今回ご紹介する言葉は、故事成語の「奇貨居くべし」です。
この言葉は日常会話で用いられることもあります。
知っておかないと誰かがこの言葉を使った時に何を言っているかわからないかもしれません。
そこで、「奇貨居くべし」の意味、由来、例文、類義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「奇貨居くべし」をざっくり言うと……
読み方 | 奇貨居くべし(きかおくべし) |
---|---|
意味 | 珍しい品物は買っておけば後で大きな利益をあげる材料になるということ |
由来 | 呂不韋が冷遇されていた子楚を「奇貨居くべし」と言ってうまく利用したことから |
類義語 | 機失うべからず、好機逸するべからず、鉄は熱いうちに打て |
英語訳 | Strike while the iron is hot |
このページの目次
「奇貨居くべし」の意味をスッキリ理解!
「奇貨居くべし」の意味を詳しく
「奇貨居くべし」とは、珍しい品物は買っておけば後で大きな利益をあげる材料になるということです。
ちなみに、「奇貨」とは、珍しい品物のことです。
また、「居く」とは、手元にとどめておくことです。
ちなみに「奇貨居くべし」は「得ることが難しいチャンスは逃さず利用しなければならない」という意味も持っています。
「奇貨居くべし」の由来
「奇貨居くべし」の出典は『史記』の呂不韋(りょふい)伝です。
詳しく見ていきましょう。
中国の戦国時代に、呂不韋という人がいました。
彼は若いころ商人をしていました。
すると、ある時、子楚(しそ)という人物と出会います。
子楚は秦の安国君(あんこくくん)の子どもで、王様の一族だったのですが、冷遇されていました。
その結果、彼は趙の国の人質になっていました。
そして、子楚は趙の国でも冷遇されていました。
そんな子楚を見た呂不韋は、彼を利用することを考えます。
そして、まずは子楚に金銭の援助をし、美しい姫も与えます。
また、秦の王族にも働きかけて子楚の立場を改善していきます。
すると、やがて子楚は秦へ帰り、王位につき、荘王という名前になります。
そして、王になった子楚は呂不韋を重用し、丞相に取り立てます。
そうして、呂不韋は権勢をふるったのです。
丞相とは、君主を補佐する、最も高い位の官僚のことを表します。
つまり、その国のナンバー2です。
「奇貨居くべし」の例文
- バザーで掘り出し物を見つけ、「奇貨居くべし」だと思い、購入した。
- 「奇貨居くべし」という言葉にならって、偶然知り合った大企業の社長と仲を深めた。
- 奇貨居くべしだ。この機会は利用するしかない。
「奇貨居くべし」の類義語
「奇貨居くべし」には以下のような類義語があります。
- 機失うべからず
- 好機逸すべからず
- 鉄は熱いうちに打て
「奇貨居くべし」の英語訳
「奇貨居くべし」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Strike while the iron is hot.
(鉄は熱いうちに打て) - Make hay while the sun shines.
(ほし草は日が出ているうちに作れ)
まとめ
以上、この記事では「奇貨居くべし」について解説しました。
読み方 | 奇貨居くべし(きかおくべし) |
---|---|
意味 | 珍しい品物は買っておけば後で大きな利益をあげる材料になるということ |
由来 | 呂不韋が冷遇されていた子楚を「奇貨居くべし」と言ってうまく利用したことから |
類義語 | 機失うべからず、好機逸するべからず、鉄は熱いうちに打て |
英語訳 | Strike while the iron is hot |
「奇貨居くべし」はとても参考になる言葉です。
チャンスは見逃さずに活用していきたいものですね。