四字熟語「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」です。

言葉の意味・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「鼓腹撃壌」の意味をスッキリ理解!

鼓腹撃壌(こふくげきじょう):平和な世の中であること。または、平和を喜び楽しむこと。

「鼓腹撃壌」の意味を詳しく

「鼓腹撃壌」は、善い政治が行われ、人々が平和な世の中で生活することができる場合に用いられる四字熟語です。

 

「鼓腹撃壌」は、鼓腹と撃壌という 2つの熟語から成り立っています。

鼓腹とは、「腹づつみを打つこと」を意味します。腹づつみとは、「満腹になるまでご飯を食べたことで、太鼓のようになったお腹のこと」です。また、撃攘とは、地面を叩いて拍子を取ること」を表します。

「鼓腹撃壌」という言葉の生まれた古代中国では、食べ物や暮らしの豊かさが政治状況によって大きく左右されていました。

つまり、「お腹が太鼓のようになるまでご飯を食べることができる」ということは、平和であり、善い政治が行われていることを意味したのです。このことから、「平和なさま」「平和を楽しむさま」を「鼓腹撃壌」と言うようになりました。

 

また、熟語の順番を並び替えてた「撃壌鼓腹」でも同様の意味になります。あわせて覚えておきましょう。

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「鼓腹撃壌」の使い方

  1. この政治家は常日頃から、鼓腹撃壌の世の中を作るために努力している。
  2. 最近あの国は政権交代して、すっかり治安もよくなり、鼓腹撃壌な社会に変わった。

「鼓腹撃壌」の由来

鼓腹撃壌は、『十八史略(じゅうはっしりゃく)』という、南宋(なんそう)時代の中国で書かれた書物を由来に持ちます。

『十八史略』とは、三皇五帝(さんこうごてい)の時代から、南宋時代までの正史をまとめた書物です。三皇五帝(さんこうごてい)とは、古代中国の神話において、優れているとされた 8人の帝王のことです。

『十八史略』では、三皇五帝の 1人である「堯帝(ぎょうてい)」時代の項において、鼓腹撃壌は用いられました。堯帝の話は、次のようなものです。

 

堯帝はある日、自らの政治によってうまく世の中が収まっているのかが気になり、街の様子を見に行きました。

すると、街では 1人の老人が満ち足りたお腹を太鼓のように打ち鳴らし、地面を踏んで拍子を取りながら歌っています。その歌では、「平和に当たり前に生活できているから、皇帝の力なんて関係ない」と愉快に歌われていたのです。

それを聞いた堯帝は、「自分の政治によって、平民は政治や皇帝のことを考えることなく、平和に生活できている」と安心したとされています。

 

上記の老人の姿が由来となり、「鼓腹撃壌」は広まったのです。

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「鼓腹撃壌」の類義語

鼓腹撃壌には以下のような類義語があります。

  • 撃攘之歌(げきじょうのうた):天下泰平で、人々が平和な暮らしを送っていること
  • 含哺鼓腹(がんぽこふく):人々が豊かに暮らし、平和を享受すること
  • 堯風峻雨(ぎょうふうしゅんう):世の中が平和で穏やかな様子

「含哺」とは、「口に食べ物を含むこと」を指します。含哺鼓腹は、食べ物でお腹が満たされる様子から転じて、人々が平和を享受していることを意味します。

また、堯風峻雨は、中国の神話において優れているとされた 2人の皇帝から生まれた言葉です。前節でご紹介した「堯帝」と、「舜帝(しゅんてい)」という皇帝の善政によってもたらされた恩恵を、風や雨に例えています。そのため、平和で穏やかな世の中であるという意味になります。

「鼓腹撃壌」の英語訳

鼓腹撃壌を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • sing the praise of peace
    (平和を賛美する)

sing the praise of~ は、「~のことを高く褒め称える」ということを意味する言葉です。この後に peace を加えることで、「平和を賛美する」「平和を喜ぶ」などの意味になります。

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まとめ

以上、この記事では「鼓腹撃壌」について解説しました。

読み方 鼓腹撃壌(こふくげきじょう)
意味 平和な世の中であること。または、平和を喜び楽しむこと。
由来 中国南宋時代の書物『十八史略』
類義語 撃攘之歌、含哺鼓腹、堯風峻雨
英語訳 sing the praise of peace

「お腹いっぱい食べることができる」というと、私たちにとっては当たり前のことに思えるかもしれません。

しかし、世界銀行によると、2015年において世界の10%の人々は、1日1.9ドル(日本円にして約200円)で生活していると言います。

平和で、それなりに豊かであるからこそ、お腹いっぱい食べることができるということを忘れてはいけません。決して、当たり前のことではないのです。

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