濃口醤油と薄口醤油の違いは?気になる味や塩分、使い分けを徹底解説!

違いのギモン

濃口醤油(こいくちしょうゆ)と薄口醤油(うすくちしょうゆ)には、色など、8つの違いがあります。

茶碗蒸し(ちゃわんむし)などのレシピに「薄口醤油」と書いてあって、悩んだ方もいるのではないでしょうか。

普段使っている醤油がどちらにあたるのかや、2つの醤油がどのように違うのか、どう代用するのかなども知りたいですよね。

この記事では、2つの味わいの違いや塩分濃度の違いに加え、薄口醤油の代用方法や、その他の種類の醤油についても解説します。

☆「濃口醤油」「薄口醤油」の違いをざっくり言うと……

濃口醤油薄口醤油
色の濃さ濃い薄い
用途醤油を使う料理全般に使うさっぱり仕上げたいときや、素材の色を活かしたいときに使う
製法しっかり熟成させる熟成を抑えながら作る
味わい香り高く、コクがある塩分が効いていて、香りやコクは薄い
塩分濃度16%18%(濃口醤油よりも高い)
カロリー(大さじ1あたり)13kcal10kcal
生産量非常にメジャー(醤油生産量の80%程度)多くはない(醤油生産量の13%)
よく使われる地域全般的に主に関西で

【結論】「濃口醤油」と「薄口醤油」の8つの違い

濃口醤油と薄口醤油には以下のような8つの違いがあります。

濃口醤油薄口醤油
色の濃さ濃い薄い
用途醤油を使う料理全般に使うさっぱり仕上げたいときや、素材の色を活かしたいときに使う
製法しっかり熟成させる熟成を抑えながら作る
味わい香り高く、コクがある塩分が効いていて、香りやコクは薄い
塩分濃度16%18%(濃口醤油よりも高い)
カロリー(大さじ1あたり)13kcal10kcal
生産量非常にメジャー
(醤油生産量の80%程度)
多くはない
(醤油生産量の13%)
よく使われる地域全般的に主に関西で

これから、それぞれの違いについて詳しく見ていきたいと思います。

【1】色の違い


その名の通り、濃口醤油は色が濃く、薄口醤油は色が薄いです。

そのため、薄口醤油を使うと、素材の色を生かしたまま料理を仕上げることができます。

以下のような色の違いがあります。

[出典:SATETO]

【2】用途の違い


濃口醤油はいわゆる「醤油」を使う料理全般に使うのに対し、薄口醤油は素材の色を生かしたい料理に使います。

つまり、一般的なレシピで「醤油」と書いてある場合は、濃口醤油を指しています。

また、薄口醤油は味わいがさっぱりしているため、色だけでなく、素材の風味なども生かすことができます。

濃口醤油の用途

濃口醤油は、一般的に醤油を使う料理全般で使うことができます。

色や香り、コクが強いので、煮物や焼物など、素材の色や香りを残すことにこだわる必要のない料理が向いています。

また、卓上で食べ物につけたりかけたりする用途でも使えます。かなりオールマイティに使うことができます。

薄口醤油の用途

薄口醤油は、素材の色や風味を残して仕上げたい料理に使います。

また、透き通った色合いに仕上げたいお吸い物などにも使います。

ただし、香りやコクは薄いため、食べ物に直接つけたりかけたりするのには向いていません。

また、薄口醤油単体だと味わいがややもの足りなく感じることが多いので、だしなどと組み合わせて使うことも多いです。

【3】製法の違い


濃口醤油は原料をしっかり熟成させて作るのに対し、薄口醤油は熟成を抑えながら作ります。

これは、熟成が進むと色が濃くなり香りも強くなるため、色の薄い醤油を作るためには熟成を抑える必要があるからです。

濃口醤油の製法

濃口醤油は、蒸した大豆と炒った小麦をほぼ等量混ぜ、種麹(たねこうじ)を加えて麹を作ります。

その後、この麹を食塩水と混ぜます。このとき使用する食塩水の濃度のバランスが最もオーソドックスなのが、濃口醤油です。

そうしてできた諸味(もろみ)を6〜7ヶ月間熟成させる、あるいはアミノ酸液を入れて1ヶ月以上熟成させるなど、いくつかの製法があります。

熟成期間は、長いもので2年に及びます。

薄口醤油の製法

薄口醤油も製法はほぼ濃口醤油と同じです。

しかし、麹と食塩水を混ぜる段階で、濃口醤油よりも濃度の濃い食塩水を使うことで、発酵と熟成をゆるやかにします。

また、発酵も6ヶ月弱と、濃口醤油に比べて短くなっています。

【4】味わいの違い


濃口醤油は香り高くコクもあるのに対し、薄口醤油は塩分が効いていて、香りやコクは薄くなります。

これは、【3】でも紹介した製法の違いに由来しています。

濃口醤油は長い期間熟成させるのに対し、薄口醤油は熟成を抑えて作るため、濃口醤油の方が香りやコクが豊かになります。

また、熟成を抑えるために高濃度の食塩水を使うため、薄口醤油の方が塩辛いです。

【5】塩分濃度の違い


濃口醤油の塩分濃度は約16%なのに対し、薄口醤油は約18%であり、濃口醤油よりも塩辛いです。

名前が「薄口醤油」であるため、一見塩分も薄いように感じますが、濃口醤油よりも塩分濃度は濃いことに注意が必要です。

「淡口」「うすくち」と書くこともある

薄口醤油は、「淡口醤油」「うすくち醤油」などと書かれることもあります。

「薄口醤油」という表記だと「味や塩分が薄い」というイメージと結びつきやすいため、パッケージの表記を工夫することで誤解を防いでいます。

【6】カロリーの違い


濃口醤油は大さじ1あたり13kcal、薄口醤油は大さじ1あたり10kcalです。

ほぼ変わらない上、薄口醤油はその味わいの特徴上、他のだしなどと組み合わせて使うことも多いので、カロリーを気にしてどちらかに変える必要はないでしょう。

【7】生産量の違い


濃口醤油が非常にメジャーなのに対し、薄口醤油はそこまで多く作られているわけではありません。

醤油生産量のうち占める割合を見ると、濃口醤油は80%程度なのに対し、薄口醤油は13%程度です。

濃口醤油は、普段使っている醤油のこと

私たちが普段日常的に使う醤油は、ほぼ濃口醤油です。

そのため、「濃口醤油」だと認識して使うことはあまりないかもしれませんが、濃口醤油は非常にメジャーな調味料だと言えます。

【8】よく使われる地域の違い


濃口醤油が広く日本全国で使われているのに対し、薄口醤油は主に関西で使われています。

特に京都の精進料理や、懐石料理ではとてもよく使います。

たとえば、関西の料理というと、おだしの効いた薄い色合いを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。薄口醤油はこれらによく使われます。

薄口醤油の誕生も関西

薄口醤油は、江戸時代に兵庫県の龍野(たつの)で誕生しました。

そして、そのまま関西で発展していきました。

補足:薄口醤油がないときの代用方法


薄口醤油はあまりメジャーではないため、家に常備はしていないという人も多いでしょう。

そういうとき、レシピに薄口醤油が出てきた場合は、以下の2通りの代用方法があります。

薄口醤油の代用方法
  1. 濃口醤油と塩を組み合わせて調整
  2. 白だしで代用
それぞれ詳しく見ていきましょう。

方法①:濃口醤油と塩を組み合わせて調整

薄口醤油は、濃口醤油よりも醤油の風味や色合いを抑え、塩分濃度を保持した調味料です。

そのため、濃口醤油と塩をおおよそ半量ずつ使うことで、薄口醤油と同じように扱うことができます。

実際に必要な塩分と醤油の量は、以下の通りです。

  • 薄口醤油小さじ1杯分
    濃口醤油小さじ1/2+食塩0.5g
  • 薄口醤油大さじ1杯分
    濃口醤油大さじ1/2+食塩1.5g(小さじ1/4)
これは醤油小さじ1がおおよそ塩分1g、大さじ1がおおよそ塩分3gを含んでいることに由来します。

なお、薄口醤油は若干(2%程度)濃口醤油よりも塩分が多いので、多量を代替する場合は、ほんの少しだけ塩を多めに入れると良いです。

方法②:白だしで代用

だいたい似たような味を作れれば良いということであれば、白だしを使うこともできます。

ただし、白だしは醤油以外にもだし汁やみりん、砂糖なども含まれています。

そのため、白だしを使う際は、様子を見ながら他の材料の分量も調整しましょう。

白だしを使う場合、いきなり分量通り入れるのは厳禁

白だしは、商品によって塩分濃度や甘さのバランスがかなり異なります。

そのため、いきなりレシピ通りの分量を加えるのではなく、徐々に味見をしながら量を調整していきましょう。

補足:その他の醤油の種類


濃口醤油と薄口醤油の他にも、以下の3種類の醤油があります。

  • たまり醤油
    せんべいなどに使われる、濃厚で香りも重たい醤油
  • 再仕込み(さいしこみ)醤油
    高級で、どろりと濃厚な醤油
  • 白醤油
    小麦が主原料の、あっさりした醤油
それぞれ詳しく見ていきましょう。

種類①:たまり醤油

たまり醤油は、せんべいや刺身のつけ醤油などに使われる、濃厚で香りの重たい醤油です。

中部地方で愛用されています。加熱すると美しい赤みが出る点から、せんべいなどにもよく使われます。

大きなポイントは、濃口醤油や薄口醤油が小麦をほぼ半量使うのに対し、たまり醤油はほとんど大豆だけで作られる点です。大豆のタンパク質から得られるうま味成分が多いため濃厚になり、重たい香りがします。

最近では香り立ちを重視し、小麦を1割程度加える製法が主流になってきています。

種類②:再仕込み醤油

再仕込み醤油は、醤油を二度醸造するような製法が特徴の、高級でどろりと濃厚な醤油です。

通常の醤油では麹を食塩水と合わせますが、再仕込み醤油では、食塩水の代わりにほぼ同じ塩分濃度の「生揚げ(きあげ)醤油」を合わせて仕込みます。

生揚げ醤油とは、加熱処理がされていない醤油のことで、加熱処理がなされていないために酵素がまだ活発な、いわば「生の醤油」です。

このように醤油を二度仕込むような形をとるため、「再仕込み」醤油と呼ばれています。

種類③:白醤油

白醤油は、小麦を主原料に用いて麹を作る醤油です。

薄口醤油よりもさらに短期間の発酵で作られ、うま味やコクも抑えられています。

あっさりした味わいで、うどんの汁などに使われます。

補足:減塩醤油について

減塩醤油は、塩分が低めの醤油です。

見た目は普通の醤油と同じような色です。値段は普通の醤油よりやや高いです。

これは、減塩醤油は、一回濃口醤油を作ってから塩分を取り除いているためです。普通の醤油よりも工程が増えるため、高くなります。

濃口醤油と薄口醤油の違いのまとめ

以上、この記事では、濃口醤油と薄口醤油の8つの違いについて解説しました。

濃口醤油薄口醤油
色の濃さ濃い薄い
用途醤油を使う料理全般に使うさっぱり仕上げたいときや、素材の色を活かしたいときに使う
製法しっかり熟成させる熟成を抑えながら作る
味わい香り高く、コクがある塩分が効いていて、香りやコクは薄い
塩分濃度16%18%(濃口醤油よりも高い)
カロリー(大さじ1あたり)13kcal10kcal
生産量非常にメジャー(醤油生産量の80%程度)多くはない(醤油生産量の13%)
よく使われる地域全般的に主に関西で

違いを踏まえて使い分けができると、料理がぐっと楽しくなります。

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Rie
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日英バイリンガル東大生。 10年間小説を書き続けているため、文章力には自信があります。 いくつかの小説投稿サイトで掲載/連載している他、教育系NPOでもライターをしています。