故事成語「騎虎の勢い(きこのいきおい)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「騎虎の勢い(きこのいきおい)」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

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「騎虎の勢い」の意味をスッキリ理解!

騎虎の勢い(きこのいきおい):やりかけた物事を途中でやめられなくなること

「騎虎の勢い」の意味を詳しく

「騎虎の勢い」とは、物事に取り掛かった以上、途中でやめるわけにはいかなくなることです。

騎虎とは、虎の背に乗ることを指します。虎の背に乗った者は、途中で降りると虎に襲われてしまうために降りられません。そのため、物事が勢いづくと引き返すわけにはいかなくなるという意味が「騎虎の勢い」にはあります。

「勢い」で終わる言葉であるため、素早い勢いのことを指しているのではないかと思ってしまいがちですが、それは誤りです。物事をやめられなくなるという点に意味の中心があることに注意しましょう。

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「騎虎の勢い」の使い方

  1. ここで引き下がっては面子が立たない。騎虎の勢いで最後まで頑張ろう。
  2. 今から言い直しても信じてもらえないと感じ、騎虎の勢いで嘘を貫いた。

「騎虎の勢い」の由来

「騎虎の勢い」は、『隋書(ずいしょ)』という書物に書かれている故事から来ている言葉であるとされています。『隋書』とは、中国史における隋の時代についての歴史書です。

中国には昔、北周という王朝がありました。北周は宣帝(せんてい)という人物によって治められていましたが、580年に宣帝は亡くなりました。そこで、宣帝の外戚であった楊堅(ようけん)という人物が権力を握り、隋を建国しました。

 

建国に際して、楊堅は妻にこう言われたと伝えられています。

大事已(すで)に然り。騎獣の勢い、必ず下ることを得ず。之を勉めよ。
(いよいよ大事な時です。虎に乗って走り出してしまったら、もう下りることはできません。努力してください。)

これは、これから隋の国を治めていく楊堅に対して、改めて覚悟を植え付けさせる目的での発言です。騎虎ではなく騎獣とされているのには次のような理由があります。

『隋書』は、隋の次の王朝である唐(とう)の時代に編纂されました。その唐を治めていた初代皇帝の李淵(りえん)の祖父の名が李虎(りこ)であり、虎の字を含んでいることから使用を避けたそうです。

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「騎虎の勢い」の類義語

騎虎の勢いには以下のような類義語があります。

  • 乗り掛かった船:物事を始めた以上、途中でやめるわけにはいかないこと

「騎虎の勢い」の英語訳

騎虎の勢いを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • force of circumstances
    (成り行き上仕方なく)
  • He that is out at sea,must either sail or sink.
    (海に出た以上は、進むか沈むかのどちらかだ)
  • having no choice but to carry on
    (突き進むより他はない)

3つとも、もう引き返せないからやるしかないという意味が英語に反映されています。

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まとめ

以上、この記事では「騎虎の勢い」について解説しました。

読み方 騎虎の勢い(きこのいきおい)
意味 やりかけた物事を途中でやめられなくなること
由来 『隋書』における記述
類義語 乗り掛かった船
英語訳 force of circumstances, He that is out at sea,must either sail or sink,
having no choice but to carry on

「騎虎の勢い」は、字面ゆえに力強い勢いのことだと解釈されてしまうことがあります。ですが、物事を途中でやめられなくなることを指す言葉です。きちんと覚えましょう。

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