「わかめ」と「昆布」の違いとは?食物繊維などの栄養価についても解説

違いのギモン

海藻類は海外ではあまり食べられていないため、日本独自の食材と言えます。しかし、「わかめ」や「昆布」などは日本人の食卓に欠かせませんよね。そして、昔から親しまれてきた食材でもあります。

ところで、みなさんは「わかめ」と「昆布」の違いを知っていますか。そんなの当たり前だよ、と思う人も多いかもしれません。

しかし、日本人の半分は「わかめ」と「昆布」の違いを明確に答えられないという調査結果があります。

今回はそんな、意外と知らない人が多い「わかめ」と「昆布」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:わかめと昆布は違う海藻

わかめと昆布は違う海藻です。わかめが褐藻(かっそう)類アイヌワカメ科の海藻であるのに対して、昆布は褐藻類コンブ科の海藻です。

「わかめ」をもっと詳しく

わかめは褐藻類アイヌワカメ科の海藻で、種から成長して枯れるまでに1年かかる1年草です。ちなみに、褐藻類は色が褐色(黒ずんだ茶色)の藻の総称です。

そう説明すると疑問に思う方もいるかもしれません。確かに、わかめや次の項で説明する昆布は緑色もしくは黒っぽい緑色というイメージがありますよね。

しかし、わかめや昆布は海の中では褐色の海藻です。ただ、湯に通すと緑色になり、乾燥すると黒っぽい緑色になります。私たちが見るのはこの段階のものが多いので、緑色や黒っぽい緑色というイメージがあるのです。

[出典:https://kotobank.jp/word/%E3%83%AF%E3%82%AB%E3%83%A1-774256]

そんなわかめですが、上の画像のように、根と長い茎から葉っぱがたくさん生えており、体長は1mほどです。そして、葉っぱを主に食べます。ただ、茎も食べることがあります。これは茎わかめと呼ばれます。

ちなみに、わかめは温かいところでも育つことができるので、日本全国で収穫することができます。そして、現在では国内産のわかめはほとんどが養殖されたものです。ちなみに、輸入もされており、ふりかけの中に入っているわかめは中国産や韓国産のものが多いです。

また、昆布に比べてずっと安価なので、100円ショップなどでも購入することができます。ちなみに、3月から5月にかけてが旬であり、収穫されてから製品になるまでの手間暇があまりかからないため、4月上旬には新物が出回ります。

わかめの栄養

わかめはあまり栄養価が高い食材ではなく、うまみ成分もそこまで含まれていません。しかし、アレルギン酸という食物繊維を多く含んでいます。

そして、低カロリーなので、ダイエットにはもってこいの食材です。

わかめの用途

そんなわかめの最も一般的な使い方は味噌汁に入れることだと思います。しかし、味噌汁以外のスープの具としても使われますし、サラダや煮物にも入っていることがあります。

そして、わかめの茎の部分である茎わかめはおつまみの定番です。

「昆布」をもっと詳しく

昆布は褐藻類コンブ科の海藻で、種から成長して枯れるまでに2年かかる2年草です。そして、昆布は以下の画像のように、根と茎の先に1枚の大きな葉っぱがついています。そして、葉っぱは数10mあります。

[出典:https://www.welcome2japan.tw/support/special/195.html]

そして、葉っぱを食べます。ただし、茎もまれに食べることがあります。

また、寒いところで育つため、日本での主な産地は北海道で、国内の生産量の8~9割を占めています。そして、天然のものが多いです。そのため、わかめに比べるとずっと高価で、高級食材の昆布もあります。

ちなみに、旬は7月~9月ですが、新物は秋ごろに出回ります。そして、収穫してから製品になるまでに大きな手間暇がかかるため、私たちが食べている昆布は基本的に2年前に収穫されたものです。

昆布の栄養

昆布はヌルヌルしてますよね。このヌルヌルが苦手で昆布が食べられない、という方もいるかもしれません。しかし、このヌルヌルの正体はフコイダン・アルギン酸などの水に溶けるタイプの食物繊維なのです。

そして、フコイダンには腸を整える作用、便秘改善効果、美肌効果などがあり、美しい髪を作るためにも必要です。

 

また、そのほかにも昆布には豊富な栄養が含まれています。例えば、たんぱく質、カルシウム、ヨウ素、ビタミンA、ビタミンB2、グルタミン酸などです。

このうち、ヨウ素は昆布の中にとても豊富に含まれていて、昆布以上にヨウ素を含んでいる食材はなかなかありません。そして、ヨウ素は聞きなれない栄養素だと思いますが、甲状腺ホルモン(※1)を作る原料となったり、代謝を促してくれたりします。

ちなみに、ヨウ素と言うと原発から漏れ出た放射性物質というイメージが強いと思いますが、昆布に含まれているヨウ素とは別のものなので、心配は不要です。

また、グルタミン酸はうまみ成分で、血圧を下げたり、脳の働きを活性化させたりする働きがあります。

つまり、昆布のヌルヌルは昆布に栄養がたくさん含まれている証拠なのです。

  • 甲状腺ホルモン(※1):甲状腺から分泌され、代謝を促すホルモンのこと

昆布の用途

昆布にはうまみ成分が豊富に含まれるため、だしとして使われることが多いです。そして、その他には佃煮(つくだに)などに使われます。

まとめ

以上、この記事では、「わかめ」と「昆布」の違いについて解説しました。

  • わかめ:褐藻類アイヌワカメ科の海藻
  • 昆布:褐藻類コンブ科の海藻

和食が無形文化遺産に登録されたことで、わかめや昆布などにも海外からの注目が集まっています。外国人から聞かれた時などに、わかめと昆布の違いを明確に答えられるようになりたいものですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。