今回ご紹介する言葉は、ことわざの「子はかすがい(こはかすがい)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「子はかすがい」をざっくり言うと……
読み方 | 子はかすがい(こはかすがい) |
---|---|
意味 | 子供は夫婦の仲をつなぎとめるものだということ |
由来 | 2つの木材をつなぐ「かすがい」に由来する |
類義語 | 縁の切れ目は子でつなぐなど |
対義語 | 子は三界の首枷など |
英語訳 | Children are a bond between husband and wife.(子はかすがい) |
このページの目次
「子はかすがい」の意味をスッキリ理解!
「子はかすがい」の意味を詳しく
「子はかすがい」は、子どものおかげで夫婦の縁を切らずにいられるという意味です。子が夫婦の縁を保ってくれることのたとえです。子どもが夫婦仲を和ませ、縁をつなぎとめる役割を果たすことを示します。
「子は夫婦のかすがい」とも言い、「かすがい」は漢字で「鎹」と書きます。良い意味で使われる一方、「子どもを夫婦仲をつなぎとめるための道具とみなした表現だ」ととらえて不快に思う人もいるため、使う時には注意しましょう。
「かすがい」を用いた表現
- かすがい事案:2つのことをどちらも成功させようとする考え
- 豆腐にかすがい:効き目がないこと
「豆腐にかすがい」は、柔らかい豆腐にかすがいを打ち付けても意味がないことから生まれた言葉です。
「子はかすがい」の使い方
- 娘のおかげで夫婦の危機を乗り越えたので、まさに子はかすがいだ。
- 子はかすがいとは思いたくない。
- 隣の家は子供が生まれてから夫婦喧嘩をしなくなったので、子はかすがいと言える。
子供が夫婦仲を取り持つ場面で使います。
「子はかすがい」の由来
「かすがい」は、建材の合わせ目をつなぎとめるためのクギのことです。2つの木材をつなぐため、コの字型に曲がった形状が特徴です。「2つの物をつなぎとめる」の意味が転じて、「両者の間をつなぎとめる」という意味が生まれました。
「子はかすがい」の類義語
「子はかすがい」には以下のような類義語があります。
- 縁の切れ目は子でつなぐ:子どもが夫婦の縁を結ぶこと
- 子は縁つなぎ:子供は夫婦の仲をつなぎとめてる存在であること
「子はかすがい」の対義語
「子はかすがい」には以下のような対義語があります。
- 子は三界(さんがい)の首枷(くびかせ):親は子供のことにとらわれて一生束縛されるということ。
「三界」は仏教用語で、過去・現在・未来の三世を表します。
「子はかすがい」の英語訳
「子はかすがい」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Children are a bond between husband and wife.
(子はかすがい)
「子はかすがい」の落語
落語には「子はかすがい」を題材にした演目があります。以下であらすじをご紹介します。
落語「子はかすがい」のあらすじ
熊五郎は、優れた腕をもつ大工です。しかし、派手な遊女遊びや悪い酒癖がきっかけとなり、妻のおみつに愛想を尽かされてしまいます。そして、おみつは息子の亀吉と一緒に家を出て行ってしまいました。妻と子どもに逃げられた熊五郎は、心を入れ替えて働くようになりました。
おみつと亀吉が家を出てから3年が経ったある日、熊五郎は偶然亀吉との再会を果たします。おみつと亀吉は、あまり良い暮らしをしていないようです。熊五郎は、亀吉にお小遣いを渡して翌日うなぎを食べに行く約束をしました。そして、「小遣いのことはおみつには内緒だ」と言いました。
ところが亀吉が家に帰ると、おみつにお小遣いのことを知られてしまいます。おみつは「人様のお金を盗むなんて情けない」と亀吉を叱ります。亀吉は、とうとう熊五郎と再会したことを打ち明けました。
おみつはそれに対して怒ることなく、翌日亀吉を送り出してうなぎ屋の入り口まで付いてきました。そのことを亀吉が熊五郎に伝え、熊五郎とおみつは対面します。そして亀吉は2人の間を取り持ち、熊五郎とおみつはよりを戻すこととなりました。
まとめ
以上、この記事では「子はかすがい」について解説しました。
読み方 | 子はかすがい(こはかすがい) |
---|---|
意味 | 子供は夫婦の仲をつなぎとめるものだということ |
由来 | 2つの木材をつなぐ「かすがい」に由来する |
類義語 | 縁の切れ目は子でつなぐなど |
対義語 | 子は三界の首枷など |
英語訳 | Children are a bond between husband and wife.(子はかすがい) |
「子はかすがい」はあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、例文を使って意味を理解しましょう。