「研究」と「研修」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

物事を深く調べて、その分野を極めることを意味する言葉として「研究」や「研修」が使われます。あまり似たような場面で使用される言葉ではないですが、「研究」と「研修」の意味の違いをはっきり区別することができますか。

この記事では、2つの言葉の違いを詳しく解説します。2つの言葉の違いを正しく知り、正しく使い方ができるようにしておきたいですね。

結論:「研究」は深く調べること、「研修」は能力を習得すること

「研究」は物事を詳しく調べてその事実を明らかにすることを言います。

一方、「研修」は仕事をする上で必要となる能力をある一定期間の間に身に付けるために勉強することです。

似ている言葉ですが、大きく意味が異なることが分かります。

「研究」をもっと詳しく


「研究」とは、ある特定の物事について、実験や観察、調査などを通じて、事実を明らかにするという意味です。

自由研究というフレーズは耳になじみがあるのではないでしょうか。学校の宿題としてよく登場する自由研究では、自分で自由に設定したテーマについて、調査と考察を重ねてとことん真実を追い求めることを意味します。

「究」という字には、物事の奥深くまでを明らかにするという意味があります。「究明」など、本質を特定するという意味の熟語で使われることが多いです。

「研究」の使い方の例

  1. 大学の専門分野について研究する。
  2. 日本の歴史を研究する。
①の専門分野という言葉に代表されるように、「研究」は特定のテーマについてなされるものです。②では、専門分野が日本史に特定されているということです。

①や②のように、今まで知らなかったことを新たに深く知るために行うことを「研究」と言います。

「研修」をもっと詳しく


「研修」とは、仕事上必要とされる技能を決められた一定期間に身に付けることです。

本来は、知識や技能を身につけることを広く指す言葉ですが、ビジネスにおいて必要なスキルを習得することを指して「研修」を用いることが多いです。「新人研修」などのフレーズはよく耳にするでしょう。

「研修」の使い方の例

  1. 新入社員は研修を受けることを義務付けられている。
  2. 海外研修に参加し、英語力を身に付ける。
①は、いわゆる「新人研修」です。社会人としてのマナーなど、ベースとなるスキルを身につけることを指していると考えて良いでしょう。

②の「海外研修」は、海外でビジネスをする上で必要なスキルを習得することを指しています。英語力は、研修の内容としてはトップに出てくる項目でしょう。

「研究」の英語訳

  • study
  • investigation
  • research

study は、既に存在する仮説について、調査を重ねて真実に迫ることを指します。research は、新しい仮説を立て、それに基づいて調査を重ねることを言います。investigation は、起こった事柄について、調査を重ねて事実を究明することを意味します。

以下にそれぞれの使い方の例をご紹介します。

例文
  • She studies Japanese history.
    (彼女は日本の歴史を研究しています。)
  • This phenomenon is under investigation.
    (この事象については研究中です。)
  • Three interesting pieces of research in physics.
    (物理学における3つの興味深い研究。)

「研修」の英語訳


「研修」の英語訳は”training”です。” training”という言葉は日本でも使われるため、聞き慣れているのではないですか。

例文は以下の通りです。

We are going to have a new employee training next week.
(私たちは来週新入社員研修があります。)

まとめ

以上、この記事では、「研究」と「研修」の違いについて解説しました。

  1. 研究:ある物事に関して、その事実を明らかにすること。
  2. 研修:仕事上必要となる技能を、一定期間に身に付けること。

「研究」と「研修」はどちらも深く学ぶという意味を持ちますが、使われる場面が異なります。どのような場面に使われるのかしっかり理解しておきたいですね。