今回ご紹介する言葉は、熟語の「懇意(こんい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「懇意」をざっくり言うと……
読み方 | 懇意(こんい) |
---|---|
意味 | 親しくしていること |
類義語 | 気心の知れた、気の置けない |
対義語 | 疎遠 |
英語訳 | familiar(よく知っている、親しい、心安い、懇意な) |
「懇意」の意味をスッキリ理解!
「懇意」の意味を詳しく
「懇意」とは、「親しくしていること」「遠慮のいらない間柄であること」を表す言葉です。
「懇」は、訓読みで「懇(ねんご)ろ」と読みます。「懇ろ」には、「親切で丁寧であること」「親密であること」という意味があります。
歌舞伎における「懇意」
歌舞伎の台詞で、「懇意」を「親切な心」という意味で用いているものがあります。
たとえば、「幼稚子敵討(おさなごのかたきうち)」という演目の台詞がその例として挙げられます。この演目に、「御懇意の段忝(だんかたじけの)う存じまする」という台詞があります。これは、親切な心に感謝する台詞なのです。
「懇意」の使い方
- 彼女とは、小学生の頃から懇意にしている。
- 二人は、昔からの懇意な間柄である。
- 「先生とは、大変ご懇意にさせて頂いております。」
「懇意にする」は、「懇意にしてもらう」という受け身の形で表現をすることも可能です。
また、②のように、「懇意な」という形で名詞を修飾することもあります。
③は、目上の人に対して「仲良くさせて頂いている」とへりくだる言い方です。
「懇意」の類義語
懇意には以下のような類義語があります。
- 心安い:親しみやすく、遠慮のいらないこと
- 気心の知れた:親しいこと
- 気の置けない:遠慮や気を遣う必要がなく、心から打ち解けることができること
「気心」とは、その人がもっている性質や考え方のことです。つまり、「気心の知れた」は、「性質や考え方など、その人の心の内を知っている」という意味なのです。そこから、「親しいこと」という意味で用いられています。
「気の置けない」は、気を遣う必要がないほど、とても親密な関係であることを表します。ここで言う「気」とは、遠慮する気持ちのことです。「安心できない」という意味で用いるのは誤りであるため、注意しましょう。
なお、「気の置けない」は、「気が置けない」とも言います。
「懇意」の対義語
懇意には以下のような対義語があります。
- 疎遠(そえん):距離が遠ざかり、関係が薄いこと
「疎遠な間柄」などと表現することができます。
また、「疎遠」には「連絡や訪問などの交流が久しく途絶えていること」という意味があります。この場合、「〜と疎遠になる」などと言います。
「懇意」の英語訳
懇意を英語に訳すと、次のような表現になります。
- familiar
(よく知っている、親しい、心安い、懇意な) - intimate
(親密な、懇意な) - be friends (with)
(懇意にしている)
familiar は、be on familiar terms with~ で「〜と懇意にしている」と表現することができます。
2つ目の intimate は、特に恋愛関係にある二者について言う際に多く使われます。
be friends (with) は、直訳すると「〜と友達でいる」という意味です。この意味から転じて、「懇意にしている」と訳されます。
上記の例以外に、 “They know each other very well.(直訳 : 彼らは、お互いのことをとてもよく知っている)” という文章も「懇意」の英語訳として挙げられます。これは、「相手のことをよく知っている」という意味から転じて、「彼らは懇意な間柄である」と訳すことができるためです。
まとめ
以上、この記事では「懇意」について解説しました。
読み方 | 懇意(こんい) |
---|---|
意味 | 親しくしていること |
類義語 | 気心の知れた、気の置けない |
対義語 | 疎遠 |
英語訳 | familiar(よく知っている、親しい、心安い、懇意な) |
「懇意」を自分の言葉として使いこなせるように、意味や使い方をきちんと理解しておきましょう。