今回ご紹介する言葉は、熟語の「謙譲語(けんじょうご)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「謙譲語」をざっくり言うと……
読み方 | 謙譲語(けんじょうご) |
---|---|
意味 | へりくだった言い方をすることで相手への敬意を示す表現のこと |
語源 | 「謙遜すること、へりくだること」という意味を持つ「謙譲」から |
対義語 | 尊敬語など |
英語訳 | humble expression(謙虚な表現) |
「謙譲語」の意味をスッキリ理解!
「謙譲語」の意味を詳しく
「謙譲語」は敬語の一類で、へりくだった言い方をすることで相手への敬意を示す表現です。尊敬語は一方的に相手を高めるイメージですが、謙譲語は自分を下げることで相対的に相手を高める言葉です。
敬梧には3つの種類があります。
- 尊敬語:奈良時代に生まれた敬語。相手に敬意を示す。「いらっしゃる」「なさる」など
- 謙譲語:奈良時代に生まれた敬語。へりくだることで、相手を高める。「参る」「いたす」など。
- 丁寧語:謙譲語から派生して、平安時代に生まれた敬語。文章や言葉に丁寧さを加える。「です」「ます」など。
尊敬語と謙譲語は相手を高めるために使われますが、丁寧語にその役割はありません。
「尊敬語」と「謙譲語」の違い
相手を高めるには2つの方法があります。1つ目は相手を主体にしてその人を上にあげる方法で、2つ目は自分を下げることで相手を高い位置に置く方法です。前者が尊敬語で、後者が謙譲語です。
「『謙譲語』の意味を詳しく」でもご説明したように、尊敬語と謙譲語は同じく上位者を高める言葉です。では両者の違いは何かというと、それは行為の主体が相手か自分かということです。
相手が主体となって行為をする場合は、相手を中心とする尊敬語を使います。自分が主体となって行為をする場合は、自分を中心とする謙譲語を使います。
逆に言えば違いはそれだけなので、1つの基本の言い方について、尊敬語と謙譲語の両方の言い方を知っておく必要があります。以下では、基本の形・尊敬語・謙譲語の言い方をご紹介します。
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 |
する | なさる、される | いたす |
いる | いらっしゃる | おる |
言う | おっしゃる | 申し上げる |
聞く | お聞きになる | うかがう |
行く | いらっしゃる | 参る、うかがう |
来る | いらっしゃる | 参る、うかがう |
見る | ご覧になる | 拝見する |
知る | お知りになる | 存じる |
会う | お会いになる | お目にかかる |
「謙譲語」の使い方
- 尊敬語と謙譲語の区別ができていないと、社会に出たときに困る。
- 謙譲語は習得するのが難しい敬語だ。
- 学生のうちから、意識して謙譲語を使うことを心がける。
謙譲語は、尊敬語と比較されることが多いです
「謙譲語」の語源
「謙譲語」の「謙譲」とは、「謙遜すること、へりくだること」です。「謙譲の美」という風な使い方をします。「謙譲語」は8世紀ごろから使われるようになりました。
「謙譲」の対義語には、「尊大」「横柄」「驕慢(きょうまん)」「傲慢(ごうまん)」「不遜(ふそん」などがあります。
「驕慢」は「人をあなどること、うぬ惚れておごりたがぶること」で、「傲慢」は人を人を見くだすこと態度を取ることを言います。「不遜」はへりくだる気持ちがなく、思い上がった態度のことです。
「謙譲語」の類義語
謙譲語には以下のような類義語があります。
- 尊敬語:相手に敬意を示す表現のこと
「謙譲語」の英語訳
「謙譲語」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- humble expression
(謙虚な表現)
“humble” は「謙虚な」という意味です。
まとめ
以上、この記事では「謙譲語」について解説しました。
読み方 | 謙譲語(けんじょうご) |
---|---|
意味 | へりくだった言い方をすることで相手への敬意を示す表現のこと |
語源 | 「謙遜すること、へりくだること」という意味を持つ「謙譲」から |
対義語 | 尊敬語など |
英語訳 | humble expression(謙虚な表現) |
「謙譲語」は、「尊敬語」と混同されがちな言葉です。両者の違いを確認しておきましょう。