「古墳」と「墳丘墓」の4つの違いとは?時代や大きさまで解説

言葉

歴史の授業では、「古墳」と「墳丘墓(ふんきゅうぼ)」という単語が必ず出てきます。しかし、2つの単語は出てくる時代も近く、詳しく知らない限りは明確な区別をすることが難しいですよね。

そこで、今回は「古墳」と「墳丘墓」の4つの違いについて解説します。

☆「古墳」「墳丘墓」の違いをざっくり言うと……

古墳墳丘墓
出現時代古墳時代(3世紀中ごろ~)弥生時代まで
作られ方統一性がある地域によって異なる
大きさ巨大なものも存在古墳と比べると小規模
代表的な形式円墳・方墳・前方後円墳方形周溝墓・方形台状墓・円形周溝墓・四隅突出型墳丘墓

【1】出現時代の違い

古墳の出現時代

古墳は、3世紀中期以降に出現したと言われています。古墳が作られるようになったことから、日本の歴史では3世紀以降を古墳時代と呼びます。

墳丘墓の出現時代

墳丘墓は、3世紀以前に出現した大規模な墓のことを指しています。古墳時代より前に出現した大規模な墓は、基本的に墳丘墓であると考えられています。

【2】作られ方の違い

古墳の作られ方

古墳は、墳丘(ふんきゅう)や埋葬施設などに統一性があると考えられています。

墳丘:墓の上に土や石を積むことによって作られた小高い丘のこと
古墳の斜面には、葺石(ふきいし)という石が表面に積まれていたり、貼りつけるようにした葺石で覆われていたりします。この葺石は、墳丘の装飾と同時に外部の影響から古墳を守るために葺かれているとされています。

また、丘には埴輪(はにわ)という、人や家などを形どった焼き物が置かれています。この埴輪にも、装飾的な目的や、儀式的な目的があったと考えられています。

また、古墳は単なる墓としてだけでなく、亡くなった人の威光を示すための手段としても使われていたことが分かります。

また、こうした統一性が見られるようになった背景には、古墳時代誕生と共に、九州から東日本に渡って、ヤマト政権という統一的な政権が確立されてことが関係しているとされています。

墳丘墓の作られ方

墳丘墓には、作られ方に統一性はありません。地域によって装飾が豪華なものもあれば、質素なものもあります。このように、地域差が大きいのが墳丘墓の特徴です。

【3】大きさの違い

古墳の大きさ

古墳は全体的に、墳丘墓より大きいとされています。代表的な古墳である箸墓(はしはか)古墳は、全長が280mあります。

墳丘墓の大きさ

墳丘墓は古墳と比べると小規模なものが多いです。一般的には、円形のものが直径15m程度、方形のものが一辺20m程度の大きさであったとされています。

【4】代表的な形式の違い

古墳の代表的な形式

古墳の代表的な形式としては、円墳・方墳・前方後円墳の3つが挙げられます。この中でも前方後円墳は、3世紀の中ごろから6世紀まで作られていたと考えられていおり、巨大な古墳のほとんどが前方後円墳になっています。

墳丘墓の代表的な形式

墳丘墓の代表的な形式としては、方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)・方形台状墓(ほうけいだいじょうぼ)・円形周溝墓(えんけいしゅうこうぼ)・四隅突出型墳丘墓(よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ)が挙げられます。

このうち、四隅突出型墳丘墓は中国地方で主に作られたと考えられています。四隅がピンと飛び出しており、非常に特徴的な形をしています。

有名な古墳・墳丘墓のまとめ

有名な古墳としては、以下のようなものがあります。

  • 誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)(大阪府)
  • 大山古墳(だいせんこふん)(大阪府)
また、有名な墳丘墓としては、以下のようなものがあります。
  • 吉野ケ里遺跡(よしのがりいせき)(佐賀県)
  • 楯築遺跡(たてつきいせき)(岡山県)

まとめ

以上、この記事では、「古墳」と「墳丘墓」の4つの違いについて解説しました。

古墳墳丘墓
出現時代古墳時代(3世紀中ごろ~)弥生時代まで
作られ方統一性がある地域によって異なる
大きさ巨大なものも存在古墳と比べると小規模
代表的な形式円墳・方墳・前方後円墳方形周溝墓・方形台状墓・円形周溝墓・四隅突出型墳丘墓

違いが分かりにくい古墳と墳丘墓ですが、以上のように様々な違いがあります。この知識を知っておけば、紛らわしい違いに惑わされることもなくなります。違いをしっかりと理解して、旅行の際などに生かせるようにしましょう。

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つつつ
この道10年以上の読書家。 短い言葉で人を惹き付けるコピーが大好きです。 本の帯に書かれたコピーを見て買ってしまうこともしばしば。 読書で得た文章力を活かして、日常生活でよく使う言葉を中心に執筆しています。