「剣幕(けんまく)」とは?意味や使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「剣幕(けんまく)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「剣幕」の意味をスッキリ理解!

剣幕(けんまく):怒って荒々しい態度や表情

「剣幕」の意味を詳しく

「剣幕」とは、怒ったときの、荒々しい態度や表情のことです。

「見幕」「権幕」という書き方もあります。

「剣」には「つるぎ」、「幕」には「物を仕切るのに使う布」という意味があります。ただし、「剣幕」では、文字自体が持つ意味のニュアンスが薄くなっています。「剣幕」は「けんまく」という音に対する当て字であり、文字自体の意味が組み合わさってできた言葉ではないからです。

文字のイメージに引っ張られないように気をつけましょう。

「剣幕」の使い方

  1. 話の矛盾を指摘したら、彼女はものすごい剣幕で怒り出した。
  2. 妻のあまりの剣幕に、彼は思わず顔をしかめた。

上記の例文のように、「剣幕」は「ものすごい」「あまりの」など、程度の大きさを表す言葉と組み合わせて使われるのが一般的です。

①の例文では、「彼女」が激しく怒った様子を「ものすごい剣幕」と表現しています。

②の例文では、顔をしかめるほどの「剣幕」であるという様子から、「妻」の怒りの激しさが伝わります。

このように、顔をゆがめて激しく怒っている様子を表現したいときにぴったりなのが「剣幕」です。

「剣幕」の語源

「剣幕」の語源には、主に次の2つの説があります。

  1. 「見脈(けんみゃく)」という言葉が変化したという説
  2. 「険悪(けんあく)」の連声であるという説
①の「見脈」には、「脈を見ることで診察をすること」「見た目から推察すること」という意味があります。

そこから「脈の激しい状態」「興奮し怒る様子」と意味が変化し、同時に「けんみゃく」から「けんまく」に音が変わったというのが①の説です。

②の「険悪」は、「表情などがけわしくなること」という意味があります。

この「険悪」が連声を起こし、「けんまく」に変わったというのが②の説です。

連声とは、特定の場合に2つ続く音韻がくっつき、違う音韻に変わる現象のことを表す国語学用語です。

たとえば、「銀」は「ギン」、「杏」は「アン」と読みます。しかし、これらが合わさり「銀杏」となった場合には、「ギンアン」ではなく、「ギンナン」と読みます。

これは、「ギン」のnの音が連声を起こし、「アン」のaとくっついたことによるものです。

平安時代には「ン」という音について、英語のようにnとmの区別があったとされています。「剣幕」の場合には、「kem」と「aku」が連声を起こして「kenmaku」となったという考え方になるのです。

「剣幕」の類義語

剣幕には以下のような類義語があります。

  • 形相(ぎょうそう/けいそう):怒りなどの激しい感情があらわれた顔つき

「形相」には、「顔つき」という意味があります。特に、怒りなど、激しい感情をあらわにした顔つきのことを指します。

「剣幕」が、表情だけでなく態度も荒々しくなっている様子を表すのに対し、「形相」は表情のみについて表します

「鬼のような形相」「形相を変えて」などという形で使えます。

体全体の激しさを表したいときは「剣幕」、顔にピントを合わせて表現したいときは「形相」を使いましょう。

「剣幕」の英語訳

剣幕を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • threatening attitude
    (険悪な態度)

threateningは「脅す」という意味の動詞、threatenの形容詞形です。この言葉に「態度」という意味のattitudeを続けると「剣幕」という意味になります。

attitudeのかわりにlooksを使うと、顔の表情も含めた見た目を表すことができます。また、 “〜with threatening attitude” や “〜with threatening looks” とすると「すごい剣幕で〜」という意味になります。

まとめ

以上、この記事では「剣幕」について解説しました。

読み方剣幕(けんまく)
意味怒って荒々しい態度や表情
語源①見脈②険悪
類義語形相
英語訳threatening attitude(険悪な態度)

「剣幕」は字面と意味が結びつきづらい言葉ですが、覚えておくと便利です。