「希望」と「志望」、どちらも”望むこと”という意味で使われる言葉ですが、みなさんはこの2つの言葉の違いをご存知ですか?
無意識になんとなく使い分けをしている、という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「希望」と「志望」の違いについて、例文とともに解説していきます。
結論:「希望」は自分もしくは相手、「志望」は自分だけに対して使う
「希望」は、自分自身が望むことと、相手に対して望むことの両方に使えますが、「志望」は自分自身が望むことにしか使えません。
ちなみに、「希望する」や「志望する」のように動詞として使う場合にも同じルールが適用されます。
「希望」をもっと詳しく
「希望」の意味は大きく分けて2つあります。
- ある特定の状況の実現を望み願うこと。
- 将来への期待。明るい見通し。
まず、①としての意味について見ていきましょう。
この場合の「希望」は、未来に向けて自分がこうでありたい、また、人にこうであってほしいという期待に伴う欲求を表します。
先ほど述べたように、「希望」は望みの対象が自分であっても他人であっても使うことができるという点が重要なポイントとなります。
次に、②の意味についてです。
こちらは、幸先の良い将来を思い描くことを表します。
つまり、きっとこれからこんな良いことが起こるだろう、といったようなポジティブな見通しのことを表すときに使います。
「希望」の使い方の例
以下では、「希望」を使った例文をいくつかご紹介します。
- 私の希望は、上京して進学することだ。
- 息子が医者になることを希望する。
- 希望をもって生きる。
- 困難にぶつかり、希望をなくす。
①では、上京して進学するという自分の望みを「希望」と表現しています。
②では、息子に医者になってほしいと望んでいる様子が描かれています。こちらは、相手に対して「希望」を用いている例です。
③では、ポジティブな見通しという意味で「希望」を用いています。
④では、降りかかる困難によって、将来に明るい見通しを持てなくなっている様子が描かれています。
「志望」をもっと詳しく
「志望」の意味は以下のとおりです。
こちらは、自分自身の意思で望み願うことに対して使います。
そのため、「希望」とは違い、「志望」は他人から強要されないものであるため、自分以外の誰かに対して使うことはできません。
面接などで、「志望理由」を聞かれた経験があるという方もいるのではないでしょうか。それはつまり、強い意志を聞かれているということです。
「志望」は「こうなりたい」とはっきり心に決めているものを表すので、「希望」と比べて「志望」の方がやや強いニュアンスが感じられます。
また、対象が自分自身に限られるので、使うことのできる場面が限定的である点も特徴として挙げられます。
「志望」の使い方の例
以下に、「志望」を使った例文を二つご紹介します。
- 私は、○○という理由から、御社への入社を志望致します。
- 僕の第一志望校は、東京大学だ。
その他の類義語
同じような意味の言葉として、「要望」や「所望」という言葉があります。
「希望」や「志望」に比べて、より実現度の高い現実的な望みを表すときに「要望」や「所望」が使われます。そのなかでも、より抽象的な内容であれば「要望」、具体的な内容であれば「所望」を使うのが正しいとされています。
ビジネスシーンにおいて、クライアントの望みの度合いや内容ごとに、これらの言葉を正しく使い分けられるようにしておくとよいでしょう。
まとめ
以上、この記事では、「希望」と「志望」の違いについて解説しました。
- 希望:自分がこうなりたい、もしくは相手にこうであってほしいという望み。また、将来への明るい見通し。
- 志望:自分がこうでありたいという望み、自分自身の持つ強い願い。
いかがだったでしょうか。
「希望」と「志望」の使い分けはもうばっちりですか?
誰に対して望んでいることなのか、望みの対象を意識して、正しい使い方ができるといいですね。