今回ご紹介する言葉は、熟語の「功名心(こうみょうしん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「功名心」をざっくり言うと……
読み方 | 功名心(こうみょうしん) |
---|---|
意味 | 手柄を立てて名をあげようとする心 |
類義語 | 野望、大望、大志 |
英語訳 | ambition(大志) |
「功名心」の意味をスッキリ理解!
「功名心」の意味を詳しく
「功名心」とは、手柄を立てて名をあげようとする心のことです。
「功」という字には「功績」「功労」などの言葉にあるように、「手柄」「すぐれた成績」といった意味があります。「功績」によって「名」をあげるのが「功名」の持つ意味です。
その「功名」に心がつき、「功名を求める気持ち」という意味になるのです。
「功名心」の使い方
- 彼には功名心があるが、そのせいか地味な仕事はやりたがらない。
- 彼女が努力し一番の成績を取ったのも、功名心あってのことだろう。
- 功名心にはやるあまり、体を壊してしまった。
- あのときの私は功名心にかられて、物事を楽しもうという気持ちを忘れていた。
上記の例文のように、「功名心」は「功名心がある」などの形でよく使われます。
①の例文では、「功名心」がポジティブな意味でもネガティブな意味でも使われています。名をあげようという「功名心」があるゆえに、手柄にならないような仕事を避ける「彼」を批判しています。
②の例文では、「彼女」が一番の成績を取ったことを「功名心」のおかげだとしています。こちらの例文の場合では、「功名心」を肯定的に捉えています。
③の例文で使われているように、成果をあげようと、必要以上に物事を早く進めることを「功名心にはやる」と表現します。この例文の場合には、頑張りすぎてしまったというニュアンスにもなります。
④の例文の「功名心にかられる」も、「功名心にはやる」と同じ意味になります。手柄を優先してしまうあまり、焦ってしまう様子が表現されています。
「功名心」の類義語
功名心には以下のような類義語があります。
- 野望:分相応に大きな望み
- 大望(たいもう):大きな望み
- 大志:将来に対する大きな希望
「野望」「大望」「大志」はどれも大きな望みのことを表す言葉です。
「野望」は身の程に合わないほどの大きな望みのことです。「大望」も大きな望みのことを表しますが、「野望」のように、「分相応だ」というニュアンスはありません。
「野望」「大望」は、「世界征服の野望」など、よくない意味で使われる場合もありますが、「大志」はいい意味のみで使われます。
「大志」は、将来に対する志というニュアンスがあり、「実現は難しいかもしれないが賞賛されるべき目標」というイメージです。
「功名心」は「野望」と「大志」の間くらいのイメージで、いい文脈でも悪い文脈でも使えます。
また、「野望」や「大志」は、具体的な目標を指している場合が多いですが、「功名心」は「なにかしらのことで手柄を立てたい」と、抽象的なイメージでの望みになります。その点で使い分けが可能であるため、どれに当てはまるかよく考えて使いましょう。
「功名心」の英語訳
功名心を英語に訳すと、次のような表現になります。
- ambition
(大志)
ambitiousは、 “Boys, be ambitious.(少年よ、大志を抱け)”というクラーク博士の言葉で有名な英単語です。その形容詞ambitiousの名詞形がambitionです。
ambitionは単体で「大志」という意味になり、必ずしも名をあげるという意味にはなりませんが、「将来大きなことを為す」というニュアンスはだいたい同じです。
「功名心」自体は名詞なので、ambitionが訳として適切ですが、文章によっては形容詞ambitiousを使った方がよい場合もあります。たとえば、「彼は功名心を抱いている」という場合には、形容詞の方のambitiousを使い、 “He is ambitious.” とすると自然です。
まとめ
以上、この記事では「功名心」について解説しました。
読み方 | 功名心(こうみょうしん) |
---|---|
意味 | 手柄を立てて名をあげようとする心 |
類義語 | 野望、大望、大志 |
英語訳 | ambition(大志) |
「功名心」は、日常生活での使用頻度は多くない方の言葉ですが、覚えておくと便利です。