです。
カタカナ語の「コンテンツ」は、1990年代中頃からよく使われるようになったと言われています。
なぜなら当時は、以下のようなデジタルツールが普及し、「ITブーム」が起きていたからです。
- インターネット
- 携帯電話
- CD-ROM など
なお、「コンテンツ」という言葉が一般化する前は、「ソフトウェア」という言葉がよく使われていました。
ソフトウェアは「機械に内蔵される情報やサービス」という意味ですが、解釈は人によって異なるため、やや不便な言葉といえます。
コンピュータ開発のプログラムに限定して使う人もいれば、ゲームや音楽・映像なども含めて幅広く使う人もいるのです。
その点、「コンテンツ」という言葉には、「文字・音声・映像などを介して提供される創作物」という比較的明確な定義があったため、さかんに使われるようになりました。
ちなみに、ソフトウェアの対義語は、機械そのものを指す「ハードウェア」です。
「コンテンツ」を作る際の心がけ
最後に、コンテンツの製作で心がけるべきことについて解説します。
良いコンテンツとは
良いコンテンツには、以下のような特徴があります。
- ユーザーのニーズに応えている
- 見ていて楽しく、「毎日でも見たい」と思える
- 製作者の熱意が伝わってくる
- クオリティが高い
- オリジナル性がある
このように、ユーザーが知りたいこと・見たいことと一致していて、なおかつ質が高いコンテンツは評価されます。
悪いコンテンツとは
悪いコンテンツには、以下のような特徴があります。
- ユーザーの意図と噛み合っていない
- ユーザーに役立つ情報がない
- ユーザーを不快にさせる内容である
- 熱意や楽しさが伝わってこない
- クオリティが低い
- 情報に誤りがある
このように、ユーザーのニーズから掛け離れていて、なおかつ質が低いコンテンツは、評価されづらいです。
良いコンテンツを作るためには
良いコンテンツを作るためには、以下のようなことに気をつけましょう。
- ユーザーのニーズや悩みを把握する
- 世の中の流行・動向を知る
- オリジナルの価値をつける
- 「誰が、何を、誰にどうやって伝えるか」を明確にする
- ユーザーに役立つ情報を発信する
- 高いクオリティを保つ
コンテンツの存在価値や、ユーザーが求めていることについて、事前にしっかりと検討することが大事です。
「コンテンツ」のまとめ
以上、この記事では「コンテンツ」について解説しました。
読み方 | コンテンツ |
---|---|
意味 | 文字・音声・映像などを介して提供される創作物 |
由来 | 英語の “contents” |
便利なツールが増えて、初心者も簡単に様々なコンテンツを作ることができる時代になりつつあります。
コンテンツの意味を正しく理解したうえで、良いコンテンツづくりを心がけましょう。