今回ご紹介する言葉は、熟語の「希薄(きはく)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「希薄」をざっくり言うと……
読み方 | 希薄(きはく) |
---|---|
意味 | 液体や気体などの濃度・密度が低いこと。物事に向かう気持ちや意欲が乏しいこと。 |
類義語 | 薄弱、低密、空疎など |
対義語 | 濃密、濃厚、充足など |
英語訳 | thin(薄い、希薄な) |
「希薄」の意味をスッキリ理解!
「希薄」の意味を詳しく
「希薄」は、「希」と「薄」という2つの漢字から構成されています。
「希」は、訓読みで「まれ」と読み、「めったにない」「少ない」という意味をもちます。「希少」や「希有(けう)」等の熟語にも用いられています。
「薄」は、訓読みで、「薄(うす)い」と読み、「うすい」「少ない」という意味をもちます。「薄情」や「薄給」等の熟語にも用いられています。
このことから、「希薄」は、似た意味をもつ漢字を重ねることで、「少ない」という意味を強調している熟語であるとわかります。
また、「少ない」「うすい」という意味に基づき、「希薄」は、「物事に向かう気持ちや意欲が乏しいこと」という意味でも用いられます。
「希薄」は、「稀薄」という漢字で用いられる場合もあります。
「希薄」の使い方
- 山頂付近では、酸素が希薄になる。
- 人間関係が希薄で、頼る人がいない。
- 彼は、仕事に対する意欲が希薄だ。
①の例文で、「希薄」は、「酸素の濃度が低くなる」という意味で用いられています。気体や液体に対して、主にこの意味で用いられます。
②の例文で、「希薄」は、「人間関係が浅く、少ない」という意味で用いられています。「人間関係が希薄」という形で多く用いられます。
③の例文で、「希薄」は、「意欲が乏しい」という意味で用いられています。この意味で用いられる場合、「やる気がないことに呆れる」というニュアンスの文章が続く場合が多く、否定的な意味で主に用いられます。
「希薄」の類義語
希薄には以下のような類義語があります。
- 薄弱(はくじゃく):弱く、しっかりしていないこと
- 低密(ていみつ):密度が低いこと
- 空疎(くうそ):見かけだけで、内容がないこと
- 薄情(はくじょう):人情に薄いこと
「希薄」の対義語
希薄には以下のような対義語があります。
- 濃密(のうみつ):密度が濃いこと
- 濃厚(のうこう):成分が濃いこと
- 充足(じゅうそく):満ち足りていること
- 稠密(ちゅうみつ):密集してるさま
「希薄」の英語訳
希薄を英語に訳すと、次のような表現になります。
- thin
(薄い、希薄な) - dilute
(薄める) - rarefied
(薄い、希薄な)
thinは、主に「厚みが薄い」場合に使われます。
rarefiedは、主に「気体の濃度が薄い」場合に用いられます。また、rarefiedは、「高度な」や「高尚な」という意味もあるため、使い方に注意しましょう。
まとめ
以上、この記事では「希薄」について解説しました。
読み方 | 希薄(きはく) |
---|---|
意味 | 液体や気体などの濃度・密度が低いこと。物事に向かう気持ちや意欲が乏しいこと。 |
類義語 | 薄弱、低密、空疎など |
対義語 | 濃密、濃厚、充足など |
英語訳 | thin(薄い、希薄な) |
「希薄」は、物理的な濃度・密度に対しても用いられますが、意欲等が乏しい場合等にも使われる幅広い熟語です。
熟語の意味をしっかり理解し、状況に応じて正しく使い分けましょう。